表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『コラボ小説』異世界異聞譚  作者: 黒田純能介
4/9

布津


「その子供をどうするつもりだ」


もう既に味わい慣れた耳鳴りを無視しながら布津は男に問う。


「うるせぇっ!このガキが刺されたくなかったらとっととどっかへ行きやがれっ!」


男はナイフの刃を幼女の首筋へと当てる。


「止せ」


「早く消えやがれ!こっちは気が長くねぇんだよ!」


男が怒鳴る。


(仕方あるまい…能力を使う…ん?)


布津が違和感に眉を潜める。


…違和感の正体。幼女。

何故ここに居た、などという簡単なことではない。


(ФωФ)


そう、幼女はこんな顔をしていた。

まるでこれから楽しいことが起こるのを期待しているかのような、爛々とした目。

澄ましたような口元。


明らかに普通の反応とは違っていた。


(なんだ、この子供は)


異様な光景に、顔が引き吊る。


「聞こえてんのか!!」


そこへ聞こえてきた男の怒声で、我に帰る。


「…分かった、子供は解放しろ」


クルリと男に背を向け、声を投げ掛ける。


(3…2…1)


内心カウントする。


「おう、そのまま大通りまで向かえ」


男が吐き捨てるように呟く。


(…0)


不意に、布津の姿が掻き消えた。


「!?なん…」


ゴッッッッ!!


後頭部に衝撃。視界が暗転する。


「きゃっ」


崩れ落ちる男に驚き、力の緩んだ腕から幼女が慌てて逃げ出す。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ