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短編: メリーさんの電話  作者: くゆ
メリーさんの電話 細ver
6/18

第六部


俺が「メリーさんの電話」という怪談を聞いた時は確か小学生の頃。丁度口裂け女やトイレの花子さんがブームになっていた頃だ。


今となっては人形が電話をかけるなんて馬鹿馬鹿しいと冷静に考えることができるが、当時の俺はお留守番すらも出来なくなるほどその怪談に怯えて居た気がする。



だがまあ案外所謂『奇跡』、『お化け』というものは存在してしまうのかもしれない。だって、実際に『彼女』から(・・・・・)電話がかかって来た(・・・・・・・・・)のだからーー


******************


お盆休み三日目、今日の午前俺はリビングで昼寝をしていた。リビングといっても狭いマンションの、なのだが。


一人暮らしを始めた時に親から貰ったソファで熟睡していた俺に、スマートフォンが起きろと言ってきた。中々に大きな着信音で驚いて飛び起きた俺に更なる驚愕が襲い掛かる。


知らない番号(・・・・・・)からの着信であったからである。親と兄弟にしか私用のスマートフォンの電話番号を伝えてないのに登録していない、その上非通知の着信が来たのは相当にビビった。


それ故にすぐさま切ろうと思ったのだが、なんと画面に手を触れた瞬間勝手に通話が始まってしまう。流石の俺もここまできたら話してやろうと思ったためスマートフォンを耳に当てーー


「もしもし? どなたですかー?」


「もしもし、私メリーさんーー」


「……メリーさん? あの、この電話番号どこで


「今貴方のマンションから一個隣の県にいるの」


「……はぁ?」


ーーガチャリッ!



と、こんなような感じで明らかな「メリーさん」らしき電話が掛かってきたのだ。勿論いたずら電話だと思った俺もすぐに履歴から折り返しを試そうとするも何故か履歴に無く失敗に終わる。


それから少しの間間抜けっぽく呆けた後、俺はまたソファに寝っ転がって昼寝をすることにした。



しかし問題はここからだったのだ。三十分置きほどで「メリーさんからの電話」が度々掛かってきて、とても寝るどころではない。

その上最初は他県にいると言っていたメリーさんは段々近づいてくる始末。



電話に触れないようにしても勝手に繋がる、昼飯をコンビニに買いに行っている間にも鳴り続けている、電源を落としても何故か電話は繋がる…… こんな悪夢みたいな状況が続き話は冒頭に戻る。

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