Aランクギルドとのキャンプ 天海衆 第三師団 碧き団長マルル 現る
Aランクギルドとあたしたち一行は死人の霊脈の麓の近くまで来たところで一日目の旅路を終えキャンプをすることになった。話によるとザナークが行きたがっている死人の霊脈は馬では入れないらしいのでここにいったん馬をここにおいて、明日からは山登りをすることになった。
麓の森の中の少し開けた場所で5人は焚火を囲むことになった。
「あのさ、ザナーク今朝はペットとか言ってごめんなさい」あたしはライオと約束した通りザナークに謝ることにした。
「ふん、私は1000年以上生きているあの程度の戯言気にはせぬ!それにリズたちが言っていたが、人間には大人げないという言葉があるのだろう。
私も今思えば少し言い方がきつかったかもしれん、、、、すまない」少し恥ずかしげにザナークが言った。
「じゃこれで仲直りね」私は少しこっぱずかしくなって口早にこの会話を終わらせようとした。
「二人が仲直りできて良かったです」リズさんがすごく優しい笑顔で言った。
「別に喧嘩などはしていないがな」少しすねながらザナークが言った。
「嘘つけよおっさん!あんた馬車でずっとしょんぼりしていたじゃんかよ」からかうようにバウアーが言った。
「しょんぼりなど、しとらんわ!全裸のくせにうるさい男だ」ザナークが怒りながら言った。
「おい全裸の癖にってなんだよ!俺はお前のために全裸になってんじゃねえか」
「鎧の下が全裸だっただけでザナークさんのせいじゃないだろ」右手でバウアーの股間を指さしながらライオが突っ込んだ。
「そういえばさ、ライオさんの右手にあるそのタトウーみたいなのって何?」あたしはライオさんの右手の手の平の甲に書いてある獅子のようなマークが気になり訊ねた。
「ああこれは、王国がAランク以上のギルドのリーダーに与えている王の紋章という魔術刻印なんだ」
右手をちらちら翻しながらライオさんが答えた。
「マジュツコクイン?」あたしはさっぱり訳が分からないのでそのままオウム返しをしてしまった。
「簡単に説明すると、魔法使いじゃなくても、この紋章が認めた場合のみ刻印に魔力を流すと特殊な固有魔法が使えるようになる印みたいなものだよ」
「へえ」よくわからないけれど、わかったふりをしながらあたしは相槌を打った
「なるほど、私は刻印に認められなかったということか」ザナークがからかうように言った。
「別にザナークさんが弱かったから認められなかったってわけじゃないと思うけどな、たぶんあの時のザナークさんに本気で僕たちを殺そうという殺意が見られなかったからじゃないかな。」紋章を見ながらライオさんが答えた。
「それは獅子王の紋章か?」ザナークが聞いた。
「よく知っているねさすがザナークさん」ライオさんがニコニコしながら答えた。
「おいおい、嬢ちゃんが全然ついていけてないぜ、二人とももう少しゆっくり説明してやれよ。」バウアーが叱るように言った。
「ごめんごめん!でも時がくれば、いずれ少女にもわかる時が来ると思うよ。」片手で謝るハンドポーズを作りながらライオさんが言った。
「おいちょっと待て、そんなことよりよ。」ゆっくりとバウアーさんが息を吸って
「俺はいつまで全裸でいればいいんだ?」バウアーさんが言った。
「一生全裸がバウアーさんにはお似合いですよ」リズさんが冷たい視線で言った。
「おいそりゃねえだろリズ!というかよ俺たちと出会わなかったらどうするつもりだったんだ。ザナークがフルチンのままじゃ、町は歩けねえだろ」バウアーが聞いた。というかザナークってフルチンだったんだ。
「私は変身魔法を使えるからな、人間に化けて魔術隠匿魔法を使えばとりあえず街中で戦闘などにならなければ大丈夫だろうと私は考えていた。」ザナーク説明した。
「なるほど魔族の魔法系統にはそんな便利な魔法があるのか?」感心しながらバウアーが言った。
「まあ貴様ら人間と私たち魔族とでは魔法体系がかなり違う。」
「その魔法って私みたいな性別や体形が違うものにも変身できるんですか?」リズさんが聞いた。
「可能だ」
「そうなんだ」リズさんが何か思うところがあるような感じで言った。
「その魔法って私やバウアーさんでも習得可能ですか?」リズさんが聞いた。
「貴様らの魔術隠匿魔法の練度はどれくらいだ」
「まあ他人の魔力に偽装することくらいなら俺様もリズもできるぜ」陰茎を揺らしながら自信満々にバウアーが答えた。
「ならば、可能だ、他人の魔力を偽装するよりも魔術的難易度で言えば低い。他人の魔力を偽装する感覚を外側まで引き延ばすことを頭でイメージしろ、そうすれば自然とその魔力を持つ人物の皮ができるそれを自分へペーストするように魔力操作すれば、貴様らの魔力量ならば自ずとできるようになるだろう」
「なるほどです」バウアーとリズは生徒のようにザナークは教師のように変身魔法の講義は進んでいった。
あたしは話が少し難しすぎたので、その講義から抜け出しザナークに汚されたパジャマを川辺で洗っていた。
その講義が終わった後、
あたしたちは馬車に積んでいた携帯食料を食べ明日に備え眠ることにした。
寝る場所は女と男で別れた、さすがにフルチンの人と添い寝はしたくなかったのでこの配慮はありがたかった。
あたしとリズさんは馬車の中で眠ることになった。横になりながらあたしはずっと聞きたかったことを聞いてみた。
「リズさんあたしがとんでもない大罪人だって言ったらどう思う?」
「その罪を聞きます。」リズさんがはっきりと答えた。
「あたしが100パーセント悪いって話だったらどうする?」あたしはゆっくりと聞いた。
「100パーセントの力でビンタします」
「ええ、結構ひどいですね」あたしは少しビビりながら言った。
「そのあと抱きしめます」
「え」あたしはこれを誰かに、いやリズさんに言ってほしかったのかもしれない。
「それが仲間というものですから、わかったら、もう寝なさい!」リズさんは笑顔で言った。
「はい!」あたしは笑顔で答えた。
朝を迎え馬車と馬二頭を麓におき山登りが始まった。
山は緑に囲まれていて見渡す限りの青い空と太陽がまぶしい。
死人の霊脈は高さでいうと、大体500メートルくらいの山々でザナークが行きたい場所はここから3時間ほど歩き二つほどの山を越えた先の高原だそうだ。
「絶景なり~絶景なり~」あたしは大きく息を吸い込みながら言った。
「あまりうかれるなよ、嬢ちゃん」バウアーが笑顔のフルチン状態で言った。
「ここら辺は平原しかないからあまり高くないここら辺の山々でも、景色がきれいですね。」リズさんが言った。
「あれなんかさ、空に船みたいなのが、飛んでない?」
「あれは飛行艇だね、空を魔力で飛ぶ船のことだよ、ここら辺を飛ぶなんて珍しいな」ライオさんが言った。
「あれなんか、落ちてきてない?」あたしが言った。
「おいあれ人じゃねえか?」バウアーさんが言った。
「なんかこっちに向かってきてませんか?」
その向かってきた人のような物体はそのまま地面に激突し、グシャッというグロイ音を立てながらおおきな血しぶきを上げ血だまりを作った。もう人としての原型はない確実に死んでいる。前の世界にいるときに、トラックにひかれたシカの死体をあたしの地元で見たことがあるそれに近い。
もう助からないそう思った瞬間なぜか、その死体の近くにある木々や草花が枯れ始め、死体とも呼べなかった肉塊がきれいな人の形を取り戻していく。
逆再生を見ているかのようにその死体が再生し、立ち上がった。
顔見てみるととても美しい女性で不思議な文様の目隠しをしている。
服は青い色の裾の短い着物で髪型は黒ずんだ緑色のシニヨン左手には錫杖を持っている。とても神秘的な見た目で妖精のようだ。それに肌が死んだように真っ白だ。いや現に今しんだのだが、
生き返ったと思ったらすぐにしゃべり始めた「はあ、今日もいい自殺日和ですね、木々たちよそしてそれを支える雲よ太陽よ今日も蘇らせてくれてありがとう」手を合わせながら演技じみた感謝のポーズをした。
「なんだこいつ変態か?空から変態が落ちてきたぞ」フルチンのバウアーが言った。
「あの飛空艇高度8000mはあったと思うのですが、」リズさんが少し驚きながら言った。
「彼女は前に王宮での王の紋章の授与式で見たことがある。確か天海衆の第三師団の団長マルルさんだったかな?」ライオさんが思い出すように言った。
そんなライオたちを無視して、さっきまで死んでいたのが嘘のように意気揚々とマルルはしゃべりだした。
「あなたですね?新しい女神ルディアの人柱というのは、私はとても運がいい。本当に素晴らしい。こんな短期間で二人の人柱に出会えるなんて。」マルルは涙を流しながら天を仰ぎ大きな声で言った。あたしに言ってきているようだ、人柱どういう意味だろうか?
「女神ルディアには会ったことがあるけれど、人柱ってどういう意味?」
「あなたは神と現世を橋渡しするために重要な架け橋なのです!あなたは器になるにふさわしい!あなたはとても美しい!あなたでなければならない!」とてもハイテンションで万馬券が当たったギャンブラーのように飛び跳ねている。だが言っていることは、よくわからない。
「なんであたしじゃないとダメなんですか?」あたしは恐る恐る聞いた。
「なんでと聞かれましても、もう器があなたしか残っていないからですよ。彼女は私たちの崇高な理想を理解することができなかった。
もう一人の器 倉蔵子様は私が殺してしまいました。」
あたしは最後の一文を聞いた瞬間頭が真っ白になった、こいつは今何と言った。蔵子?なんで蔵子が出てくる?それに今殺したといったか?どういうことだ、意味が分からない。
蔵子はあたしと一緒に例のすし屋での炎上事件の動画を撮った女子高生だ。この世界にいるはずがない。
「どういう意味?」あたしは思っていたことをそのまま口に出した。




