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プロローグーー葉の散る季節にーー

今回は私にしては長め。

「好きです、先生。私の恋人になってください」

 まっすぐに私を見つめて、彼女は毅然とした瞳でそう言った。

 紅葉が散って、もうすぐ冬が訪れるころ。教室の中を夕日が照らしていた。

 思いもかけない、生徒からの告白であることと、何より、女である私に同じく女である彼女が思いを告げてきたことに、私はうろたえていた。

「迷惑なんて百も承知です。私はおかしいんだってことも。だから、断るのなら、罪悪感なんて感じなくてもいいんです」

 まるで絶対に断られると考えているような、突き放したようなものの言い方。そんな言葉を使うのがどういう人か、私はよく知っていた。

『わかっていましたから。いつかこうなるんだろうって。気にすることなんてありませんよ、先輩』

 今日と同じような、夕暮れの教室だった。当時大切にしていた後輩は、やはり突き放すような言い方をして、私の前から去って行った。

 傷つきたくない、傷つけたくないがゆえの、不器用な行動だったのだと、今なら容易に理解できる。

 ーーそんなことは不可能だということも。

 彼女を抱きしめたのは、その手がわずかに震えていて、勇気を見て取れたから。あの日の後輩のように見えて、過去が襲いかかっていたようで恐ろしかったから。理由はいくらでも作れるだろうが、何より私はそうせずにはいられなかったのだ。

 一瞬昔を思い出して、もしもあの日に戻れたのなら自分はどうするかなどとおかしなことを考える。

 風が強く吹いて、窓を叩いていた。

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