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dead or alive 2
男は拳銃を構えて言った。
「動くな。動いたら殺。」
愛澤は両腕を挙げて無抵抗をアピールした。
「菅野聖也君。久しぶりですね」
「七年前のあの事件には黒幕が存在する。そういう匿名の告発文が一年前届きました。独自に捜査をしていくとあなたが黒幕ではないのかという証拠が出てきました。その証拠はこの酒井のパソコンのアクセス記録。ハッキングされた形跡があります。そして今日赤い落書き殺人事件が再び起きたと知ってあなたをマークしました。証拠はないですから」
「証拠はあると言いましたよね」
「ハッキングは違法行為。物的証拠にはなりません。合法化した証拠が欲しかった」
愛澤は高笑いをした。
「そうです。私はΩファイルを入手するために酒井と接触しました。そして酒井さんは高野さんを殺そうとしていることを知り協力しました。全てが計画通りでした。当初の計画では猟奇殺人に見立てて犯行声明を出すはずでした。しかし裏切り者が多数発生してしまい計画は大幅にずれてしまいましたが」




