神々の登場
神玉は先の三柱を合わせて十三柱の神々を生み出した。その神々を現在の序列で表すと以下のようになる。これらの神々は新世代と呼ばれ、それ以前から存在する古き神々、旧神と区別される。
第一位 信頼の主神 デッドロック・プラウミル
第二位 豊かさの女神 フランド・メア
第三位 野心の英雄 ヌル・トング
第四位 歴史の記録者 ケルベル・ケルメラ
第五位 平和の象徴 ム・ワ
第六位 理性を司る獣 ナン・ナ・モー・タック
第七位 異国の勇者 三宝紫音
第八位 鍛冶屋の炎 ヘンドル・グラン
第九位 偉大なる無知 アラミドラス・ドラクリスロフト・マダリン
第十位 魔法使いの祖 グリモ
第十一位 赦しの大罪人 アストラス・ジャスティス
第十二位 商人の王 トルネリス・ワールス
第十三位 忠実なる僕 ゼロ
当時はこのような序列はなく、名目上は平和の象徴ム・ワと従順なる僕ゼロを除いた神々は対等であった。
それぞれの神々の出自を序列順に説明する。
野心の英雄ヌル・トングは、百年戦争末期に最も活躍した武人である。司るは野心。神々の中で最も野心家と言われ、常に主神の座を狙い続けた。
歴史の記録者ケルベル・ケルメラは、歴史家である。司るは歴史。正き歴史を後世に伝えることを自身の最大の役割と認識していた。正きを見定める特殊な目をもつ、獣人の一族であったと伝えられる。
平和の象徴ム・ワは、サナカ大陸旧統一帝国、サナカ帝国皇帝の末裔である。司るは平和。新たなる統一の礎として、また帝政を復活させ世の中の安定をもたらすために、神々の王として選ばれた。
理性を司る獣ナン・ナ・モー・タックは巨大な狼の姿で伝えられる。司るは理性。ナン・ナ・モー・タックはもともと神獣あったと伝えられている。新世代に協力した唯一の旧神である。獣の姿をしていながら新世代の神々の中で最も理性的であったとされる。
異国の勇者三宝紫音は、暗黒大陸出身者の代表として神に選ばれた。サナカ帝国に取り残された暗黒大陸の出身者の多くは武人であったため、その将軍であった三宝紫音はそのリーダーにふさわしいものとされた。司るは勇気。
鍛冶屋の炎ヘンドル・グランは、偉大なる炎の精である。司るは鍛冶。ヘンドル・グランの身から出た炎で鍛えた刀剣は他のどんな刀剣より優れていたと伝えられる。
偉大なる無知アラミドラス・ドラクリスロフト・マダリンはすべてが謎に包まれている。司るは無知。
赦しの大罪人アストラス・ジャスティスは、若き頃大罪を犯した。その罪状は正確に現代に伝わっていないが、皇帝殺しであったと言われることがある。(しかし、その当時皇帝位は不在であったため、この説は疑問視されている)。のちに改心し、神となった。司るは赦し。最も慈悲深く、悲しみに満ちた神である。
商人の王トルネリス・ワールスは他の神々と違い、人格で神に選ばれたわけではないため(ゼロを除き)最も位が低いとされる。トルネリス・ワールスは戦争で儲けた莫大な富を盾に、自分を神にするよう迫った。デッドロックは渋々それを受け入れ、復興の資金に当てたとされる。司るは富。
忠実なる僕ゼロは、デッドロックの従者である。司るは忠義。その献身が認められ神となった。名前も伝わっていないほど田舎の村の出身とされ、神々の中では、誰よりも(トルネリス・ワールスよりも)低い身分とされた。
神々は、自分の従者を神に近い存在、半神にすることができた。現在マイナーゴッドと呼ばれ信仰されているものは半神が由来である。
これらの神々が出揃ったのち、5年間の平和があった。信頼の平和と呼ばれる期間である。魔動石を失ったにもかかわらず、旧統一帝国崩壊後のサナカ帝国において最も幸福な期間であった。5年目に事件は起こる。




