カラージャンケンゲーム 後編
熊田と対峙するように私は座った。パックを開けると、赤が二枚、青黄白が一枚入っていた。熊田が前山田に向かい言った。
「そこのおっさん。審判をしてくれ」
前山田は了承して、熊田もパックを開けてゲームを開始した。
ファーストゲーム。私は赤のカードを手に取り場に伏せた。次に熊田がカードを伏せた。
「ジャンケンポン」
熊田がそう言い伏せたカードを表にした。熊田のカードは白だった。
「これで引き分け」
熊田はうれしそうに言った。
セカンドゲーム。私は青のカードを伏せた。一方熊田もカードを伏せた。カードをオープンすると熊田も青だった。
「また引き分け」
サードゲーム。熊田は先にカードを伏せた。次に私もカードを伏せた。カードをオープンすると、熊田は赤だった。私も赤を出したので引き分けである。熊田は言った。
「これで俺の勝ちだ。サードゲームまででおまえは赤を二回出した。つまり赤がダブっているカードだ。セカンドゲームで青を出したから残るは黄色と白。俺は青と黄色を持っているからフォースゲームでおまえは負けか引き分けという結果しかない。白と黄色で引き分けたらファイナルゲームでは俺が勝つ。確率は二分の一だが、どっちでもおまえは勝つことはない」
私は負けている。




