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脅迫状
合田が月影に連行されてから五分が経った時に喜田参事官が来た。
「臨時で捜査一課三係の係長を務めます。先日東都大学教授の中林氏の相談を受けました。脅迫状が届いたそうです。これはそのコピーです」
喜田は人数分にコピーした脅迫状を配った。脅迫状にはこう書かれていた。
『星があざ笑う夜。二人の男を殺害する。その二人を生贄にして裁かれるべき闇を裁く』
「先日の二十時、彼の自宅に差出人不明の黒い封筒が届きました。封筒の中には使用済みで血痕が付着した薬きょうと面子とこの脅迫状が入っていました。封筒の中身は全て鑑識に渡しました。木原君と神津君は中林氏に話を聞きに行ってください。残りは待機です」