言いがかりはやめてよね!
短編です
朝からガタガタと騒がしい、いったい何なんだ。
「ねぇ~、家の鍵しらない?」
「知らないよ?カバンの中じゃないの?」
「昨日帰ってきたとき、玄関の棚の上に置いちゃったんだよ~。でも今見たらないの~」
「すぐ片づけないからよ」
お母さんとお姉ちゃんの会話。この家ではよくある風景だ。それにしてもお姉ちゃんは騒がしい。落ち着きのない奴だ。
昨日は夕飯の時に、箸置きを探していた。小さくて丸い、栗の形の箸置き。お姉ちゃんが好んで使ってる奴だ。あれは、TV台の下から見つかったんだっけ。
で、今日は家の鍵、ココの家の人は、よく物をなくすなぁ。
こないだは、お母さんが洗濯ばさみがすぐに無くなるって怒ってたなぁ。あれは、ソファの下から大量に出てきたらしい。
さて、今日の鍵はどこから出てくるかな?
「あった!・・・ねぇ~、なんでブーツの中から出てくるの~?」
お姉ちゃんが確信を持った目でこっちを見た。なんだよ、僕じゃないよ。
「あー、キーホルダーがふわふわだからちょっかいかけたのかしらねぇ?」
ふわふわの丸いボンボンは、見覚えがある気がする。昨日の夜、探検・・・警備の途中に見つけた、怪しいふわふわ。ちょっと小突いたらどこかに行ってしまった。逃げ足の速い奴だと思ってたんだ。そんなところにいたなんて、警備員として不甲斐なし。今度は確実に仕留めなくては。
決意を新たにしていると、お姉ちゃんがこっちに来た。
「こらぁ~この悪戯っ子!」
顔をムニュムニュされる。やめろぉ!さっき毛並み整えたばっかりなんだぞ!あぁ~、もう!また毛並み直さないと!どうしてお姉ちゃんは僕の整えたばっかりの毛並みを崩すんだよぉ!
不服申し立ての声を出したのに、お姉ちゃんは、「もぉ~」とか「可愛いんだからぁ~」とか言って、顔を擦りつけてきたりして・・・あぁ、もうやめてぇ~!!
しばらくもみくちゃにされた後、お姉ちゃんは出かけていった。まったく、慰謝料代わりに煮干しを請求しなくちゃ。
お姉ちゃんが出かけて、ひと段落。僕は窓辺の日が差し込む特等席で横になる。あぁ~。うるさいのが居なくなると静かでいいなぁ~。
と思っていたら、何やら二階が騒がしい。二階にはお父さんがいるはずだ。今日はまだ出かけてないんだ。
「かあさーん」
二階からお父さんの大きくて情けない声が響く。も~、せっかくいい気分で日向ぼっこしてたのに。
「ネクタイピン知らないか~?」
「えぇ~?わからないわよぉ~」
お父さんも何か探してるらしい。まったく騒がしい家族だよ。
「あ、あった!・・・なんでこんなとこに?」
あったんだ、良かったね。
階段を下りてきたお父さんが一直線に僕に向かってきた。な、なんだよぉ。
「お前かぁ?うらうら~」
ち、違うよ!僕じゃないよ!僕そんなことしないもん!
お父さんの手が顎をグリグリする。あぁぁ・・・そこそこぉ~。って撫でられたからって、ほだされないぞ!僕じゃないから!
「どこにあったの?」
「ベッドの下」
「あぁ~」
お母さんがお父さんにお弁当を渡して、送りだした、はぁ~、ようやくこれで静かに鳴るぅ・・・。
日向ぼっこ再開だ~!と横になったら、今度はお母さんの足音が近づいてきた。
「ねぇ?このペットボトルのキャップ、どこやったの?」
なんで僕に聞くの?僕は知らないったら!全くみんなして、僕を悪者にして!もう怒った!
僕は小さくて丸いプラスチックでサッカーをしてストレス発散をした。
——ひゃっほぉ~!——
んん~!それかなぁ!!www




