9話
展開早すぎるかな
と思いましたが、これが私クオリティです。
ごめんなさい
三日間に渡るテストは無事終了した。
手ごたえはばっちりだ。
むしろあれで間違いがあれば問題の出し方が悪いと教師に文句を言ってやりたいくらいだ。
テスト最終日は午前中だけで終了する為、俺は川崎を遊びに誘ったが今日は用事があって行けないらしい。
どうするか悩みながら意味もなくあの階段へと行くとそこには必死に教科書とテストの問題用紙を見ている高山さんがいた。
「あ、高山さん。テストお疲れ様!」
「神崎君! テストお疲れ様!」
「高山さんは今何しているの?」
少し意地悪な質問をしてしまった。
高山さんのしていることは正直わかっている。
テストで不安な点があったため、教科書と問題用紙を照らし合わせているのだ。
「今日のテストで不安な場所があったから……」
「そうなんだ」
「神崎君は不安な所無かった?」
「特に無いかな」
「え! じゃあこの問題は何て答えた?」
そう言って高山さんは問題用紙を俺に見せてきた。
俺はその問題の答案と、なぜそう答えたのかを説明した。
「ここかなり難しい応用問題のはずだけど……もしかして神崎君って相当頭いい?」
「そんな事は無いと思うけど」
ごめんなさい強がりました。
少しは頭いいと思っています。
「それよりさ高山さん。この後テストの打ち上げって事でカラオケに行かない?」
「カラオケ……?」
「そう!」
この間川崎の家に行く前に集合したカラオケぺんぺんを思いだしたので何となく誘ってみた。
それにカラオケはもう一年近く行ってないし久しぶりに行ってみたい気もする。
あと、高山さんがどれだけ歌がうまいか気になる。
「いいけど私カラオケ行った事ないんだよね……」
「大丈夫だよ! いこいこ!」
俺は半ば強引に高山さんをカラオケに連れていくことにした。
一度決めてしまっては完全にカラオケの口になってしまった。
俺たちはカラオケに行き、受付へと向かうと見覚えのある美しい黒い髪をした女性がいた。
「あら、神崎さん。神崎さんもカラオケなのですか?」
「藤崎さんこんにちは。はい!久しぶりのカラオケで少し楽しみです!」
土曜日にあったばかりの藤崎凛さんは俺と高山さんを交互に見た後、にっこりとほほ笑んだ。
「お二人はお付き合いをしているのですか?」
「い、いえ!」
藤崎さんがそう言うと高山さんは顔を赤くしてすぐさま否定した。
「そうですか。なら私もご一緒してよろしいでしょうか?」
「はい! 大丈夫ですよ!」
そうして藤崎さんもカラオケへと参戦することになった。
3人くらいなら丁度いい人数だ。
「それにしても藤崎さん一人カラオケするんですね」
部屋に入り一段落した俺は藤崎さんにそう言った。
単純にそんなイメージがなかった。というよりカラオケに行くイメージが全くなかった。
「ええ。一人カラオケは好きで結構来ていますよ」
「そうなんですね! でしたら歌も期待しちゃいましょうかね」
「ハードルを上げないでください」
少し微笑みながら藤崎さんはそう言った。
横を見ると高山さんが少し不機嫌そうな顔をしていた。
そうだった。
高山さんは藤崎さんのこと知らないしな。
「私、生徒会執行役員の藤崎凛といいます。よろしくね」
俺がどうしようかと悩んでいると藤崎さんから高山さんに向けて自己紹介をしてくれた。
「一年の高山絵美です。よろしくお願いします」
まだ不機嫌そうな高山さん。
どうしてだろう。俺は何か悪い事をしてしまったのだろうか。
「と、とりあえず歌おうか」
解決策が全く浮かばないので、とりあえず歌う事にした。
二人ともすごく上手かった。
高山さんも初めてとは思えない程上手いし藤崎さんに関しては本当に上手い。
歌手としてやっていけるのではないかと思うほどだった。
二人のデュエットでデビューしてくれないかなんて思ってしまうほどに。
「ちょっとトイレに行ってくる」
飲み物を飲みすぎたが為に少しお腹を下したかもしれない俺はトイレへと駆け込んだ。
***
高山絵美視点
せっかく神崎君と二人でカラオケに行けると思ったのに何この女の人。
神崎君と仲よさそうだし、綺麗だし、なにより私よりも少し胸がでかいし!
いや、この人は知っている。
1年生の間で美人すぎる生徒会の人がいると話題になっていたから名前は聞いていた。
でもなんでそんな人が神崎君と知り合いなの!
あぁームカムカする。
私はオレンジジュースの入ったコップに刺さったストローをぐるぐると勢いよく回す。
「高山さん?でしたっけ」
「はい」
なるべく平然を装って私は返事をした。
「単刀直入に聞きますが、神崎さんの事をどう思っていますか?」
「どうと言われましても、仲がいい友達?ですかね」
いや、好きですよ。
トイレから帰ってきたらすぐにでも抱き着きたいほどに。
「そうなのですね」
ふふと笑う藤崎さんはどこか嫌な感じがした。
「では、私は神崎さんを狙いますね」
「狙う……というのは?」
「それはもちろん、彼氏にしたい。そのために彼に好意を向けてもらうように努力します。」
「そ、それは……」
藤崎さんのどこか見透かしたかのような表情をみるとなんとなくだけどわかった。
この人は私が神崎君の事好きなのに気づいている。
その上で、私にそう言ってきたのだ。
つまり、宣戦布告。
なら、私も言うしかない!
「私も神崎君のことは好きです! だから譲るわけにはいきません!」
そう言葉にして自分の中にあるふわっとしたものが固まったような気がした。
「そうですか。では……勝負ですね」
「負けません!」
「私こそ!」
「でも、神崎さんの事以外では、高山さんとは仲良くしたいと思っています。なのでこれからはライバル兼友達となっていただけませんか?」
そう言って藤崎さんは私に手を差し出してきた。
本当にこの人は、人と近づくのが上手な人だ。
「わかりました」
私は藤崎さんと握手を交わし、胸に秘める闘志を燃やすのだった。
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