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Aランクギルドの罠とその結末

魔鏡反響(まきょうはんきょう) 発動」とても低いバリトンボイスで二人目の魔術師バウアーが言った。

戦闘中での事前準備なしでの魔鏡反響 発動という神業を遂行したのはこの場においてザナークだけではなかった。魔術師バウアーもまた、それを行っていた。

魔鏡反響は強力だが、無制限に使えるというわけではない。

どれだけ優秀であろうとどれだけ修業を積もうと魔鏡反響を使えるのは、一回の魔術に対して一人一回までという制約がある。

理由は簡単で魔鏡反響は制約の中でしか威力を発揮しないからである。

二回目以降に張った魔鏡反響という時点で魔術的視点で見たその魔鏡反響の制約は0に等しい。

よって発動しない。

つまり魔術師バウアーの打った魔鏡反響をもう一度ザナークが魔鏡反響で返すということは不可能。

うってしまえば確実に通る。バウアーを含めた三人はそう確信していた。だがザナークは違った

最初に述べた通り、ザナークはこの戦いあらゆる個所に、違和感を感じていた。

例えば、そこら辺の棒きれとはいえ、ザナークほどの魔人が強化魔法を施した物質をバウアーがまったく魔力の感じない剣でたたいた。

にもかかわらず、まったく剣が傷ついた様子がなかった。どんな固い金属を使っていようとも、強力な強化魔法がかかった物質をまったく魔力が込められていない物質でたたけば、少なくとも刃こぼれくらいは起こすはずだ。

そのようなことからザナークはある推測を立てていた。バウアーの装備は魔術を通さない物質で作られているのではないかと、なぜそのような素材を使っているかの理由はいくつか候補があった。

ザナークにとって、今の状況もその候補の一つであった。

魔術鎖(チェイン)対象バウアー 魔鏡反響 効果強化(ブースト)  発動」ザナークが答え合わせをするかのように言った。

魔術鎖チェインとはもう発動が完了している常在魔法をほかの対象に移すもしくは共有する。

人類が得意とする連携魔術だ。この魔術には、優れた要素がいくつか存在する。この場においてその中でも重要な要素は、魔術効果発現までの速度である。

魔術鎖チェインはもとからその場にある魔術をほかの対象に移している。つまり発動という工程を必要としない。魔鏡反響も高速反撃魔術ではあるが、魔術鎖チェインと違い発動の工程が必要である、よって、バウアーの発動した魔鏡反響より早く効果を発揮する。

ザナークは棒きれに100倍ほどの強化魔法をかけていた。それをバウアーの魔鏡反響に移した。

この時点で魔鏡反響の威力はリズの通常攻撃魔法の一万倍ほどにまで膨らんでいた。

この数秒間の間でこの場においてその行動の意味を理解できていたのはザナークそして、バウアーのみであった。

「魔鏡反響 発動解除」謝罪をするかのように、低い声でバウアーが言った。

瞬間、あたりに立ち込めた霧がすこし濃くなり、リズのためていた炎魔法がシュンという音ともに消失した。

「やはり人間は美徳というものを優先するのだな」ザナークが少し悲しそうな声で言った。

遅れてライオそしてリズもなぜバウアーが魔鏡反響を打てなかったのかを理解した。

魔術規模が大きすぎるのだ、もちろんかけられたのは妨害魔法ではなく強化魔法なので魔境反響自体を放つことは可能だが、放てば村全体どころかこの地区一帯がそれを放っていればただでは済まない。

それに、魔法使いであるリズはともかく、ザナークとの位置関係の都合上ライオは確実に死ぬ。

バウアーは村に被害が出すぎずライオが巻き込まれても半殺しで済むくらいのぎりぎりの効果範囲、威力、にまでその卓越した魔法技術によってそれを絞っていた。

がザナークの強化魔法の魔術鎖チェインによってその天井を突き破られてしまった。

人類が開発した魔術によって魔人に人類が破れてしまうというのは少し皮肉めいてもいる。

「僕たちの負けか、、少し時間いいかな?言い終わったらちゃんと君に殺されるからさ」ライオが少しすっきりした顔でザナークに聞いた。ザナークは何も言わなかった。

「バウアーごめん僕足引っ張っちゃたな、多分お前とリズ二人だけなら勝てたよ。お前は強い。俺が弱かったすまない。これはお前の負けじゃない、僕の負けだ。」さわやかな笑顔でライオは言った。

「なんで謝るんだよ!団長あんたのおかげで俺たちはここまでこれたんだ。なめたこと言ってんじゃねえ」

バウアーがライオの胸ぐらにつかみかかって揺らそうとするが、身長差で言えば1.5倍近いにもかかわらずライオは微動だにしない。

ここでなでな寺僧侶が空気を読まずこの4人の元に戻ってきた。

「あの申し訳ないんだけれど、終わったということでよろしいか?」

「ん?ああ君か、君も僕たちと一緒に死んでいくかい?」胸ぐらをつかまれながら、ライオがさわやかに言った。

「いや別に死なないよ、イケメン君、ザナークはあたしの家来なんだから。」左手でグッドボタンを作りながら笑顔で答えた。

あたしがそういった瞬間あたりの一体の時が止まったように静まり返った。









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