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変てこな転校生


私の目の前に広がっている光景は、砂煙を上げながら飛ばされた黒い鳥と、それをしたと思われる少年が1人、私の方を見ながら立っていた


背は小さいが、そのボサボサな黒髪と良く似合う青の澄んだ瞳が若干の大人らしさも醸し出している



「お前の運命を、死から変えてやる」



突然言われた言葉にキョトンとする私...




「あ、あなたは?」



「俺はクロノス、時間を司る神だ」


「......。」




痛い人だ...



「グワァァァァア」



黒い鳥が勢いを取り戻してその翼を叩きつけてくる




「『 領域(フィールド)』」


突如、菜沙、クロノス、そして黒鳥を霧の空間が包み込む

「『 開始(スタート)』!」



黒鳥の攻撃を弾き飛ばしてそのまま胴体へと蹴りを喰らわせるクロノス



「『 召喚(バース)』」


左手に剣が現れそれを握り黒鳥に向かって走っていく




「リン、敵の情報を」




「敵はC級の中型、モデルはカラス、属性は水です。」



「分かった」



クロノスの斬撃が黒鳥の右の翼に入る

すかさず反撃してくるその翼に避けざまにさらに斬撃を一閃




「装甲は浅いな...『 必殺(バースト)加速斬(ヘイストスラッシュ)~』」



黒鳥の右翼を切断したその斬撃、だが黒鳥は止まらなかった




「しまっ...避けただと」



「グァァァァァア!!」


左翼での攻撃をもろに喰らったクロノスが吹き飛ばされる





「だ、大丈夫ですか!?」

菜沙がクロノスの飛ばされた方を見る、しかし既にクロノスは立ち上がって黒鳥を睨みつけていた



「リン、『 超力(ブースト)』はあとどれくらいだ」


「残り時間5分です、連戦の為、回復が済んでなかったのが原因です」



「ちっ...【企画外(イレギュラー)】は仕方ないか」



クロノスが剣を再び構えて突撃する



「グワァァァァ!!」


突如空に飛ぶ黒鳥、いつの間にか羽が新しく生えていてその大きな胴体を宙に浮かせている




「逃がすか!」

クロノスの鋭い斬撃が右翼に当たる


黒鳥はそれでも逃げようとするが、クロノスは続けて右翼に集中攻撃する



「『 蓄積(アジスト)』は」


「30です!」


「よし」



クロノスの剣に電気が纏う

眩く光るその剣は静かに黒鳥の姿を捉えていた


そしてクロノスも鋭い眼光で黒鳥を捉えた




「『 必殺(バースト)電撃(エレキ)~』」



黒鳥のど真ん中を斬りつけたその斬撃は、黒鳥が自由に動くのを、消し去った







「あ、ありがとう!」


菜沙が1通り終わったあと、クロノスに例をいう

死を感じた後のあの光景は菜沙にとってはあまりにも救世主的だった



「いや、気にするな、それよりお前には運命を感じる」


「......はい?」



流石に固まった、確かに命の危険を助けられはしたがまさか告白をされるとは思ってなかった



「わ、私達まだ出会ったばかりと言うかその...えっと」



「良ければここに連れていってくれないか」


「まずはお友達から初めてゆくゆくはその...えっとぉ」



かたや何かを勘違いしているものと、かたやそれを気にせず地図の1点を指差し案内を頼んでいるもの、完全に話が噛み合っていないのである




「えぇ、もうどこにでも連れていってくださ...へ?」


「いや、ここに行きたいんだが」



菜沙がよく見るとクロノスの指すその場所は...




「並ノ木高校〜〜!?」














↓↓↓↓↓



「はいお前らー、1時間目始める前に転校生の紹介するぞー」



「クロノスだ、よろしく頼む」



「しかも同じクラス...」



菜沙が席に座る、黒板の前に立つ少年、クロノスは何とここ、並ノ木高校の転入生だったのである




「ねぇねぇ菜沙〜あの子可愛くない?背ちっちゃいしなんか子供みたい♪」


「そ、そだね...」



可愛い...いや、あの黒鳥相手に殺気を溢れ出していた人物に私は二度とその感情は抱けないのではないだろうか




「じゃあー黒君の席は菜沙の隣な、おい菜沙、頼んだぞ」


「えっ!?あたし!?」


「いいなぁー菜沙ー」



クラスの何人かから聞こえたその声を見事にスルーして落ち込む



運命を感じるってこういう事だったのかと




「よろしく頼むぞ、菜沙」



私のいつもと変わらぬ学園生活に終わりが来たのであった

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