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(祟り?)橋の袂(たもと)
俺がまだ高校生だった頃、近くの橋の袂に1人のホームレスが居着いていた
普段特に接する頃がなかったので何かあった訳ではないがそんなある日
その袂で火事がありそのホームレスは焼死してしまった
原因は定かではないが噂ではそのホームレスの失火が火元だと言う
それから暫くしてその橋ではホームレスの幽霊が出るとの噂が立ち始めた
曰く真っ黒に焦げた何かに追われたとか他愛のないモノだったが
噂を聞き付けたDQN達が夜な夜な来ては騒ぐので近隣住民は相当な我慢を強いられた
それから二夏ほど過ぎた頃だろうか、噂もだいぶ鳴りを潜め騒ぎも一段落したと思ったら
DQNの1人がふざけて放った火が周りに燃え広がり内1人が焼死する事故が起きた
ホームレスの祟りか?とさもありそうな噂が駆け巡りまた心霊スポット化するかと懸念されたが
その夏の大雨で橋桁ごと流されてしまいその後利用者も少ない事から撤去されてしまった
今では朽ちた欄干が少し残されているだけになってしまったがそれでも噂を聞きつけた人間が
僅かながらも訪れるらしい




