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『コラボ小説』異世界異聞譚  作者: 黒田純能介
7/9

そして正体


「馬鹿なことを。そもそも信用なぞしようも…」


「ま、いいわ」


リージュが布津の背中から飛び降りる。


「そろそろまりょくもねりおわった、かたならしにはじゅーぶん」


トコトコと、黒服達の前に進み出る。


(まりょく…魔力?)


布津はリージュを制止するのも忘れ、進み出るその背中を訝しげに見やる。


「ここはせまいから、ちょうせつがひつようね」


ス…と半身に構え、右手を黒服達に向ける。

その間にも、黒服達が近付く。


「リージュ!逃げろ!」


やっと我に帰った布津が叫ぶ。


その瞬間。


「やきつくせ」


ゴォォォォォォォォオ!!


凄まじい熱量の炎が何もない空間から発生する。

炎は黒服達だけを包む。


「!!!!????」


突然の事に、布津が驚愕の表情を浮かべる。


声を上げることもなく崩れ落ちていく黒服を見飽きると、リージュはクルリと布津に向き直る。


「どうかちら?」


炎に照らされたリージュ。その瞳は爛々と輝いていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


タッタッタッ…


布津はリージュを背負い駆けていた。


(まさか、魔女などと…)


リージュが黒服達を焼き付くしたあと、騒ぎになるのを懸念した布津はすぐ離脱する事を選択した。




『あたちはまじょ、リージュ。あのほのおがしょうこ。でもこのちからはあなたにむけるつもりないわ。ええと』


『…布津、純能介だ』


布津は少し逡巡したが、答えた。


『じゅんのすけ…』


『人が来る。離脱するぞ』


『あい』


リージュは差しのべられた手をスルーすると、布津の背後に回り込む。


『んしょ、んしょ』


布津の背中に上る。


『みじかいあいだとおもうけど、よろちくね』


布津は苦笑いをすると歩きだす。


『あれ?ほっといていいの?』


背中でリージュが声をあげる。

見ると、先程倒した男が転がっていた。


『放っておけばいい、ただの盗人だ』


直ぐに警察が来る、と呟くと歩き出す。


『??』


聞き慣れない言葉にリージュが?を顔に浮かべたが、急に布津が走り出した為に慌ててしがみつく。

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