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『コラボ小説』異世界異聞譚  作者: 黒田純能介
6/9

お約束


「…はふぅ」


リージュがため息を吐く。


「だからぁ、ただのまいごなのっ」


一向に警戒心を解かない布津に怒鳴る。


「信用できんな」


(…強情な男ね)


リージュは内心舌打ちをする。


(この路地から出てないからわからない部分は多いけど、私のいた世界とは明らかに文化、文明が違う。…さっきの発言は失言だったわね)


「じゃあ、どうしたらしんようしてくれるのかちら?」


「…何?」


「いくあてがなくて、こまっているのもほんと」


「………」


布津の視線が泳ぐ。


(私の予想だと、この男は密偵か何か。そしてこの状況。そろそろね)


リージュがニヤリとする。



ザザザザザザザ…


遠くから数人の足音が響く。


「!?」

「おやくそく」


布津が焦る。

リージュは満足そうに呟く。


やがて、サングラスを掛けた黒服の男達が姿を表した。


「チィ、またあいつらか」


布津が忌々しげに呟く。


「やだ、こわーい」


リージュが布津の足にしがみつく。


「お、おいっ」


その間にも、黒服がジリジリと近付いていく。


「くっ…」


布津が後ずさる。


「んしょ、んしょ」


張り詰めた空気の中、リージュだけはマイペースだった。布津の体を上っていき、


「おい何を」

「よいしょっと」


布津の背中にしがみつく。丁度おんぶをしているような格好だ。


「もしあいつらをけちらせたら、あたちをしんようしてくれる?」

「なんだと?」


耳元で囁くリージュに、布津は訝しげな視線を向ける。


「どうなの?それとも、このままつかまっちゃう?」


リージュが楽しげに問う。

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