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精霊の王  作者: 蒼稲風顕
11/17

市場に買い物に行こう【猫姉妹との出会い】

宜しくです。

 幹部さんとの談合が終わったので執事さんとメイドさんに見送られてテツドウさんと伯爵さまの屋敷から出た。

 早速、テツドウさんと市場に行くことにした。

 伯爵家から市場までは遠いので、先ほどの馬車を使うことになった。

 ただしもうこの時点でお昼なので、牧場へは明日行くことになった。

 馬車が市場に着くと、伯爵邸から連絡を受けていたのか市場の責任者が駆け寄ってきた。

 ただ残念ながら見た感じ普通のオッサンだ。

 う~む。 何故ここで粋のいいお姉さんが来ないんだろう。 ファンタジー世界の筈なのに妙に現実っぽくて残念で仕方がない。 まあ、それが現実という訳か。

 ちなみに会計は、最後にまとめて支払う方法にして貰った。

 その市場も、もう昼のせいか少し活気が少なく品物も少なそうである。

 とりあえず、市場の責任者であるオッサンにどんな物がオススメか聞いてみる。



「大麦若葉かケールがいいぞ!」

 オッサンが素晴らしい笑顔で言う。

 まあ確かに健康のことを考えればオススメだ。


「……」

 オッサンの言っていることは何も間違っていない。

 ただこの2つを果たして料理に使えるだろうか?

 オレは使える自信がない。

 

「コタロウ、オススメらしいぞ!」

 フレイ、お前それ(大麦若葉やケール)がどんな物か知って言っているのか?

 確かに、お前なら腰に腕を当て『うげ~、超まじ~! だが、もう一杯逝けるぜ!』って言えるかもな。 ただし、ちょこっと違う世界に逝っているかもしれんがな。


「コタロウさま、何か問題でも?」

 アクア、味と料理の素材としてが問題だ。

 ケールは、青臭い。 大麦若葉は抹茶感覚でいけるが、料理で使ったと聞いたことがない。

 この世界まで来て、我慢比べはイヤだ。 それならアクアの水を腹が膨れるほど飲む。


「コタロウさん、あれ甘いですか?」

 アスナちゃん、残念ながらあれは甘くないぞ。

 あれを飲むと人生の厳しさを味わえるぞ。 ならシルフにでも飲ませるか。


「コタロ~、あれよした方がいい。 撃沈する~」

 シルフが嫌そうな顔をする。

 お前、飲んだのか? 確かにあれはオレも撃沈した。

 何だろう、飲んだだけで人生に負けた気分になったな。



 とりあえず、オッサンのオススメは遠慮して自分の足で探すことに。

 他にオッサンに頼んでオレが求めているのを探して貰うことになった。

 その結果。

 大豆 10kg

 米(タイ米みたいなの) 60kg

 にんにく 5kg

 キャベツ 30玉

 ネギ 10束

 ほうれん草 20束

 トマト 50玉

 とりあえず、これだけあれば何とかいける筈だ。

 これらを箱に入れて貰い、シルフにお願いをして宙に浮かせてもらう。



 次は果物を見てみよう。

 オレンジ 50玉

 ぶどう 10房

 りんご 30玉

 残念ながら、他は売り切れのようだ。


 次に、鮮魚コーナーに行く。

 カツオが大漁だったらしく結構残っていた。 50匹を買い、アクアにその場で凍らせて、やはりシルフにお願いして宙に浮かせる。 とりあえず、人や物にぶつからせないように言っておく。

 他に売れ残っていた魚は見たことがないし、派手でトゲトゲなので買うのを止した。


 次に砂糖や乾物を売っている場所に行く。

 シルフが大人しく言うことを聞いていたのもこの為だ。

 砂糖(黄色っぽいの) 10kg

 ハチミツ 10kg

 レーズン 1kg

 胡椒 1kg

 唐辛子 1kg

 かつお節っぽいの 1kg

 にぼし 5kg

 これらを買うことにした。他にイモリと蛇の黒コゲも売っていたが、さすがにパスだ。



 最後に野菜と果物の種を見ることに。

 玄米(タイ米じゃないの)

 本当はオレも普通の米を買いたかったが、品薄状態でしばらく入荷の見込みなしとのことだ。

 玄米は、市場のオッサンのコネで手にいれたのだ。 何かプレゼントしよう。

 メロン

 みかん

 イチゴ

 ひまわり

 ほうれん草

 きゃべつ

 ネギ

 トマト

 まあ、こんなものでいいだろう。 他に買ったりんごとかは、種があるしここで買う必要がない。 とかげくんに貰ったじゃがいもや人参もいっぱいあるしね。


 買い物でお世話になった市場のオッサンの為に、アスナに頼んで水筒を作って貰って、アクアに水を入れて貰う。

 今回は、先ほどより手を抜いたものだ。 それでもハイクオィティだが。

 市場のオッサンも喜んだし、お金いらない? 何か、オッサンが買った物全てをくれた。

 水筒がお気に召したらしい。 とりあえず、オッサンもオレ達も満足したから問題ないな。

 テツドウさんは水筒を見ているが、明日が終わってからプレゼントしよう。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 市場から出たコタロウ達だったが。 そこに


【拾って下さい】


 と書かれ箱に幼い獣人の猫姉妹が居た。

 姉が10歳くらいで妹は5歳くらいだ。



「何かあるな……」

 辺りを見回してみる。 市場に来たときにはなくて、出たら目の前に箱があって猫姉妹が入っている。

 普通に考えておかしいだろ? オレは、これをテンプレとは認めない!


「コタロウ、獣人の姉妹が捨てられているぞ」

 そりゃ見ればわかる。

 フレイがオレを逃がしてくれない。


「あら、キャット族の獣人ですね。

 見た感じ、まだ捨てられて1時間も経ってないでしょうね。かわいそうに……」

 アクアよ、自分で言っていておかしいと思わないか?

 来た時になかったんだぞ?


「コタロウさん、可愛いです!」

 うん……まあ否定はせんよ。 確かに可愛いよな。

 犬や猫のように拾ったらって……うん……猫姉妹? 猫だからいいのだろうか?


「コタロ~、プライスレス!」

 シルフよ、お前意味分かっているのか?

 確かにプライスレスだが、そこで使うのは違うだろ!


 猫の獣人。 確かに異世界情緒たっぷりだ。

 ただタイミング的におかしいだろ?

 士元の罠か? ファイヤーだ! ……少し熱くなりすぎたようだ。

 とりあえず猫姉妹と話してみるか。



「ちょっと『アタシ達を拾ってニャ!』って、えっ?」



 どうしよう。 何かおかしい。

 とりあえず、テツドウさんだ。 あのオッサンに対処方法を聞こう。



「多分、捨てられたというより育児放棄に近いのでは?

 見た感じ今までたくましく育ってきたみたいですし。

 コタロウさまが、育てられても問題ないですよ。

 まあ問題あっても、こちらとしては文句など言えませんが」



 おふっ! まさかの切り返しだ!

 とりあえず、猫姉妹に育児放棄か聞いてみないと



「そうニャ! 半月前にお母さんが、もう頑張れば生きていけるでしょって言われたニャ!」

「ニャんとぉぉ!」


 ここで拾わないと流れ的に拙いよね?

 ミノさんの所に空室あるし。



「来る?」

『ニャ!』



 あら、黙っていた妹まで良い返事。



「カツオ、あるニャ」

「カツオーニャ!」



 あぁ、市場で買ったカツオか…… あれか……あれが原因なのか。

 それに精霊たちも黙っているという事は反対じゃないんだな。

 じゃあ帰るか。 何かやるせない思いで帰った。

 猫姉妹は【カツオ>オレ】間違いないな。

 ちなみに帰り道は門から出てシルフの力でひとっ飛びだ。

 猫姉妹がお漏らしをしたのもテンプレ通りだ。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 お漏らし猫姉妹を拾ったオレたちは、一度自分の住んでいる山に戻った。

 この猫姉妹の姉は『チャム』で、妹は『カリン』との事だ。

 とりあえず漏らしちゃった猫姉妹の下着を交換させてあげないと可哀相だからだ。

 濡れた下着は、ミノさん宅から借りる事にする予定だ。

 ついでだから食材を半分分けて、野菜と果物の種を渡すことにした。

 結果的に、猫姉妹の服は借りるから貰うのにシフトチェンジした。

 ちなみに、ミノさんとは年貢制にした。 出来高の3割を年貢として差し出す。

 代わりに住む場所と田畑を提供するのが条件になっている。

 田畑はミノさんたちが作っているから関係ないと思われるが、良質の土と溜め池はアスナとアクアが作っているからな。 ミノさんたちもこの素晴らしい土壌に驚いたらしく、今まで住んでいた所の3倍の収穫量が見込めますと大喜びだった。 そうそうこの田畑関係はフレイとシルフも活躍している。

 暖かい部屋に、台風が来たらその台風を吹き飛ばすシルフ。 オレ以外大活躍だ。

 その他に病気やケガは、無料で治す(アクアが)ことにした。

 怪我や病気をすると労働力不足にもなるしね。 この条件を出したらとても喜んだ。

 ミノさんたちもいずれ街にも行かせるつもりだ。 当然、自分たちに必要な物を買いに行かせる為だ。

 毎回、オレが買いに行くなんて面倒臭い。 牧場で買う馬を貸せば自分たちで必要な物は買えるはずだ。

 それは措いといてまずご飯だ。



「カツオー!」

「ネコまんま!」



 ご飯だぞ、というと猫姉妹が叫ぶ。

 そういえば、カツオ節みたいなのあったな。

 タイ米を炊く。 タイ米とカツオ節を混ぜる。 そしてカツオを焼く。

 うむ。 猫まっしぐらだ。

 ふむ。とりあえず拾ったからには猫姉妹の面倒を見なければいけない。

 ……と思ったが、ミノさん達がいるし彼らに任せることにしよう。 とりあえずこれから協力して生活をすることだし集団行動を覚えさせることからだな。 まあついでに仕事も覚えて貰おうか。

 オレは娘を育てた事なんてないし、ご飯と住む場所を提供して、世話をする人を付ければ責任を果たしたことになるだろう。ご飯の時に、1日の事を聞いて対処すれば問題ないな。

 そう考えると全部解決だ。


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