Aランクギルドとの冒険の始まり
「いや別に死なないよ、イケメン君、ザナークはあたしの家来なんだから。」左手でグッドボタンを作りながら笑顔で答えた。
あたしがそういった瞬間あたりの一体の時が止まったように静まり返った。
「何をおしゃっていらっしゃるのですか?そこのクソガキは」リズさんが矛盾をはらんだ敬語であたしを指さしながら言った。
「うーん?多分魔人の恐怖でおかしくなったんだと思うよ!大丈夫だ!少女、人間はみないつか死ぬんだ。それが少し早くなっただけの話だよ。」ライオが明朗快活に言った。
「そりゃねえだろ団長!おいガキ!死にたくなるようなどんなつらいことがあったとしても最後まであがけ、それなら本当に死んじまっても悔いは残らねえ死ぬんだったら前のめりに死ねクソガキ!」バウアーが兜で顔は見えないがおそらくどや顔で私に言った。
あたしはザナークに首を横に振るあきれたようなジェスチャーをした。
「このクソガキの言っていることは本当だ。」淡々とザナークは言った。
霧の中三人は静かに目を見合わせた。
「はあああああ!」三人とも声をはもらせて、叫んだ。
「嘘つけ、というかウソと言ってくれよ、魔人さん!」ライオが今日一の動揺した声で言った。
「残念ながらこのクソガキの言っていることは噓ではない本当だ。本当に残念ながらだがな!」本当に残念な顔をしながら言った。
「確かに、その魔人の魔力は妙です。魔族にもかかわらず彼の魔力の根源属性はおそらく陽です。もちろん戦闘では、水属性に変換された彼の魔力しか見ていないから断言はできませんが」リズが分析するように言った。
「おいリズの魔力探知はガチだぜ、魔法学校時代、俺の鎧の下がフルチンだってことに気付いた唯一の人物だ」低いバリトンボイスでバウアーが言った。
「お前フルチンだったのか、、、まあいいや」ライオが言った。
「いや良くないでしょ」あたしが突っ込んだ。
「君!その年で俺たちAランクギルドが束で戦っても勝てないような魔人を調伏しているっていうのか!」感心したようにライオが言った。そのように言われると、満更でもなかった。だが、
「フルチンをもっと突っ込めよ!お前仲間一人戦っている最中も、フルチンだぞって言われたら、普通少しは動揺するだろ。」私はあきれながら言った。
「バウアー様はフルチン込みの特級魔術師ですから、特級のフルチンですから」リズがおしとやかに言った。
「フルチン込みの特級って何。それとんでもないもの特級呪物こめられちゃってない。特級のフルチンって何それただの特級の変態だよね。」私がまた突っ込んだ。
「まあそんなことよりさ、君魔獣を連れているならともかく、魔人を連れているだけで珍しいのに、これだけの上級魔人を連れているなんてどうやったんだい?そもそも君ここらではあまり見ない格好をしているよね、ジョブは何なんだい?」
「この世界であまり見ない格好の人より、鎧の下にフルチンの奴を連れている人のほうが珍しいと思う。あなたは魔獣じゃなくてとんでもないチン獣を連れていると思うのだけれど、まあいいか?
えっとジョブって、職業ってやつのことかな?それなら、なでな寺の僧侶だけど。」
「なでな寺の僧侶?なんだそれは固有ジョブかな?」ライオは言いながら首をかしげる。
「ちょっとまってね」私はステータス画面を見たいと念じた。するとまた青い光が出てきた。
Level 28
職業 なでな寺の僧侶
力 73
防御 98
魔力 181
魔法耐性 301
素早さ 49
運 59
スキル 炎上王女 なでなで破戒僧 魔術鎖 バイキルス スピーダー グランヒール ザーリク
少し間をおいてみたらなんだか数値が全体的に上がっている気がする。それにようわからんスキルが追加されている。よくみると、レベルが上がっていた。私自身はそんなに戦っていないがザナークが戦った分もどうやら経験値が入っているらしい。私が青い光を開くとザナークを除く三人も覗き込んできた。
「ふーん、確かにすごいステータスだ、それに知らないスキルもあるな。それにグランヒールって回復呪文の中でも最高位の呪文じゃないか?君見た目以上に特殊で優秀なステータスをしているね。」
「そうかな!もしかしてあたしまたなんかやっちゃいました。」異世界転生したら言いたかったセリフを言ってみた。そのセリフは四人には軽く流された。
「君さ!格好も珍しいしあまりここら辺慣れてなさそうだよね?」
「まあ、うん」
「良かったらなんだけど僕たちの旅についてこないかい?今僕たちのチームの不良僧侶がギルドを家出しちゃってさ!優秀な僧侶が欲しかったんだ」ライオが言った。
「え、いいの!でもこの黒いデカブツもついてきちゃうけれど、、、」そういってザナークのことを指さした。
「それのことなんだけどバウアーをフルチンにして、魔力遮断甲冑をそのままつければいいんじゃないかな。二人のサイズも同じくらいだし。」
当たり前のように言った。
「俺様はフルチンでも一向にかまわん」ものすごく堂々とバウアーが言った。
「よしこれで決まりだ。」ライオが明るく言った
「まあ別にバウアーさんがフルチンになるくらいだったらあたしもいいけど」
「おいちょっと待て!私の意見関係なしか!」ザナークが突っ込んだ。
「じゃあ霧が晴れる前にとっととやっちゃおうか!」ライオが言った。
「おいやめんか、自分で着れる」私が着せてあげようとしたら断られた。
丁度ザナークが着終えたところで霧が晴れた。




