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新人に自己紹介すること

「と、言う訳で、新人がはいった。自由意思があるアーティファクトのジークだ。だいたい私の近くにいるから、用事がある時は、私に言うように」


 エースは、全員を騎車に集め、ジークの紹介をした。


「どうも、初めまして。ジークです。アーティファクトやってます。色々慣れないこともありますが、よろしくお願いします。


 と、エースの隣で光の玉、ウイスプが頭をさげる仕草をした。エースは、体もないのに器用なやつ、と、思った。


 その隣でアリサか頭を抱えていた。


「なんで、秘密にしろ、って言ってるのに、皆に言いふらすかね」


「いや、みんな信用できるだろう?」


 エースの台詞にマックスが肩をすくめた。


「俺とイリスは新人なんだか、良いのか」


 隣でイリスも頷く。


「んー、マックスと同じ意見」


 バーンは、食い気味に二人に怒鳴る。


「二人とも、エースさまは、それも含めて、我々を信頼なさっているのだ。それに応えねばならない」


 エースは、まあまあ、とバーンをなだめながら言った。


「ま、とりあえず自己紹介してもらえるかな」


「はっ、ては、わたしから。バーン。エース様の壱の家臣だ。狼獣人で、スカウト、前衛だ」


 ジークは、バーンを見た。銀髪を後ろに束ねた男。エースより一回り大きく、均整のとれた体格。切れ長の目に細面。ジークは、わっ、美形だとおもった。


「わたしはアリサ。レーベルディン候に仕えるナイトスミスでアルケミスト。エース様に泣かされているかーいそーな少女よ」


 こちらはブルネットの髪を後ろで纏めている。すらりとした長身だ。赤いフレームの眼鏡をかけた女性。ジークは、知的な御姉様よね、と、思う。


「……アリサ姉、少女って言うのはちょっと……」


「何ですか、人の話を聞かないエース様」


 エースは、アリサの笑顔に顔がひきつっていた。その隣で男が咳払いする。


「失礼、元冒険者のマックスだ。スカウトとしてはたらいている。給料分の働きはする、かな」


ややくせがある黒い短髪。中肉中背。特に特徴がない。目立たない顔立ちだ。ただし、肩に鳥が一匹とりついている。


「ん、わたしはイリス。魔法使い。よろしく」


 と、小柄でフードを被った少女が言った。ジークは、なんとなく可愛らしいとかんじた。


「で、ぶひがアルベルトぶひ。ただの傭兵と言うことになってるぶひ。宜しくぶひ」


 そこにいるのは長身で金髪の肥った美形のオークだった。ジークは、思った。うん、タイプじゃないけどカッコいい。お腹周りが大きいけど、美形。


「で、残念ながら、我が愛しき妹の婚約者だ。忌々しいことに。帝国の皇太子でもあり、知力体力魅力、あらゆる点において最高だ」


「ぶひ、エースぶひ、誉めてもなにも出ないぶひ」


「と、言うより本性を表せ。アル。じゃないとメイシアには会わせん」


「なんと卑劣ぶひ。仕方ない」


 と、瞬時に金髪細マッチョの美形に変身した。服装は多分魔力反応素材でできており、体型の変化に即応する。


 ジークは、あの服装、洗うの大変だ。お金もかかるし、とかんじた。


「つまり、あの人か即位して長いのね」


「なにか言ったか、ジーク」


「いえ、なにも」


 ここで、アリサが真面目な顔でエースに進言する。


「で、レオン共和国に対して策があると言いましたよね。メイシアさまを助けるための……」


「ああ、もちろん」


 エースは胸をはる。なお、そこには赤毛の美少女の顔が描かれていた。たしか、メイシアさんのイラストらしい。と、ジークは思った。アリサさんによると、臣下の人から強奪したそうだ。頭いたい。


「ああ、だが、ともかくレオン共和国までたどり着くことが必要だ。だから、フルグラムを使おうと思っている」


 その言葉にアリサが一番反応した。


「いくらなんでも、それはやり過ぎですよ。勘違いされます。第一コストが……」


 だが、エースはアリサの台詞を遮る。


「すべて承知の上。だいたい、リオン共和国まで行き着かないと、メイシアを救い出すとか出来ない。大丈夫。わたしには策がある」


 アリサは、しばらくして、ため息をついた。


「あなたに任せるわ。エース」


「じゃあ、早速準備だ。でき次第リオンの連中からメイシアを救い出す」


 エースの瞳はレオン共和国を向いた。その力強い視線は、彼の生き方を表すようだった。




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