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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(人)ドラム缶


一昔前、皆で集まって徹マンしようと言う事になり友人宅に集合した

夜9時を回っていたので近所迷惑にならない様近くの空き地に車を停めて徒歩で向かったのだが

友人宅の隣人がドラム缶で何かを焼却していたので皆ビックリした「こんな夜更けにゴミ燃やすなんてかなり迷惑だな」

と友人に言うと「あの家のオヤジは変わってるから誰も文句言えないんだよ」と返ってきた

まぁ気にする事でもないしそんな事も忘れて麻雀に没頭していたら深夜過ぎに小腹が減ってきた

「じゃあ休憩がてらコンビニで何か食べ物買いに行こうぜ」となり皆で歩いていると

件のオヤジがドラム缶の前でこちらを睨み付ける様に立っていた


(まだゴミ燃やししてんのかよ…)


と皆でワイワイ言いながら買い物を済ませ帰宅、また麻雀に勤しんだ

朝の騒がしさが静まった頃、漸くお開きとなり解散したのだがその時は流石にオヤジはいなかった


数日後、友人から衝撃的なニュースが飛び込んできた

例の隣家で長年病気を患っていたオヤジの嫁が将来を悲観して(ドラム缶の中で)焼身自殺、

オヤジはそれに(気付かず)灯油を使ってドラム缶の中の(ゴミ)を(半日)かけて燃やしきったらしい


あの時燃やしていたのは(ゴミ)じゃなくて(嫁)だったのか…と思うとゾッとした

更に後日、警察はそんな事件を(自殺)で処理したと聞いて二度ビックリ

(たまたま)そのオヤジの縁者に警察のお偉いさんがいたからうやむやになったらしい


自殺で片付けられた不可解な事件は引っ越して更地になった事で完全に幕引きとなった


怖いのはオヤジでもなく近所や俺の周りの人間の反応

「多分殺して焼いた」のを勘づいてるのにうやむやにする事なかれ主義が事件よりも怖い

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