渋谷駅人質籠城事件 後編
「俺の金に触るな。いいか。この女以外はホームから出ろ。金を回収したら解放する」
大野は男を説得をする。
「落ち着きなさい。まだここに金があると決まったわけじゃない。こんなことしても逮捕されるだけだ」
男はナイフを振り回す。
「何も知らないくせに。俺はどうしても金がいる。そして人生をやり直すのだ」
すると不審物から煙が出た。そして男は鼻で笑った。
「このまま爆死も悪くない。被害者は出したくない。早くこのホームから非難しろ」
刑事は拳銃を取り出し構えた。
「心中なんてさせない。罪は償ってもらう」
近くにいた人々は駅員の指示に従い避難した。
「さあ残ったのは君たちだけだ。君たちも避難しろ。その女性は罪が無い。無関係の人を巻き込んだ心中なんて間違っている」
煙はこれまで以上に噴出した。
「もう終わりだ。刑事さん」
その時小規模の爆発が起きた。男はナイフを落とし呟いた。
「偽物だったのか。何のためにこんなことをしたのだ」
刑事は男に手錠をかけた。
「十二時二十分。監禁罪で逮捕する」
刑事は刑事部長に電話した。
「爆弾を見つけました。しかし偽物でした」
大野は人質となった女に聴取に付き合うように指示しようとした。しかし人質となった女は忽然と姿を消していた。




