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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第六章 ルナサフォランにて

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85.どうゆう事?

 私達が、スウィーツのお店があると言われる場所に向かうと、行列どころか店の看板もありません。何となく、お店があったらしき形跡は残っているのですが…


「あれ?おかしいね。ここで…間違いないよね?」


 私が首をかしげていると、アイラは冒険者ガイドブックをパラパラ捲って


「ええ、ここで間違えなさそうですね。なんで何もないんだろう?」


 私達がその場でキョロキョロ辺りを見渡していると、通りかかった頭がつるつるのおじいさんが私達の様子を伺っていました。


「おい、お前さん方?甘いものを買いに来たのかね?」


「え?ええ。ここら辺に人気のスウィーツのお店が在るって聞いたのですが?ご存じありませんか?」


 おじいさんは腕を組みながら険しい表情を見せました。


「勿論知っておるぞ。お前さんが立っている場所、ここがスウィーツのお店のあった場所じゃ、突然つぶれよった」


 え?どういう事?つぶれたってなんで?アイラと顔を見合わせていると


「つぶれたわけが知りたいか?どうしても知りたいなら教えてやらないでもないぞ」


 なぜかおじいさんは少し顔を赤らめながらそう言います。何故そんなに勿体ぶりますか?


「ええ。教えて欲しいです」


 私がそう言うと、おじいさんはニヤリと厭らしそうな笑いです。


「しかたがないのぉ。じゃあ、そこの娘さんの二つ大きく膨らんでいる所を、をちょこっと()()()()()()させてくれたら教えてもいいぞ」


 ん?大きいって、そこの娘さん?私はお呼びでない?ん?何が大きいのですかね。それにちょこっと()()()()()()?二つ膨らんでいる所?胸の事ですかぁ?はぁ?何言っているのよ。ここに出てくるじじいは助べえばかりですか!


「まあ、ちょこっとぷにゅぷにゅくらいならいいですけど…」


「ばかっ!何言っているのよ。駄目に決まっているじゃないの。余計な事を言わないでアイラ」


 私はアイラの腕を引っ張り私の後ろへ追いやりました。


「仕方がないのぉ…じゃあ小さいお前さんで我慢するか」


 ナンデスト!何が我慢するって!小さいって何!代わりに大きいこぶを作ってあげるわよ。


【ゴチン】


 うっかり、錫杖しゃくじょうがじじいの頭に激突していました。わざとじゃないですよ。偶然です。手って滑るものなんですよね。まあ、よくある事なので…


「ぎょえぇぇ」と言って、頭を押さえながらうずくまる助べえじじい。


「おほほほ。手が滑ってしまいましたわ。か弱い女性のやる事です。許してくださいませ。おほほ」


 私が口に手を当てそう言うと、わざとらしくじじいはいきなり胸を押さえ「うっ…く、苦しい…持病のしゃくが」と言って倒れこんだのです。


 ふん、わざとらしい。何よしゃくって…そう思って傍観しているとですね…


「おじいさんだいじょうぶですか?」


 優しいアイラはじじいに駆け寄り、抱きかかえました。間違いなく騙されていると思うのだけれど、私も少し心配になったのでこっそり『所見ファインド


所見ファインド

わずかな半月板損傷と腰椎圧迫骨折 筋力低下と老眼 あり

年齢相応の老化現象と思われる 他、病気は認めず


 ほら、やっぱり。仮病じゃないのよさ。って…ああ!アイラ、じじいの顔が胸に突っ込んでいるじゃない。それに右手でふともも触られているよ。うわぁぁ、やめろぉ!


 アイラの首根っこを掴み、二人を引きはがすと、アイラはキョトンとしながら「どうしたの?」


「あんた、そのじじいに触られていたじゃないの。全くの仮病だよ。とんだたぬきだよ」


 アイラは気にしてなさそうですが、そこは気にしてよ!


「え?おじいさんたぬきだったのですか?」


「へ?えっと…たぬきって言うのは、本当のたぬきって言う意味じゃなくて、なんというかその…」


 うぅ…気にするところが違うよ…


たぬきに本当も偽物もないでしょう?たぬきたぬきですよ。もう、師匠ったら、うふふ」


「う、うふふって…ち、違うのよ。もう…あの、たぬきって言う意味は…」


 アイラは屈託のない笑みを浮かべています。あぁ、私は一体何をムキになって説明をしているんだろう…


 そんな時、苦しんでいたはずのじじいが、だらしない顔をして、両腕を広げアイラに向かってきました。


「もう、全く。たぬきであろうが、無かろうがどうでもいいじゃろ。それよりも、ほれ、はよぉ続きを…」


 このじじい…私は錫杖しゃくじょうを高く掲げました。


「今度は本当の病人になってもらいましょうかね」


 鬼の形相の私を見たじじいは、大慌てでシャキンと直立不動。ほら、どうもないじゃないの。


「あら、おじいさん。持病のしゃく治ったんだね。良かったね」


 だから、アイラって。仮病だって言ってんじゃん。


 アイラの無邪気な笑顔を見て後ろめたさを感じたのか、じじいは少し顔を赤らめ、拳を自分の口の前に持ってきて軽く咳ばらいをし、何事もなかった様に話しだしました。


「コホン…も、もう大丈夫じゃ、すまなかったの。お、お前さん方が知りたかったのは、どうしてスウィーツのお店が無いかという事じゃったな。あれは…そうさのぉ…いきなりの事じゃった…雨が降っておっての、いや、振っていなかったかな?」


 話が長そうだ…本当にこのじじい、理由を知っているのかな?なんか、イライラするよ。


「うんうん。雨が降っていたんだ…。雨が降っていたら嫌だものね」


 おい、アイラ、そこを突っ込むのか!興味を持つとこじゃないだろう。


「おじいさん、私達急いでいるのよ。単刀直入に言って欲しいんだけど」


 一応、本人に向かって()()()と言うのはやめておきました。


いつも読んで下さりありがとうございます。


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