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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第五章 旅路~ルナサフォラン

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64.道の駅に着きました

 お姉さんから紹介してもらったモンスターを寄せ付けない装置の効果は絶大で、モンスターの気配を全く感じることがなく、無事に夜を過ごせました。こんなにいいものなら馬車にも積んでおけばいいのにと思うのですが、ポールさん曰く移動するものには向かないそうです。それに維持費がそれなりにかかるので、積極的に使おうとする商人は少ないみたい。それなら盗賊や山賊の対策も出来る護衛を雇う方が、安全に移動ができるのですって。


 まあ、私たちは…というか、私とアイラは途中でモンスターたちを倒しながら経験値を稼ごうと思っていたので、道中にそれを使う予定はなかったのですけどね。


 朝食にはママブレッドで買ったパンを、サンドイッチにして食べました。ポールさんにもお裾分すそわけです。昨夜はお肉を頂いたしね。ママブレッドのパンは昨日買ったものなのに、フワフワでとても美味しいと、ポールさんは驚いていました。「お店で食べるともっとおいしいですよ」と私が言うと、今度カナディフシティに立ち寄った時には、是非行ってみようって言っていました。リピーター成功です。


 これからまた歩かないといけないので、まだ食べたいのを我慢して腹八分目に抑えた私たちは、野営の片づけを終えて出発することにしました。アイラと二人だけなら匂い袋を使おうと思ったのだけど、ポールさんが居るのでやめにしました。自然に沸いてくるモンスターだけを相手にすることにします。


 さあ、ポールさんに身体強化魔法を使って再出発です。


 ◇ ◇ ◇


 出発して2時間ほど歩いた頃、目の前に大きな建物が見えてきました。


「あれ?あそこがルナサフォランの入口なのかしら?」


 思っていたより近いなぁ…と思っているとポールさんが「あれは道の駅だよ」と教えてくれました。昔きこりが住んでいた家を中心に開拓してちょっとした街みたいにしたそうです。街と街の中間の位置にあって、訪れる人も多いらしく、確かに近づくにつれ人々の楽しそうな声が耳に入ってきます。


 ここでは食材や民芸品も購入できるし、ちょっとした休憩所みたいな所も有って、宿泊することも出来るそうです。昨夜は野営だったので、可能ならお風呂に入りたいなぁ


 道の駅にはいくつかの露店が、美味しそうなものを売っていました。


「少し何か飲みましょうか。アイラ見て、あそこで売っている山ブドウのジュースがとても美味しそう」


 店頭にある紫色で美味しそうなジュースが入った、大きなガラスの器が目に入りました。そして器の下には『山ブドウジュース 5ピネル』って書いてありました。


 私がアイラの手を引っ張ってそこに行こうとすると、ポールさんは私に100ピネル銀貨を2枚握らせて「これは今までのお礼だよ。俺はここで貸し馬屋に行って馬を借りることにするよ。護衛を手配できるならそれもお願いするつもりだ、本当に助かった、有難う、ルナサフォランに着いたら店によってくれよな」と言ってきました。


 ポールさんはここに貸し馬屋がある事を知っていて、最初からここまでのつもりだったのでしょう。手渡された銀貨はとても綺麗に磨かれたものでした。


 お肉もご馳走になったし、お金には困っていないので要りませんよ、と言いましたが、それでは自分の気が済まないからと言って両手を後ろに持って行ってしまいました。断りすぎるのも相手に失礼だって聞いたことがありますので、ほどほどに遠慮をして受け取る事にしました。


「有難うございます。なんだかんだ言いながらポールさんとの一緒に時間は楽しかったですよ、気をつけて行ってくださいね」


 私たちがそう言うと「そうだ、これも使ってくれ」と言って固定薬も下さいましたよ。ルナサフォランに行く途中でモンスターに出会ったら一度使ってみようと思います。


 ポールさんが去り、少しだけ寂しい気持ちになりながら、ジュースを購入しました。


 お店の前にはたくさんある飲食店の共用スペースとして、長テーブルと長椅子が置かれてあり、何処に座ろうかしらと周囲を見渡すと、テーブルに伏せて泣いている5歳くらいの女の子が居ました。


 迷子でしょうか?


 その子は広いテーブルに一人きりで泣いていて、その周りに大人たちが通るものの、横目でチラッと見ても誰一人声をかけようとはしません。


 誰もあの子に声をかけないという事は、世知辛い世の中なのか、はたまた私が声をかけるというイベントなのか?


 私がその子に近づこうとすると、


「師匠?どこに行くのです?あの子に声をかけるのですか?何か嫌な予感がするんですけど…」


「何を言っているの?一人で泣いていて可哀そうじゃないの」


「うーん、なんと言いますか…周りの雰囲気からして関わらない方が良い気配が漂うというか…私の第六感がそう言ってくると言いましょうか…」


 アイラは何とも言えない難しい表情を浮かべながら、意味の分からない事を言ってきます。私のやる事に対しては割と素直に従う彼女が、そんなことを言ってくるのは気にはなりますが、放っておくわけにもねぇ…


 私はアイラの方をチラッと見た後で、その女の子の元へと向かいました。


「ねえ、どうしたの?何を泣いているの?お母さんはどうしたの?お姉さんに言ってみて?」


 私がそう言うと女の子はガシッと錫杖しゃくじょうを掴みました。


「お腹が空いたよぉ…喉が渇いたよぉ…」


 え…?


いつも読んで下さりありがとうございます。

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