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7.依頼受諾

もう、マサト君の登場は暫くありません。他の事に力を入れるそうです。

「そうねえ、『いたずらネズミ駆除』って言うのと、『薬草採取』を取るって言うのはどうかしら。『いたずらネズミ』って言うのは野ネズミモンスターで最近ものすごく繁殖しているのよね。農家さん達が野菜を食べられて困っているのよ。それと、薬草は常に不足がちだから取ってきてもらえると嬉しいな。薬草を採取しながら、出てきたネズミ駆除をしてレベルを上げる。お金も手に入ってレベルも上がる、最高じゃない♪」


 確かにいい案ですね。流石さすがはマリーさんです。でも、一つ問題があります。私は『いたずらネズミ』も『薬草』も知りません。どうやってそれと判断したらよいのでしょうか?


「ネズミも草も分からないって?それなら心配ご無用。そんなときの為にこれです『CCガイドブックダイジェスト版』20ピネルです」


 できる売り子さんスマイルで本を出してきましたよ。こんな装備をしてはいますが、一文無しです。買えません。それに『CC』ってどういう意味だ?必要なページだけ立ち読みさせて頂く事は出来ないでしょうかね?


「まだ、一文無しなのです。『いたずらネズミ』と『薬草』の部分だけ見せて頂けないですか?」


 できる限り同情を引く懇願こんがんの眼でマリーさんにお願いをしましたが、首を横に振られました。


「残念ながらそれはできない相談です。でも、安心してください。今回の依頼が達成できましたらその依頼料から引かせて頂きますので、お持ちになって頂いて結構です」


 そう言う事でしたか。ちゃっかりしていますね。少しくらい見せてくれてもいいじゃない。でも、ほかに選択の余地はありません、仕方がありませんね。


『CCガイドブックダイジェスト版』を受け取りました。『CC』はカナディフシティの頭文字だそうです。じゃあ違う街の物は『CC』じゃなく、別の文字が付いているという事かしら…つまり、街ごとに購入ですかぁ?…商売上手ね。


「分かりました。それでお願いします」私がそう言うと、マリーさんは右手で奥の部屋を指さしました。


「あそこに『依頼掲示板』があるから、そこに貼ってある依頼書を取ってきて私に出してくださいね。そうしたら依頼受諾になりますよ」


 早速、掲示板に行ってみると依頼書の山。本当にたくさんありますね、人も沢山います。お、あそこでは依頼書をめぐって揉めていますよ。ひやぁ、くわばらくわばら…


 ふむふむ、一応カテゴリー毎に分かれてはありますがこりゃ探すのが大変です。


 あ、子守とかチラシ配りとかもある。私にはそちらの方が向いているかも…いや、だめだめ。それじゃ、レベルが上がらない。マサトに強くなるって言ったものね。でも、機会があれば受けてみようかしら…


 そんな事を考えながら掲示板を見ていると、ようやく見つけました。『いたずらネズミ』と『薬草』の依頼書です。その二つの依頼書を手に取ると、他の冒険者さん達がじろじろと見てきます。


 きっと、「そんななりをしているのに手にしているのはそれなのか」とでも思っているのでしょう。さっさとこの場を離れる事にしましょう。


 マリーさんに依頼書を渡すとそれに受諾印をポンッ。


「頑張ってね、『いたずらネズミ』を倒したら、落とした『歯』を持って帰って来てね」と微笑んでくれました。それと、ギルドを出た所に強面こわもての兄さんが居るから声をかける様に言われました。強面こわもての人なんかに声を掛けたくはありませんが、必要な事なのでしょうね…


 私が建物から出ると、確かに強面こわもての兄さんが大きな袋を持って立っていました。


 私が恐る恐る声をかけると兄さんは「個人登録は終わったのかい?」と、聞いてきました。普通にしゃべっているだけなのでしょうが、威嚇いかくをされている様に感じてしまいます。


「は、は、はい。と、登録してきました」


 私が何時でも猛ダッシュで逃亡できるような体制を取りながら返事をすると、兄さんは大きな袋から小さな麻でできた袋を取り出されました。


 ビックリした。拳銃でも出してくるのかと思いましたよ。


「これはギルドからのプレゼントだ。この袋に魔法が込められた水晶玉が入っているからそれを握って念じれば自分のステータスが浮かんでくるぜ、それと袋には10種類×10個のアイティムが入る。最初はこいつで十分だろう、気をつけて行けよ。あ、そうそう、これを渡さないとな。依頼から戻ったらこの紙をギルドに出しておいてくれ、これが俺の給金になるからよ、頼んだぜ」


 小さな麻でできた袋を頂きました。便利そうではありますが、デザインもいまいち、あまり持ちたいとは思わない一品ですね。…おっと、ただで頂いたのにそんな事を言っちゃあいけませんね。


 それと、兄さんはギルドから依頼されている冒険者さんだったのですね。マサトも最初にこの人と会ったときは冒険者さんとは思わなかっただろうな。でも、こんな所で仕事をさせるなんて…


 登録した時にマリーさんがこの袋をくれればいいと思うんだけど…変なの。


 少々疑問を感じましたが、道具袋も手に入りました。オセンニキャラメルを入れておこうっと。ステータスは…今はいいや、きっと見たってよく判らないし。


『CCガイドブックダイジェスト版』を開けて早速、依頼をこなそうと思います。


 ふむふむ。『いたずらネズミ』は林から森にかけてどこにでもいるみたいですね。赤いギラギラした目が特徴で、成獣の全長は20から25センチ。結構大きいですね。まれたらどうしましょう。


 今回採取する薬草は『ヒャクヤクソウ』ですって、百薬って、すごい名前。タンポポの花に似ていますね、ただ、花は白でギザギザした葉は深緑。葉だけ集めればいいのですね、五枚一組で十セットを集めろ…か。生息場所は林か。じゃあ、林に行って『ヒャクヤクソウ』を採りながら『いたずらネズミ』が出てくるのを待つとしましょう。


マサト君は帰っていきました。ここからはミドリは一人で頑張ります。


いつも読んで下さりありがとうございます。

次話は水曜日予定です。よろしくお願いいたします。

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