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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)夕立


子供の頃、ウチの周りは雨の通り道だったらしく暑い時期になると夕立がほぼ毎日降っていた

外で跳ね回っていた俺や友人達は雲の動きや土の匂いで夕立を察知出来る程遊び呆けていた


そんなある日、いつもの様に空気がどんよりしだして夕立のサインが出始めた

生憎その日は川遊びの為に遠征中で雨を避ける場所が近くに無かった為

ずぶ濡れになりながら通りすがりの神社の社に駆け込んでやり過ごす事となった


その日の夕立はいつもより激しく雷も地震かと思う位の地響きを立てながら何度も落ちていた

落ちる度に視界が全て青白い光に包まれて薄暗い境内を照らすのだが

いつからか分からないが手水の所に人が立っているのが見えた

(あの人も雨を避けるのにあそこにいるんだな…)程度にボンヤリ眺めていたら

数回の稲光の後、急に消えてしまった


他にも数人が見ていたので皆幽霊だ!と大騒ぎになって雨が上がらない内に神社を飛び出した

学校では神社の幽霊騒ぎで持ちきりとなったが事は意外にあっさりと片付いてしまった

数日後、手水近くの雑木林で首吊り自殺をした男性が見つかった

俺達はその男性を見てビックリしたのだろう、という推測を親に突き付けられたのだ


勿論俺達は納得がいかなかった

何故なら手水に立っていた人は男性じゃなくて女性でしかも俺達を見て手を振っていたからだ

結局あの不思議体験は今でも謎としてわだかまっている

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