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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第六章 ルナサフォランにて

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78.病気が分かりました

所見ファインド』で浮かび上がってきた文字は予想外のものでした。なんと、感染症ではなく、()()()だったのです。何かを食したことによる神経毒で、このようになっているとの事でした。


 他の人はどうなのでしょう。この人が食中毒であっても、他の人は感染症かもしれません。この人に何かをする前に他の人も調べる事にしました。


 他に寝ている女性は3人、1人は老年女性で1人は中年女性、残りの1人は若い女性です。老年女性がアニカさんのお母さんのビベック夫人でしょう。後の2人は家政婦さんですね。長らく動けていないはずなのに、髪の毛もちゃんと整えられていて皆とても綺麗です。心を込めて介護されていたのが分かります。


 さて、他の人はどうでしょうか?『所見ファインド


 所見の結果は全て男性のものと一致していました。()()()()ではなく、()()()()()だったのです。


 この家で食中毒が集団発症をしたという事は、同じものを食べた可能性が高いです。何を食べたかまで分かるといいのですが、私はそんな魔法持っていませんので…でも、アニカさんとフウリさんは発症していませんでした。それも引っかかります。疑ってはいけないのですが、アニカさんとフウリさんが結託して、中毒性のある食材を食べさせたという線も有り得るからです。でもね、あんなに献身的な介護をしている人がそんな事を考えますか?


 従業員の方は誰も食中毒になっていない…と言うのもヒントになるかもしれません。もしかしたら従業員の方は住み込みではなくて、自宅から通っておられる方かも知れません。家庭もあるからと言って退職されたようですし…となると、従業員の方たちが居ない時間に食べられたものとも考えられます。


 あぁ…何を食べたかが分かればいいのに…


 私が顎に拳を乗せながら考え込んでいると、アニカさんが不安そうな顔で尋ねてきます。


「ミドリさん…どうだったの?何か感染うつる病気だったの?」


「え、はい。単刀直入に申し上げますと、感染うつる病気ではありませんでした。原因は何かを食べたことによる食中毒です。神経毒で動けなくなっているみたいです」


「え…神経毒って、誰かが毒を盛ったという事なの?」


「いえ、一概にそうとは言えませんよ。毒性のある食べ物を食べてしまったかもしれませんし、新鮮なうちは問題なくとも、いたんで毒素を発生した物を食べたかもしれないです。それとも毒を盛られる可能性があるのですか?」


「え?いえ、それは無いわ。私たちは後ろめたい所なく商売しているよ。誰かに恨まれた事なんてないわ」


 アニカさんは目一杯身体を使いながら全否定されました。すると、フウリさんも必死になってこういわれました。


「旦那様方が恨まれるとは考えられません。私たちにもとても良くして下さっています」


「でもね、犯罪の可能性がほんの僅かでもあるとすれば、役所が介入して家の人たちが疑われる可能性も出てきますよ」


 自分たちに思い当る節は無くとも、逆恨みって言うのもあるし、知らない間に何かに巻き込まれていることだって有ります。


「「そ…そんな…」」


 2人が少々焦るのも無理はありません。毒を盛られたとなると、症状が出ていない2人に目が向けられる可能性は十分あるのですから。でも大丈夫ですよ。


「でもね、こんな状況にありながらアニカさんは、辞めて行った使用人の文句を一切言わなかった。そして、そこで休んでおられる4人の方の姿は、身なりも髪も整えられており、フウリさんの懇親的な介護が見て取れます。そんなおふたりが毒を盛るとは到底思えません。だから原因は他所よそにあると考えています。まあ、その原因は後からゆっくり考えるとして、今はどうやって治すかですよね」


 中毒と分かった以上、もうマスク代わりの手拭いは必要ありません。それを取り、アイラを呼んで事情を説明しました。


「へえ、食中毒ですか。そんな事も分かるんですね。『所見ファインド』って優秀ですね」


 アイラは腕を組み、頷きながら妙に感心しています。おーい、これを話したのは何か知恵が欲しいからですよ。何かいい案は無いですかね?


「中毒…神経毒…毒…ん?毒?あ、もしかしたら毒なら私の『解毒カウンテラクション』の魔法が効くかも。ダメ元で試してみてもいいかもね」


「え?師匠、神経の問題ならトトのお母さんに使った『組織再生リプロダクション』じゃないのですか?あれ上手くいきましたよね」


「ああ、あの時は神経が切れていたからだよ。今回は、神経は切れていなくて、神経が毒で妨害されているようだから、毒消しが良いかなって」


「成程、ダメもとでお試しですね」


 アイラは大きな声でそう言って、うんうんうなづいていますが、アニカさんとフウリさんの表情が変わりました。


「え?試すって、ダメもと?何をしようとしているの?失敗したら何か悪いことが起こったりしないの?」


 ちょっと…アイラの声が大きいよ、言い方が軽すぎだよ。あ、私がアイラにそう言ったのか…試すとか、ダメ元って言い方が良くなかったかしら、アニカさん凄く不安気です。アイラは慌てて口を押えていますが…


 おーいアイラ…テヘッじゃないよ。テヘッじゃ…


「解毒をする魔法をかけようと思います。まあ、身体に害のない魔法ですから、効果が有るか無いかだけの問題ですかね?効果が無ければ薬屋さんで購入した解毒剤を試しましょう」


「え…えぇ…」


 不安そうな返事を…アニカさんの目つきが「本当にこの人大丈夫か」目つきに変わっていますよ。まあ、気にしない。ここでやらなきゃ先には進めぬ、行きますよ。


解毒カウンテラクション


 私が魔法を唱えると、ビベック氏の表情から硬さが取れ、何度か瞬きをした後、もぞもぞと身体を動かしだしました。そしてゆっくりと口を開いたのです。おお!効いたようだ。


「ア…アニカ…」


 アニカさんの目から大粒の涙がこぼれました。そして、ゆっくりと動かした父の手を取りました。


「お父さん…良かった…」


 感動の目覚めですね。フウリさんも手を握りしめてウルウルさせています。


 ビベック氏の目にも涙が浮かんでいます。もう少し様子を見る必要はありますが、とりあえずは上手くいったようです。


さて、後3回『解毒カウンテラクション』を唱えますよ。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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