動き出した女性3
現れた女性は警戒してこちらを睨んでいる
今しかない
「みんな、早くここから逃げて!」
と言いながら近くにあった銃を取り女性めがけて発砲した
効くとは思えない………あくまで時間稼ぎ………
「貴様!発砲するな!機械にあたったらどうする気だ!」
さっきまでモニター越しに命令していた奴
多分一番偉い人…………
「じゃあなたがなんとかしなさい」
気が付けば残されたのは私達だけに
「……………方法はある………」
「それは何?」
「とりあえず部屋を出て地下室に行けば………」
「…………わかった………そこまで守ってあげる」
「………………………そうするしか………無いようだな」
「その前にこの部屋から出ないとな」
女性は唯一無二の入り口にいてこちらの様子を伺っている
脇には消化器がある
「あそこしかないの」
「………ああ」
「窓はどうかしら」
「…………防弾ガラスで作っている」
「…………ほんとに研究室は不便に作っているのね」
部屋を見渡してみる
何かないか…………何か…………!
「ねぇあれ何かしら」
それは天井にあった
「上をケーブルが通っていて、修理や検査をするために上がれるようになって………まさか………」
「そのまさかよ………上がったら何処かに通じているのかしら」
「多分…………通じている………と思う」
「…………じゃ行くしかない」
そうなるとあれの気を逸らさないと
なにか手はないか
手にあるのは銃が……………
「合図をするからあの下まで走って!行くわよ」
私は銃を構えて「今よ!」
女性の脇にある消化器に発砲し辺りが白くなった
そして私は走り出してあの場所まで来ると
「早く手を貸せ」
手を差し出すと上に引き上げられた