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コーヒーを飲みほした後彼は動き出す

 十一時。法曹界の悪魔と呼ばれる男。菅野聖也はカフェでコーヒーを飲んでいる。いつもは一人で飲みにくるの。だが今日は隣の席に男が座っている。男の名は井伊尚政。法務大臣だ。井伊尚政はペン回しをしながら菅野に語りかける。

「劇場型犯罪。マスコミや警察を巻き込んだ事件。この事件の場合マスメディアが大々的に報道することで劇場型犯罪に発展した。このタイプの犯人は愉快犯の場合が多い。性格は自己顕示欲が強い場合が多いだろう」

 突然の解説に菅野は目が点になる。

「プロファイリングはいいでしょう。本題に始めよう。あのことの報告です」

「あの人物について調べて欲しいという物だろう。失踪届けは出ていない。東都病院で受診をしている形跡はある。あいつは生きているということだ。これを調べることにメリットはあるのか」

 井伊の問いに菅野は少し沈黙する。

「ファイルΩ。七年前の赤い落書き殺人事件の動機となった機密ファイル。使い方を間違えると日本を終わらせることも可能。しかしそのファイルには大工健一郎の脱税の証拠が書き込まれている。大工を恨んでいる人物で日本がどうなってもいいと思っている奴には喉から手が出るほど欲しいだろうな」

「つまりそのファイルが欲しいと思っている人物に心当たりがあるということか」

「最後の幼馴染。その人物は井伊尚政さんのプロファイリングに該当します。信じたくはない。しかし動機がファイルΩ絡みだとすると主犯はあいつしかいない」

 井伊は紙を渡した。

「最後の幼馴染さんの住所。早めに調べた方がいいでしょう。手遅れにならないように」

 井伊尚政は会計を済ませた。その姿を見送り菅野は呟いた。

「物的証拠か」

 コーヒーを飲みほした後彼は動き出す。



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