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21話

物語が動き始めます

 2日目

 今日も海水浴。なのだが昨日とは違ってジェットスキーを行う。

 本当はなにするか昨日の段階で決まってなかったのだけれど、執事の人がそれならと貸してくれることになった。

 しかも、運転免許を持ってる人もいるらしく俺たちはそのジェットスキーからボートにつかまり引っ張ってもらうのだ。


 そして、夜はバーベキューからの花火だ。

 まさに夏を詰め込んだ一日だ。


 朝食をとった後、昨日と同じく男子は海でまち女性陣が来るのを待つ。

  

 俺と川崎は海辺で待っていると一人のお兄さんがジェット機をついてこちらに向かってきていた。

 おそらく俺たちの為に持ってきてるのだろうと手伝いに行くことにした。


「手伝いますよ」

「おぉ、それはありがとう」


 海に結構きてるのだろうか、全身が黒く日焼けし体格も俺より二回りも大きいお兄さんだった。


「君、体鍛えてるね」


 お兄さんは俺の体をみてそう言った。


「はい! お兄さんも?」

「あぁ、もちろんだ」

「やっぱりそうだったんですね!」


 お兄さんの体は日焼けしてるのもあり筋肉がより強調されていた。

 その筋肉の大きさを見て男として負けたような気がした。


「君はバランスよく筋肉がつけられている。将来有望だ」

「本当ですか! 頑張ります!」

「何の話をしてるんだよ」


 話についてこれない川崎を無視して俺たちはジェット機を海へと運んだ。

 ちょうど海にジェットが付いたころに女性陣も到着した。


「マッチョが2人……」


 安田さんは俺とお兄さんを交互に見て目を輝かせていた。


「どうしたの安田さん?」

「いえなんでもないです!」


 安田さん少しテンションが上がってたようにみえるんだけど、そんなにジェットスキー楽しみなのかな。


「じゃあまず川崎と安田さんのりなよ」


 三人乗りのボートを膨らませジェットの後ろにつける。


「いいんですか?」

「俺たちは後でいいからさ」

「じゃあ安田さんいこ!」


 川崎は安田さんの手を引っ張りボートへと向かった。

 安田さんと川崎が絶叫しながらジェットスキーを楽しんでるのを見ていた。


「私……ちょっとお腹痛くなってきたかも」


 と、絵美が突然言い出した。

 しかし俺から見たらそれは明らかにお腹が痛い()()だった。


「絵美が帰ってくるまで俺と藤崎さんはまってるから」

「い、いや先に乗っててもらって構わないよ」

「俺は絵美と一緒に乗りたいんだ」

「うぅ……わかったよ」


 絵美はきっと川崎と安田さんの絶叫っぷりを見て怖くなったのだ。

 なんていっても絵美は絶叫嫌い。


 絵美がいい顔をしてなかったのは俺も見ていた。

 が、ここで逃がすわけない。


 2人が無事乗り終え、俺たちの番になった。

 俺を真ん中にして左に絵美、右に藤崎さんだ。


「じゃあ振り落とされるなよー」


 そういってお兄さんはジェットを発進させた。

 同時に絵美が俺の腕をぎょっと掴んできた。

 そして、柔らかい何かが腕に当たる。


「え、絵美?」


 しかし俺の声は絵美に届かず目を閉じ我慢している。

 そして横の藤崎さんも俺の腕をぎゅっと掴んできた。

 両手から感じる感じてはいけないものを感じないように精神を集中させながらも振り落とされないように耐えなければならない。


 いや、救命胴衣をきているし落ちても問題はないのだがそれは違う気がした。


 結局、違う意味で疲れた俺は一周回る頃にはへとへとだった。


「どうした神崎、疲れ切ってるじゃないか」


 川崎が俺に向かってそう言った。


「男に生まれたことを少しだけ後悔したかもしれない」


 その後は結局海水浴をして午後3時ころ。

 せっかくならBBQ買出しからやりたいという事で、女性陣が近くのスーパーへと買出しにいってくれた。


 俺と川崎は炭やらの準備を行いながら待つことにした。

 そして1時間半ほどたったころ、女性陣が戻ってきたと同時にBBQを開始した。


 俺たちに具材を任せた後、女性陣は「少し待ってて」と言い、すぐさま別荘へと入っていってしまった。


 とりあえず野菜とかメインである肉以外のものから徐々に焼きはじめ20分ほどたったころ。

 女性陣はそれぞれ器をもってできてた。

 

「川崎さんと、春人さん少し目を瞑ってもらっていいかしら」


 命令されるがままに目を閉じ、5秒後に目を開けていいと言われ目を開けると、目の前に3つの肉じゃががあった。


「これは?」

「私たちが一人ずつ作ったの。それで男子二人にどの肉じゃがが一番美味しいか決めてほしいの」

「わかった」


 俺と川崎は右から順に一口ずつ食べていった。


「決まったかしら」

「はい」


 川崎は返事をしたが俺は返事ができなかった。

 どれも美味しくてそれぞれ違ったよさがあったからだ。


「じゃあ川崎君はどれがよかったのかしら」

「真ん中のですかね」


 そういうと安田さんがやった!とぴょんぴょんはねていた。

 でかした川崎。そしてお前は男だ。

 安田さん以外のを選んでいたらマイナスだったからな。


「流石ね。それで春人さんは?」

「俺は……決めれないです。どれも美味しいですから。でも……」

「でも……」

「一番右のやつは絵美のですよね」

「え?」


 俺がそういうと絵美は驚いていた。


「俺がどれだけ絵美の料理を食べてきたと思っているんだ? この丁寧な味付け。これは間違いなく絵美だ」

「はぁ。この勝負は高山さんの勝ちね」

「いや、だから俺は……」

「何言ってるの春人さん。さっきの言葉以上の結果がこの勝負で生まれないわ。作った側として一番の幸せよ」

「そんなもんですか……」


 ふと絵美の方を見ると顔を真っ赤にして俺から目をそらしていた。

 

「さぁじゃあBBQしましょう!」


 お腹が空いた俺たちは改めてBBQを開始した。

 

 だいぶお腹も満腹になり辺りも暗くなってきたころ、次は買ってきた花火をしようという事になった。

 俺だけかもしれないが一番好きな花火は線香花火なんだ。


 いつ消えるかわからない、それでも一番綺麗に光るそんな線香花火が。


 5人で誰の線香花火が最後までもつかとか花火を振り回したりとかその時は確かに無邪気に遊んだ。

 でも楽しい時間はすぐに終わり、花火を片付けた後部屋へと戻り各自風呂にはいって今日は終了となった。


 ***


 風呂に入った後、なぜか寝付けずに俺は外を歩いていた。

 風呂に入った後だからか塩ののった夜風が気持ちよくて心が晴れていくような気がした。


 俺は海の方へと歩いていくと砂浜に人影が見えた。

 近づいていくとそれが絵美だとわかった。


「よぉ絵美」

「あ、春人。どうしたの」

「ちょっと眠れなくてな」

「私も」


 そして俺たちは2人砂浜で座りどこまでも続く海を見ていた。

 昼間はあんなに透き通っていた海も夜は暗くて何も見えない。

 それがどこか悲しく感じた。


「この二日間ほんとに楽しかったね」


 絵美は海の方をみてそう呟いた。

 この二日間本当に楽しかった。

 人生で一番楽しかった、といっても過言じゃないかもしれない。

 でも、昨日の夜から俺は気になっていた。

 そう、好きという感情について。


 次第に俺は絵美の事が好きなのかという疑問に変わっていた。

 俺は海を見る絵美の横顔を見ていた。


 すると、絵美は俺が見ていたことに気づいたのか俺の方を見てきた。


「どうしたの?」


 なんてことない仕草。

 なんてことない反応。

 なんてことない……いつも通りの絵美。

 のはずなに、何故だか俺はそんな絵美にドキッとした。


「い、いやなんでもない」


 いつもは普通に話せるのに、意識した途端恥ずかしくなった。

 胸の鼓動が早くて……苦しい。

 あぁそうか。

 やっぱり俺は絵美の事をいつの間にか好きになってたんだな。



 

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