32話
1週間も空けてしまい申し訳ございません。
地獄のような一週間が無事終わり、ようやく再開できます。
といってもまだ毎日更新はできないと思います。
それと、スーパームーンさんからレビューを頂きました!
本当にありがとうございます!
これからも投稿頑張りますので応援の程よろしくお願い致します!
今日は12月31日
一年の締めくくりの日だ。テレビ番組も大晦日やら新年へのカウントダウンの番組が多く、一年の終わりを感じさせられる。
時刻は18時。俺の家族も一緒に年始を迎えるわけなのだが、今年はいつもよりもメンバーが少し多い。
俺は、今日も変わらずマンションにいるのだが、いつもより狭く感じる。それもそのはず。
俺の家族と絵美の家族が俺の家に集結してるのだから。
なぜこうなったのか。それは遡る事2時間前。
***
「春人、明日初詣何時くらいに行く?」
「10時くらいでいんじゃない?」
俺と絵美は相変わらず俺の家でのんびりと初詣の話をしていた。
18時頃には絵美は家に帰って俺も親父のところに行ってそれぞれの家族の元で新年を迎えようと思っていた。
しかし、そんな予想はすぐに覆された。
ピコーンとスマホにメッセージの着信音がなった。
俺はすぐさまスマホを手に取り、メッセージを確認すると親父からだった。
内容は『今から行く』とのことだった。
「はあ!?」
俺は思わず驚き声を出してしまった。
「どうしたの?」
絵美が心配そうに俺のそう言ってきた。
「いや、親父が今から来るって……」
「そうなんだ。じゃあ私はそろそろ帰ろっかな」
と、絵美が帰る支度をはじめようとするとピンポーンとインターホンが鳴った。
まさかと思い出てみると、まさかの親父だった。
相変わらず連絡してから到着するまでが速すぎる。
待たせていても仕方ないので玄関の扉を開けて親父を入れると、後ろから母さんと、絵美の家族まで入ってきた。
「え? 絵里さんと真帆ちゃん美帆ちゃんまで?」
「きちゃったー!」
てへっと舌を出す真帆ちゃん。まぁ可愛いから許されるけども、母さんは予想していたがまさか絵美の家族までくるのは予想外だった。
「ごめんなさい今かえりま……え?」
帰る支度をしながら、おそらく俺の親父に言おうとしたで言葉は目の前の光景を見て絵美は言葉を止めた。
「なんで、お母さんと、真帆と美帆までいるの?」
「きたらダメだったかしら?」
絵里さんの嫌らしい笑顔が絵美に向けられる。
きっと真帆ちゃんのあの笑顔も絵里さんから授かったに違いない。
「は、春人も春人の家族にも迷惑だし……」
「それなら大丈夫だ絵美ちゃん。なんたって誘ったのは私のなのだからな」
親父が胸を張り誇らしげにそう言った。
というより、絵美の実家の住所とか連絡先はどうやって手に入れたんだんよ。
「は、春人は……」
絵美が俺に救いを求めるような目でそう言ってきた。
しかし、俺は少しこのメンバーで年末年始過ごすことを楽しそうだと思ってしまった。
だからこそ、俺は絵美を裏切ることにした。
「俺は別に構わないけど」
「え?」
なんで!と言わんばかりの表情を絵美は俺に向けてきた。
すまない絵美。
荷物を部屋に置き、俺の両親と、絵里さんがテーブルを挟み向かい合う座った。
俺と絵美と真帆ちゃん美帆ちゃんはソファーに座りテレビを見ていた。
「改めていつも春人がお世話になっています」
「いえいえこちらこそ絵美がお世話になっています」
俺はテレビを見るふりをしながら後ろの両親の会話を聞いていた。
それは絵美も同じだったようで、テレビに集中していないのが見ていてわかった。
「絵美さんは本当にいい子ですね。この前のうちの嫁が悪酔いしてたのに嫌な顔ひとつせ……グホっ」
そこまで言ったところで親父は母さんにみぞおちに入れられノックアウトした。
さよなら親父。
それからはぴくぴくしてる親父と母さんと絵里さんで楽しそうに会話していた。
そんな会話に耳をたてながら聞いていた俺達は一切テレビに集中することができなかった。
***
そんなこんなで今に至る。
「さぁ、そろそろご飯にしましょうか」
俺の母さんがそう言って立ち上がりキッチンへと向かった。
「では私も」
そう言って絵里さんもキッチンへと向かった。
この家に来る際にたくさんの食材を買ってきていたらしく、夜ご飯はどうやら豪勢になりそうだった。
「俺も手伝おうか?」
「春ちゃんは座ってていいのよ。絵美ちゃんとイチャイチャしてなさい」
「で、できねーわ!」
悲しくも追い返された俺はソファーに戻ると絵美が少し顔を赤くしていた。
そして待つこと1時間ほど。
完成した料理がテーブルの家に並べられ、まずは子供たちから料理を食べることになった。
逆に親はソファーに座り、小さなテーブルにコップをおきお酒を飲んでいた。
料理は結構な量があった。
特にすごかったのは寿司だった。
できた寿司を買ったわけではなく、自分たちで作ったらしい。
何故だか寿司を食べると特別な日という感じが強まる。これは何故なのだろうか。
ご飯を食べ終え、大晦日の時に放送されるテレビを見ていたのだが、段々親の様子がおかしくなってきた。もちろんお酒のせいで。
まず、壊れ始めたのは俺の母さんだった。
「春ちゃん! お酒が足りないわ!」
俺は何も言わずにいつ誰が冷やしたかわからないお酒を冷蔵庫から取り出し母さんの元へ行く。
お酒を母さんに渡そうとしたところでぎゅっと抱きしめられる。
「あーやっぱり春ちゃんかわいいー!」
ダメだ、完全に酔ってやがる。
そう思った俺は抵抗することをやめた。
すると、すぐさま俺は違う人に抱きしめられた。
「春人さん、かっこいいわねー」
まさかの絵里さんだった。
「ちょ、お母さん!」
絵美がすぐさま絵里さんから俺を引き離す。
「ちょっとくらいいいじゃなーい」
絵里さんも目の焦点があっておらず酔っていた。
「親父、止めてくれよ……」
俺は親父に救いを求めた。
「いいじゃないかーはっはっは」
親父も酔っていた……。
俺も大人になってお酒を飲んだらああなってしまうのだろうか。
「ダメだよー母さん。お兄ちゃんはお姉ちゃんだけのものなんだからー」
真帆ちゃんはいやらしい笑顔でそう言った。
「それもそうねー」
「そ、そういうわけじゃないけど……」
相変わらず絵美の家庭内ポジションはいじられキャラだった。
真帆ちゃんにお兄ちゃんって呼ばれて少しドキッとしてしまったのは内緒にしておこう。
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