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あねともども!  作者: 環ちっち
姉ともども!~プロローグ~
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4月8日 私立浜丘学園始業式-8

俺は目が覚めると真っ暗な空間のなか、体がふわふわと浮いていた。


結 (なんだ、これ!)


体をじたばたさせるが物が当たる感触はない。完全に無の空間。俺はそこに入っていた。しかし、ふと背中に悪寒がはしった。


結「この邪気は!?」

慌てて後ろを見る。するとそこには1人、真奈美がゆらーと立っていた。そして鋭い眼光をこっちにつきつける。


真奈美「死ぬのは怖くない?」


ガシッと俺は肩を掴まれる。真奈美は頭を大きくふりかぶる。あれ?これさっきと同じじゃないか。ふりかぶりつつも、ニヤ~とわらってる顔がみえる。またあの頭突きを食らうのは勘弁だ。ここはこの質問に答えなければられる。力を振り絞って返事をした。


結「怖いです!!」


りんご「わっ!?なに急に」


結「へ?」


目が覚めるとそこは俺の部屋だった。りんごが当たり前のようにゾンビゲーをしてるのもいつものこと。さっきのは夢だったのだ。どうやら俺のいの一番の大声は無駄に終わった。


結「あー。よかった~」

恐怖から抜けた俺はふーっと息をはいてベッドに横になる。


りんご「もう。驚かさないでよ」


結「ゾンビゲーで驚かないくせに俺には驚くんかい」


りんご「結はゾンビよりグロいからね」


結「さいですか」


そういってりんごはまた楽しそうに俺より可愛いゾンビを倒していく。ハンドガンでヘッドショット連発とは見事な腕前だ。りんごはゲームをやってると、普段と違って表情がモロに出る。特にこーいうゾンビゲーや他にはホラーゲーときなんて特にだ。そんなりんごを放っといて、そろそろ夕飯を作るかとまだ痛む頭を動かして時間を確認する。


掛け時計の針はすでに夜の9時を指していた。


結「まじかよ!!」


りんご「ちょっ。うるさいわよ!」

大声でおこられた。


そんなことはどうでもいい。どうやら俺は三時間近くねむってたわけだ。


結「まずい早く飯作らんと」


慌てて俺はベッドをたちあがり、階段をドタドタと下りていく。後ろからまたうるさいと大きな声が聞こえた。


結「ごめん、すぅ姉!すぐ飯作るわ…て?」


リビングを見ると姉さんと、真奈美がテーブルに座ってた。


涼香「おー、やっと起きたかー」

真奈美「いやー、さっきはごめんね」


慌てて入ってきた俺を二人して見て笑う。


結「というかなんで真奈美がいるんだよ」


真奈美はその席がさも当然のように座っている。


涼香「あれ?朝じーさんいってなかったっけ?」


結「え?何を?」


涼香「今日から真奈美うちで暮らすってこと」


リビングが一瞬凍りつく。ついでに俺の思考も凍りついてた。鳩が豆鉄砲くらった顔というのは今の俺の顔なんじゃないかな。自分で見れなくてもなんとなくそんなきがする。


結「まてまてまて!そんな大事な話、朝に聞いてないぞ」

テーブルにだらけきって伏せてる姉さんに近づく。

涼香「えー知らないよー。そんなのー」


結「それはこっちのセリフだって!」

そんな大事なことを聞いてたら玄関で頭突きなんかされなかったし、変な夢も見なかった。あの不幸な事故を最初から回避できたというのに。


涼香「あっ、」


姉さんがパッと顔をあげた。


涼香「そういや朝稽古のとき聞いたんだわ」

そういやそうだと笑って話す

俺は軽く頭を抱えて納得した。あのじいさんの子の子はやはり同じなんだ。片方は当日の朝に大事なことを伝えるし、二人で関係者に伝え忘れるしで。

これはもうしょうがないっと落ち着かせたところで、


真奈美「今日からよろしくね、結くん」


にへへと、真奈美が笑う。

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