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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第五章 旅路~ルナサフォラン

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63.野営

 私がポールさんに3回目の身体強化魔法をかけて、それがそろそろ切れる頃、夕日は山にその身を半分くらい隠していました。


 丁度、道の端にテニスコート位の広いスペースがあったので、今日はそこで野営をすることにしました。


「ポールさん。私たちはここで野営をします。あなたはどうします?」


 馬も居ない状況なので「一人で進む」と言うとはとても思えなかったのですが、無理強いをするわけにはいかないので一応問いました。


 すると、冗談交じりに「女性2人で森に泊まるのは不安だろうから、一緒に泊まってやるよ」ですって。


 その言葉を聞いてアイラは喜んで「じゃあ、ビックベアーが出たらやっつけてね」と返しますと、ポールさんは「え?ここビックベアーが出るの?」と不安そうにしていました。余計な事を言うからですよね。


 私はナップザックからテントと簡易テーブルに、椅子を取り出しました。その間にアイラは少し森に入って枯れ枝集めです。


 たいした食材は無いけれど温めたりは出来るので、調理器具一式と調味料セットを出しておきます。


 初めてにしては、なかなか手際よく準備が出来たと思います。ポールさんはその様子を見て「魔法のカバンを持っているんだね。いいなあ、なかなか出回っていないから俺はまだ手に入れられていないんだよな」と羨ましそうにしています。


 そして「これは今までのお礼だよ」と言って、肉の塊を出してこられました。


「これは何の肉ですか?」


「これはワイルドボアと言うイノシシに近いモンスターの肉さ。結構上等なんだぜ」


 あれ、モンスターの肉ってドロップされるって事ですか?だって、倒すと直ぐに消えちゃうのに。私がその疑問をポールさんにぶつけると


「おや?知らないのかい?倒した後この薬品を振りかけると、消滅しなくなるんだよ」


 そう言って霧吹きに入っている薬を、私に見せてくれました。


 話によると、倒した後に消滅しそうになった時にその薬、固定薬を振りかける事によって消滅することが無くなるのです。ドロップやピネルは落ちないけど、肉や毛皮や骨が手に入るのです。自分で処理をしなければならない面倒くささは有るけれど、街で出回っているモンスターの肉はこの方法を使って流通させているそうです。因みに、固定をさせて解体してもドロップされるものは手に入らないので、それが欲しい冒険者たちはその方法を行わないのです。


 ただ、今日みたいに野営をするようなときは、食用の肉を手に入れる必要があるので、固定薬を持参するのが当たり前だとか。


 ガイドブックをよく読むとちゃんと書いてありました。もう少しちゃんと読んでおきます。


 暫くすると、アイラは大量の枯れ木を持って帰ってきました。身体強化魔法様様です。普通ではとてもじゃないけれど一度に運べない量でした。有難うアイラ。


 そうそう、アイラに固定薬の事を知っていたかを尋ねてみると、彼女は胸をドンと叩き「勿論です」と言いました。冒険者養成所で教えて貰っていたそうです。解体方法も知っているらしいので、今度は是非やってもらわなくちゃね。


 調理器具の中に鉄板もあったので、今日はバーベキューですね。


 こういう時にはアイラの魔法はすごく便利です。火は起こせるわ、水は出せるわ、アイラと一緒ならどこの場所でも生きていけそうです。私もいずれこれらの魔法を覚えないとですね。


 ポールさんから頂いたワイルドボアの肉を細かく切って、鉄板の上で焼いていきます。味付けは塩コショウみたいなものです。その裏ではポールさんが包丁を使っています。


「師匠、これは何の肉ですか?」


「ワイルドボアですって、ポールさんがくれたんだよ」


「ワイルドボアの肉って結構な高級食材ですよ。くぅっ、こんな贅沢なものを食べられるなんて、『情けは人の為ならず』とはよく言ったものですね。ありがとうございます」


 アイラの喜び様は相当なものでした。駆け出しの冒険者だったので、これまで低コストの粗末なものしか食べられなかったのでしょうね。


「さあ、焼けたよ。食べましょう」と程よく焼けたお肉をお皿に乗せ皆の前に出すと、ポールさんも大きめの器にみずみずしいサラダの盛り合わせです。加えて小皿には柑橘系の果物が…


「これはポルンと言う果実で、この果汁を肉にかけるととても美味しくなるのだよ。是非試してみておくれ」


 さすが商人さんです。馴染みのない食材が沢山出てきますね。ポルンも酸味がありそうで、私からすればゆずとかスダチと言った所でしょうか。


「うわあ、美味しい、甘い脂がのっていて、柔らかいお肉がさらに柔らかくなる感じです。おまけにサラダもお肉に合いますねぇ。いくらでも食べられますぅ」


 目を細めながら美味しそうにパクパク食べていくアイラ。どれ、私も一つ…


「あら、とても美味しい。イノシシ系のモンスターって言っていたけど、脂ののった牛のステーキって感じですね、最高です。それにホルンの香りと酸味も出しゃばらず、お肉の美味しさを引き出していますね」


 食レポを交えながら美味しく晩御飯をよばれた私たちは、明日に備えて休むことにしました。私とアイラはテントで、ポールさんは馬車で夜を過ごします。


 モンスターを寄せ付けない装置を起動させて、後は念のために交代で見張りです。山賊が現れなければいいのですけどね。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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