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30話

 12月25日。

 昨日の事が本当は嘘なんじゃないかと疑いながらい俺は目をこすりながら体をのばし目を覚ました。


「おはよう春人!」


 リビングの方から絵美がやってきた。

 その瞬間、寝ぼけてた脳内は一瞬で覚醒した。


「お、おはよう絵美」


 付き合うことになり、そのまま絵美は俺の家に泊まっていったわけだがどうしても朝起きて絵美が俺の部屋にいることに違和感しかない。

 ちなみに、昨日の夜は一緒に手をつないで寝ただけでそれ以上の事はなかった。


「朝ごはん冷蔵庫にあるもので作っちゃったけど大丈夫だった?」

「全然大丈夫だよ。ありがとう!」


 俺は大きなあくびをしながら寝室からリビングへと移動する。

 テーブルには食パンに目玉焼きとコーヒーが並べれており、平凡な朝食ながらも俺は高揚感を抑える事ができなかった。

 そう、男女が朝起きて一緒にご飯食べるとか……夫婦じゃん!

 なんて事を脳内で考えると自然に自分の表情がニヤついてるのに気づいた。

 焦って表情を戻し、絵美の方を見ると絵美もまた顔を赤くしていた。


「ど、どうしたんだ絵美?」


 あたかも自分はなんてことないですよ感を出しながら俺は絵美に問いかけた。


「い、いや……なんかこうしてると……夫婦……みたいだなって」


 かわいい。

 恥ずかしがりながらそう言う絵美を素直にそう思った。

 自慢の彼女過ぎる。


 そんな初々しさ満点の俺たちはいつもより恥ずかしさからかいつもより会話が少なく、朝食を食べた。


「それで、今日はどうする?」


 朝食を食べ終え、2人で食器を洗いながら俺はそう言った。


「んー、私はずっとこのままでもいいけど」

「ずっとこのままって言うのは俺の家にいるってこと?」

「うん、ダメかな?」


 ダメなんて言えるわけがなかった。

 絵美がそういうならそうしよう。

 俺の答えはそうだった。


「わかった!」


 ということで、世間はクリスマスだが俺たちは家でのんびりすることにした。

 朝から録画していた映画やバラエティー番組を見ることにしたのだが、俺と絵美は見てる間、終始くっついていた。

 肩と肩がひっつくくらいに。


 今まで我慢していた感情が一気に爆発していく、そんな気がした。

 昼ごはんも一緒に食べ、ずっとイチャイチャしてた俺達だったが16時頃、絵美のスマホに一件のメッセージが飛んできた。


「え?」


 スマホを見た絵美は驚いた表情をしていた。


「どうした?」

「真帆からなんだけど……これみて」


 俺は絵美のスマホにきた真帆ちゃんからのメッセージを見た。


『今日もお兄ちゃんの家? 晩御飯用意しなくていいかな?』


 特になんてこともないメッセージのように感じたが、なにをそんなに驚いたのだろうか。


「私、春人の家にいるなんて言ってないの……」


 なるほど、真帆ちゃんにはお見通しだったということか。

 

「じゃあ、絵美の家いこっか」

「そ、そうしよっかな」


 そうして俺達は絵美の家へと向かった。

 俺は行かないでおこうかと言ったらそれはダメと強く言われてしまったので、渋々ついていくことにした。

 渋々だ……。うん。


「ただいまー」


 絵美はそう言って玄関を開けると、まるで誰もいないのかと思うくらいの静けさだった。

 

「もしかして、誰もいないのかな?」


 なんてことを言いながら靴を脱ぎ部屋へと入った瞬間、パーンとクラッカーが鳴った。


「お二人さん、おめでとー!」

「おめでとう」


 真帆ちゃんと美帆ちゃんがサンタコスをして俺達を祝福してくれた。


「あ、あのおめでとうって言うのは?」


 絵美は言葉を少し引きつらせながらそう言った。


「そりゃやっと付き合えたんだもん。お祝いしなきゃね!」


 真帆ちゃんは満面の笑みでそう言った。

 普段表情を変えない美帆ちゃんも少し笑ってるように見えた。


「な、なんでわかったの!?」

「逆になんで分からないと思ったの? 寝言でも春人ーとか言ってたのにクリスマスイブに出て行ったっきり帰ってこない。嫌な結果だったら真っ先に家に帰ってきて布団の中に籠るはずだもんね」


 真帆ちゃんは絵美の行動パターンを網羅していた。

 もうどっちが姉か分からないな。

 もちろん、絵美は顔を真っ赤にしていた。


「さぁ、今日は豪華に行こ!」


 そう言って真帆ちゃんと美帆ちゃんはキッチンに行き、ご飯を作り始めた。


「私も手伝おうか?」

「ダメだよ。今日は二人を祝う会なんだから」


 絵美は悲しくも真帆ちゃんからキッチン立ち入り禁止の令を言い渡された。

 俺と絵美は結局2人でテレビを見るわけだが、真帆ちゃんと美帆ちゃんの目も気になりぎこちない感じのままだった。


「お二人さんもっとイチャイチャしてもいいんだよー」


 真帆ちゃんがニヤニヤしながらそう言ったがイチャイチャできる訳がなかった。

 人目を気にせずにイチャイチャできるレベルにはまだ達してないのだよ真帆ちゃん……


 そんなこんなで少しずついい匂いがしてきて30分ほどで料理は完成した。

 並べられた料理はピザや、鳥の丸焼き、その他に手の込んだ料理もあったがお金もかかってそうなものを多かった。


「こんなにも……」

「私達お小遣いあってもそんなに使わないしねー」


 そう言って真帆ちゃんと美帆ちゃんは2人笑っていた。

 こんなにも祝ってもらえるなんてまるで結婚したレベルじゃないか。


 すると、がちゃがちゃした音がなった後玄関から誰かが入ってきた。


「ただいまー」


 絵美のお母さんである絵里さんだった。


「あらあら、二人が付き合い始めたのは本当だったのねー」

「え? なんでお母さんまで……」


 そう言って絵美が真帆ちゃんの方を見ると真帆ちゃんは舌をべーとして笑っていた。

 真帆ちゃん、本当にぬかりないな……


 結局その日は高山家にお邪魔してクリスマスを過ごすことになった。



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