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あねともども!  作者: 環ちっち
姉ともども!~プロローグ~
6/34

4月8日 私立浜丘学園始業式-6

20分くらいで式は終わった。あとは帰りのホームルームだけなのだが、どんだけ待っても先生が来ない。


アキラ「おせーな。鉄男てつお

鉄男は俺らの担任鉄同てつとう久男ひさお。去年も俺らの担任だったが、今年も同じということが朝のホームルームでわかった。朝のホームルームには遅刻しなかったというのに今は20分も遅れてる。


結「だからってなんで俺のところに集まる」

たんじ「いーじゃん、どうせ当分来ねぇよ」


そういってたんじは雑誌のグラビア部分を開く。どうやら今回の特集は巨乳ものらしい。

たんじ「あー、俺もこの谷間に顔うずめたいな~」

結「きめぇ」

アキラ「キモいな」


周りの女子たちのたんじを見る目がとても怖い。

こそこそとキモいとの発言が聞こえてくる。


たんじ「あの夢とロマンが溢れる神秘のどこがキモい!」

結「いや、おまえがだよ」

たんじ「なんだと!?」

結「つかお前ロリコンじゃなかったか?」

たんじ「あっ!ばか野郎!公衆の場で何てこと言いやがる!」


平然と胸の谷間の話をしてたやつにいわれたくはない。


アキラ「そーいや、この前は熟女もいいなっていってたな」

たんじ「いや、あれは、気の迷いといいますか…ね?」

結「結局なんでもいいんだな」


たんじの株がどんどんさがってく。


たんじ「うるせー!というか、結は涼香さんで妄想してんだろ!」

なぜかこっちに矛先が向いてきた。

結「いやいやいや、姉で妄想はしないだろ」


アキラ「お前らは朝からげんこつもらってたしな」

たんじがその言葉でなにか思い出してた。

たんじ「おまえあの時逃げただろ」

アキラ「仕方ないだろ。あの人のげんこつ痛いんだから」


結「まだ金属バットで殴られた方がましだよ」

アキラが確かにとうなずく。


たんじ「いなめないな」


あははと大声で笑う俺たち。

♪(←着メロがなる音)

なんだろう、俺はケータイを見ると姉さんからメールがきてた。

涼香(3人とも泣かす( ・э・))


慌てて周りを見るとホームルームが終わった姉さんが華乃と一緒にちょうど廊下にいた。そしてこっちを見てた。


結 (やばいなこれ)

すぐさま返信しようとしたが、

鉄男「おー、悪い悪い。いまからホームルームやるぞー」


タイミング悪く鉄男がきた。


アキラ「先生遅くないっすか?」

鉄男「それについて今からしゃべるから慌てるなって」


鉄男は30才を越えてるとはいえ見た目がとても若い。女子生徒の人気があるが、男子からもその若作りなためか友達感覚でしゃべられる。


鉄男「挨拶するぞー。起立、礼、着席!」

その間わずか1秒。去年1年で慣れてる人は椅子に座れてるが、初めての人たちは座れてなかった。


鉄男「さーて朝は俺の紹介しかなかったから、今からみんなの自己紹介してもらいたいとおもったんだが…」


鉄男がチラッと誰もいない机をみる。

結(そういえば、あの席ずっといなかったな)

鉄男「このクラスに転校生がはいってきた」

さっきまでうるさかった俺たちがさらにうるさくなる。


たんじ「せんせー!転校生は美人ですかー?」

率先して質問するバカ。だが、いつもだったら呆れられるたんじもこういうときはウケがいい。

島原「それともイケメンですかー?」

イケメン好きの女子島原しまばらさんも質問する。

たんじ「バーロー!イケメンなんてアキラで十分だ!転校生は美少女!真実はひとつだ!」

女子生徒「あんたには聞いてないわよ」

満点大笑い。

うるさいを越えて、やかましいレベルまでのぼる。


アキラ「ほらお前ら、さっさと正解を聞こーぜ」

いつの間にかクラスの保護者となってるアキラ。

はーいと全員が返事する。

んっ!と咳払いをひとつ、鉄男がする。

鉄男「転校生は……女子です」


イエーイ!と騒ぎだす男たち。なーんだといいつつも楽しそうに女子たちもわらってる。

たんじ「もう入れてあげてくださいよ、先生」

輝きが増していくたんじ。女の子と聞いてテンションが上がりきってる。

鉄男「いやそれがだな…」

裏腹に鉄男の輝きは消えていく。あんなにやかましかったクラスが静かになっていた。

鉄男「迷子らしくてまだ来てないんだ」

全員「「迷子!」」

クラスの連携はバッチリのようだ。ものの見事にハモった。


結「それ大丈夫なんですか?」

鉄男「親御さんに聞いたらよくあることらしいし、心配はないっていってたから大丈夫だろ」


結(迷子で遅刻がよくあるってどんだけだよ)

鉄男「それでここに来るの遅れたんだよ」

ハッハッハと大きく笑う。


鉄男「おまえたちもその時に自己紹介するから今日は解散ってことで」


ほいっと手を叩き、解散の合図。

それと一緒に


たんじ「いたたたた!お前ら、やるせない気持ちを俺にぶつけるな!」


舞い上がった気持ちを叩き落とされた男子たちにたんじが叩かれてた。


そういえばと思い出して廊下をみる。脅迫状メールを送ってきたあの人はいなくなっていた。


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