そして彼は拳銃を取り出す
登場人物
木原弘明 警視庁 巡査部長
神津冬馬 警視庁 警部補
五十嵐拡 東都大学軽音楽サークル部長
大森茂 東都大学軽音楽サークル
中林秀樹 東都大学教授
朝倉竜彦 音楽家
朝日奈恵子 OL
愛澤春樹 カジノディーラー
大野達郎 渋谷署刑事 警部補
この物語はⅡの続編のようで続編ではない。
この物語がⅡの続編なのかどうかは読者の解釈に任せます。
東都大学音楽ホールであるロックバンドの練習は行われていた。一人の男がその演奏を客席で聞いていた。彼は演奏が終わると拍手をしながらステージに上がる。
「今日の演奏も素晴らしかった。このレベルだと来月のオーディションで優秀賞が取れるかもしれない」
バンドのメンバーはうれしそうだった。リーダーの五十嵐は感謝した。
「ありがとうございます。有名な音楽家の朝倉さんにこんなことを言われるなんて感無量としか言えません」
「こちらこそありがとう。才能のあるあなたたちを発掘できて感謝している」
朝倉は鞄から紙を取り出して五十嵐に渡す。
「夕食はまだでしょう。ラーメン屋の割引券をあげる。大森君。個人的にアドバイスをしたいので少し残って。残りのメンバーは帰っていいから」
大森以外のメンバーは解散した。ここには二人しかいないことを確認した朝倉はゆっくりと傘を取り出した。
「アドバイスというのはなんですか」
大森が聞くと朝倉は傘を差した。そして彼は拳銃を取り出す。