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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第六章 ルナサフォランにて

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81.分析をしてもらいたいです

「あの、お名前もちゃんと聞いていませんでしたね。お名前を教えて頂けますか?」


 余程要件をさっさと済ませて、他所へ行って欲しいのでしょうね。受付のおじさんは露骨に嫌そうな顔をしています。


「あ、ああ…私はポーターという名前だ。で、用件は何かな?私を待っている冒険者も居るので、早く話をしてくれると助かるのだが…」


 私はニヤリとアイラと目を合わせました。彼女も同じ考えの様です。だって自分勝ったな人って許せないですもの。


「え?何ですって?よく聞こえません。耳が遠くなっちゃたのかなぁ?アイラ聞こえる?」


「いいえ師匠、私も良く聞こえません。やっぱりもっと近づかないと…」


 2人揃ってポーターさんのカウンターに手をかけ、グイッと顔を突き出しました。若くて可愛い女性2人が近づいて、とても嬉しいでしょ?おや?嬉しくなさそうですね。是非、その訳を。


「あ、あの…十分聞こえる様に話すから、もう少し離れてくれた方が、話しやすいのだが…」


 そう言って、後ずさりしようとするポーターさんの腕を、二人揃ってガシッと掴みました。


「ひっ…」


 私は彼をぎろりと睨みつけました。


「ポーターさん、知っていたでしょう、あそこで感染症が流行っている事を。何故、言ってくれなかったんですか。もう私もアイラも感染しているかもしれませんよ。あなたにも責任を取ってもらいますからね。一緒に感染うつって下さい。おっと、ここで声をあげるとポーターさんも病気にかかっていると、大きな声でギャアギャア叫び倒します」


 ぐふふ、ものすごく怯えた顔をしていますね、ポーターさん。しかし彼のその態度から考えられることは、彼は感染症だと思っていて、ビベック氏達が食べていたマフィンに、中毒性がある事を知らないという事です。その点で見ると、ギルドはこの問題にかかわっている可能性は少ないのかも…


 マフィンに関してですが、ここで分析してもらって、仮に原因がそれと分かった時、その毒物の混入が意図的か、そうでないかでは意味合いが大きく変わってきます。意図的な場合を考えると、発言は慎重に行ったが良いでしょうね。首謀者が居て、隠ぺい工作に走られるとどうしようもないですから。


 私達が睨み続けていると、ポーターさんは仕方が無さそうに、汗を拭いながらやや震えた声で話しました。


「わ、分かった…すまなかったよ。でもな、俺の立場も考えてくれ、依頼する時に病気が流行っている等と言ってしまえば、依頼者が居なくなるだろう?そうすると、ギルドの立場としてもゴニョゴニョ…」


 まあ、言わんとしている事は分かりますがね。でも、誠実さには欠けますよね。正直にこういう状態で困っているので、リスクを承知で頼みたいとか言った方が良いですよ、今後の事を考えるならね。でも、いいです。これで貸しが出来ました。分析する人を教えて貰いやすくなります。


「まあ、事情も分かるので、不問とします。それと、たまたま居合わせたお医者様が『感染る心配はないから安心していいよ』って言っていましたので、ご安心ください」


 私がそう言うと、ポーターさんは一瞬驚いた表情を浮かべた後、ホッと胸をなでおろしました。


「え?師匠?いつの間にそんな事をお医者様から聞いていたのですか?」


 私はアイラの頬を摘まみ上げました。頬を押さえて涙目を浮かべていますが、自業自得です。場の空気を読んで欲しい所でしたよ。


「それでですね、ポーターさん。お願いがあるのですが、ちょっと成分の分析をして頂きたいものが有るのですが、私が依頼主として依頼は出来るのですか?分析内容は内密にできる人で、加えて、依頼料の半分はギルド持ちで」


「え?それは出来るが、何故半分をギルド持ちに…」


「決まっているじゃないですか、重要事項を隠して依頼を受けさせたのだもの、それくらいは慰謝料ですよ。それとも、この事を公にして信頼を低下させたいですか?」


 完全に脅しですが、折半することで、吹っ掛けられリスクは回避できます。それに、いい加減な仕事もしないででしょう。この分析重要事項なので、手を抜かれると困るのですよね。


「それと分析内容を漏らすような人を紹介したら、更に慰謝料を頂きますから、人選は慎重にお願いします」


「ああ、わかったよ。何か考えがあっての事なんだな。その分析結果で何かを行う時に、ギルドが絡んでいたとなると、そうそう個人には手が出せなくなるものな。うまいこと考えるぜ。そこまでお嬢ちゃんたちの事を知っているわけではないので、全面的に信用することは出来ないが、顔を立ててその申し出を受けてやるよ。しっかりやりな」


 ひと悶着有るかと思いましたが、開き直ったのかポーターさんは、いきなりイカしたおじさんに変わりましたよ。アイラも口をぽかんと開けてぼんやり見ています。見直したって感じですかね?


「じゃあ、依頼をどうやって行ったらいいですか?」


「掲示板に張り出すと、どんな奴が引っかかって来るか判らないので、指名でいこう。分析家にキリコと言う男がいる。変わった奴だが優秀だ。指名依頼なので、最低依頼料は1,000ピネルからだ。物によって依頼料は変わるぞ。交渉は俺がやってやるよ」


 ポーターさんが男っぽくニヤリと笑いました。さて、キリコさんってどんな人なのでしょうかね。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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