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マルルの奥義 魔術封殺呪文|最終の刻《ファイナルストップ》に対するAランクギルドの秘策

「だから言ったでしょ、あなたは私を殺せるだけだと。では、こちらも反撃と行きましょうか。」マルルはあまりに無邪気な笑顔だった。

「氷属性 第三魔層 金剛の雹林樹(カスケード)発動 対象 全範囲」マルルがそういった瞬間マルルの後ろに魔法陣が生成され、それが爆ぜた。

「おい貴様ら上に飛べ!」ザナークがそういうと、あたしはザナークの右手に引っ張られて宙にいた。そしてマルルを除く6人がマルルから離れるように上に10m近く飛んだ。

全員が空に行った。その瞬間数秒前まで焦土だった四方数キロメートルの大地がアイススケートリンクのように凍り付いた。

「おい、冗談だろ、、あの火力の魔術食らって死なねえのもおかしいんだが、もっといかれてんのは、あいつの今の魔術属性は氷だよな?魔人のおっさん」バウアーが動揺しながら空中で言った。

「ああ、その通りだ」ザナークその質問を予想していたのか空中で一瞬で答えた。

「あの火力の炎属性の魔術を食らって、なんであいつの魔術回路魔術停滞(スタン)してねえんだ。」

顔をゆがませながらバウアーが言った。

魔術停滞(スタン)とは、魔術には数十種類の属性というものがあり、属性間ごとに相性というものが存在する。

その相性が有利な属性が不利な属性に魔術的干渉を施すと魔術停滞(スタン)というものを起こす。

魔術停滞(スタン)が起きると一時的にその魔術回路が使えなくなりその属性の魔術を使用不可能になる。

つまりバウアーは炎属性は氷属性に有利をとっているにもかかわらず、マルルは魔術停滞(スタン)が起きず氷の魔術を何ら不自由なく使えているのがおかしいと言っている。

「それはあいつが死んでいるからだ」ザナークが氷の大地に空中から足とあたしをゆったりとおろしながら言った。

「おいそれは説明になってんのか」バウアーが納得がいってないように言った。

「あいつには3億以上の魂が宿っている。いや、生命が宿っているといってもいいかもしれん。」顔に手をやりながら何かを思い出すようにザナークは言った。

「なるほど、なんとなく言いたいことはわかりました。つまりあの死体のような肉体は入れ物にすぎずを自身が死ぬたびに魂をとっかえひっかえで入れ替えることで魔術回路への干渉をなかったことにしているというわけですか?」リズさんが思考するように言った。

「話が速いなそういうことだ。」ザナークが教師のような言い方でリズさんをほめた。

「だとしてもよ、肉体が再生するのはおかしくねえか」またバウアーが質問した。

「だから私は魂という言葉から生命という言葉に変えたのだ。奴は植物という生命そのもののようなものだ。死ぬたびに魂が入れ替わるだけでなく肉体も奴のすべてが記憶などの情報だけを受け継いで入れ替わる。周りに植物さえあれば何度でも生き返れる。」ザナークが説明した。

「おいおい、さすが天海衆第三師団団長様って感じか、バケモンじゃねえか」絶望したようにバウアーが眉をひそめた。こうしている間にも淡々とそしてゆっくりとマルルが距離を詰めてくる。

「何か殺せる方法はないのかい?」ライオが言った。

「殺す方法はないが、一応対処法ならある奴が再生するためにはある程度の植物が必要だ。だから高い瞬間火力で植物ごと肉体を吹き飛ばせばいい。そうすればそこに植物が根付くまで再生はしない。」ザナークは簡単に言った。

「それならさっきザナークさんがやったような方法を使えばいいということですか?」リズさんが言った。

「ああ、そのはずだったんだがな、どっかのぼんくら僧侶と契約したせいで魔力が全盛期より落ちてしまって倒しきれなかった。さっきので今まで貯めていた魔力も使い切ってしまった。」そういった瞬間兜の隙間からザナークが「ぐはっ」と言いながら血を噴き出した。

「おいおい大丈夫かよ、三連巨大魔術詠唱なんて荒業をすりゃ代償がないほうがおかしいよな、こりゃ魔人のおっさんはさっきの反動で動けなさそうだな。」ザナークの背中をさすりながら、バウアーが言った。

「この場であいつを戦闘不能にできるとしたら、バウアーおまえのみだ。おまえの魔鏡反響(まきょうはんきょう)ならば、奴を燃やしきれるかもしれん。」吐き出した血をぬぐいながらザナークが言った。

魔鏡反響とは高等魔術の一種であり、制約ありきで自身以外の対象の魔術的行動に対して、それより早く発動し何倍もの威力にして返す、高速反撃魔術のことだ。

性質として、対象の魔術的行動を絞れば絞るほど、魔鏡反響の威力は増大する。これは基本的に事前に魔鏡反響を仕掛けておかなければ発動させることはできない。だが特級魔術師バウアーならば別だ。ザナークとの戦いのときのように、ぶっつけ本番準備なしで魔鏡反響を高速展開することができる。

「氷魔法に魔鏡反響展開しろってことか?」疲労困憊のザナークにバウアーが聞いた。

「いや違う、氷魔法に対する魔鏡反響では威力が足りない可能性がある。奴の魔術封殺呪文最終の刻(ファイナルストップ)に対して、展開しろ。」ザナークゆっくりといった。

「おい、なんだよその聞いたこともねえ魔術は」困惑したようにバウアーが聞いた。

「なんで奴がこれだけ有利な状態になってもすぐに襲ってこないかわかるか。奴は氷魔法を私たちを殺すために展開したのではない、地面にある焦土の中の残った植物を保護するために展開しているのだ。

つまり、奴はここまで有利な状況にもかかわらず、攻めてこないのはとにかく時間を稼ぎたいからだ。

奴がここにいる奴らを皆殺しにするのは簡単だ。

だが奴にとっての勝利はここにいるおまえらを皆殺しにすることではない。そこのガキを傷をつけずに捕獲することだ。

そのために魔術封殺呪文最終の刻(ファイナルストップ)を打とうとしている。

魔術封殺呪文最終の刻(ファイナルストップ)は魔王軍四天王マルルが100年かけ開発した、展開さえしてしまえば半径100メートル以内の生物は自身を除き魔術的行動ができなくなってしまう、文字通り魔術師からしてみれば打たれたら終わりの最悪の封殺呪文だ。だが、この魔術はマルルといえど、打つには長い貯めの時間がかかる。

だからそれがたまるまでのらりくらいやり過ごすつもりだろう。

それにおまえの最大出力の魔鏡反響を食らわせてやれ、魔術封殺呪文最終の刻(ファイナルストップ)は、一応魔術だ。

ここまで条件を絞ればマルルを戦闘不能に追い込めるかもしれない。

お前なら魔王軍四天王に勝てる、、、人間の強さを私達魔族に見せてみろ、、」長い説明を言いきったかと思うと、血を吐いて魔人ザナークは気絶した。

「おいおいこりゃ、大変な仕事になりそうだな。」楽しそうな顔でそういうと、頭を掻きながら全裸の特級魔術師バウアーは大きく息を吸い込んだ。

「なんだ?バウアービビっているのかい。」ライオさんがからかうように言った。

「びびってんじゃねえ、チソコビンビンになってんの、こりゃ久しぶりにそそり立つぜぇ」バウアーが明るい口調で言った。

「こそこそ話は終わりました⁼~?」マルルがこちらを煽るように聞いてきた。

戦いの再開のようだ。




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