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-改造人狼のアルテミシア- 銀髪美少女は魂合成獣(ソウルキメラ)がお好き  作者: 紅葉姫踊り子草
-プロローグ- 魂合成獣(ソウルキメラ)となるまで
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狂科学者(マッドサイエンティスト)と魂合成獣(ソウルキメラ)

目が覚めると暗室だった。

体が仰向けに磔にされているようだ。手足を確認しようとするが、頭が動かせない。右手、左手、右足、左足と順番に動かそうとするが、手首、足首ともに何かで床に固定してある。腰の周りも何で締め付けられているようだ。

それにこれはもしや……裸かな? これはちょっと、というかかなり危機的状況だ。なぜこうなったんだっけ? 誰かに捕まった記憶なんてないのだが。確か学校の仲間と飲んでて、それで……。

とりあえず本気で枷を外そうとするが痛いだけだった。


「起きたかい? 被験者005号君」どこからか声がする。

「誰だ」と問う。

「私が誰かなど君にはどうでも良いことだろう。私も君の素性などはどぅおーうでも良いのだよ。興味があるのは君の肉体、そして魂。その強度だけだ」

「私の肉体と魂だと? へっぽこ学生の私がそんな大した肉体や精神を持ち合わせているはずもない。さっさと解放してくれ」

「言ったはずだがね、君の元々の素性はどぅおーうでも良いと。いや、どうでもよくはないか。君が学生だと? 冗談を言っちゃあいけない。君の体は兵器にこそふさわしい。君の体は強いのだよ。どう強いか君には理解できないだろうがね。」

「私が……強い?」

「君が理解していようがしていまいがそれは私には関係のないこと。それでは、肉体から魂を取り出させてもらうよ。何、痛みはないから安心しなさい。

 もっとも、その後の魂合成の実験は苦しみが伴うらしいがね。らしいというのは私が体験したことがないからだが、まあ、被験体がどうなろうと私にはどうでも良いことさね」


「では始めるよ」


 一瞬で体の感覚がなくなった。他人の声も聞こえない。何も見えない。手足の感覚もない。痛みもない、冷たくない、熱くもない。


無。


そんな状態が、しばらく続いた。時計がない以上どのくらい時間が経ったのかはわからない。10分かもしれないし、1日かもしれないし、2か月かもしれない。とにかく長かった。


突然自分の心臓がもがれるような、不思議な感覚に襲われた。何か、何かが自分の間から抜け落ちていくような。

何だ、今何を失った? 体ではない。体はもう失っている。思考でもない。私はまだ考えられる。記憶か。私はまだ名前を……私は誰だ? 学生だったことは覚えている。だが父の顔も母の顔も思い出せない。自分の名前すらも。それに101110000001111 1000101010101100 101101110110110 11000001101011 11000001101010 11000010001101 11000001000110


何だ、何か、おかしななものが頭に流れ込んでくる。そうだ私は暗い洞窟の中でひそかに獲物を待って……

違う、クリスマスのプレゼントをパパに買ってもらったのに、お礼を言えなくて、無心で1000年間を城壁として過ごして……。


記憶。

記憶。

記憶。


これは何だ。

私は一体誰なんだ?

私は……。


我は修羅。

全てを破壊する。我が歩くと世界が崩れる。右手に炎を宿し、左手に雷を宿す者。あらゆる希望は我が前では意味を成さぬ。いかなる剣も我を刺し貫くことはできぬ。我が怒りは神をも落とし、あらゆる者に死をもたらす。我が名は……



「あ、起きた?」

目を開けると銀髪の少女がいた。

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