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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第五章 旅路~ルナサフォラン

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61.わーい臨時収入だ

 商人の男性は衣類に着いた埃を払いながら頭を下げました。


「どこのどなた様かは知らないが助かった。有難う。私はルナサフォランの商人でポールと言うもだ。カナディフシティで仕入れた薬草をルナサフォランに運ぶ途中だったのだよ」


 そこへツカツカとアイラがやって来てポールさんに一喝です。


「ポールさんでしたっけ、なんで護衛をつけていないのですか?たまたま私と師匠が通りかかったからよかったものの、命を落としている所でしたよ」


 叱られたポールさんは首と手をブンブン振りながら否定をしました。


「ち、違うのだよ。護衛の依頼はしたのだが、冒険者が居ないから無理と断られだ。それでも荷は運ばなくちゃならないし、苦渋の選択だったのだよ」


 まあギルドに依頼をしたけれど、断られたのなら仕方がないですね。命も荷も無事だったのだから不幸中の幸いとでも思わないとですね。


「まあこの後は別の山賊に会わない事をお祈りするのですね。ところで、紐持っています?山賊どもはそこらの木に縛り付けておきますので、街の兵士さんに連絡をお願いします。私たちは通信手段を持っていませんので、よろしくお願いいたします。商人さんなのだから、交信盤くらい持っているのでしょ?」


「え、ああ…持ってはいるが、君たちはどうするんだ?」


「もう先に進みますけど?」私たちは山賊達を一か所に集め、木に縛り付けながらそう言いました。楽々と大人の男を運ぶ私たちをみて、ポールさんはとても驚いていましたが、身体強化魔法の効果がまだ残っているので楽勝です。


「ちょっと待ってくれ…馬も居ないし、こんな所で立ち往生していたら、また山賊に襲われかねない、助けてくれないか?」


 山賊達を縛り上げる私たちを見て、護衛に欲しいとでも思ったのでしょうね。いきなり図々しいお願いを言ってきました。


「山賊を捕獲しに来た兵士さんに頼れるでしょ?一緒に馬を連れてきて貰ったらいいじゃない。ここで私たちができる事なんてもうないわよ?」


「いやいや、兵士が来るまでここで一緒にいてくれればいい。もし別の山賊が出た時に追い払って欲しいのだよ」


 確かに心配なのは分かるのだけど、面倒な事を言われますね。そもそも護衛もつけずに荷を運ぼうとしたのが問題でしょう


 私たちがすこぶる困った顔をしているのに、全くされを気にせずにポールさんは交信盤を使って街に連絡を取っています。そして通信が終わると妙な笑みを浮かべました。


「い、今聞いたのだが、山賊に懸賞金が掛かっているらしいんだ。引き渡しの時に君たちが居ないと、私が山賊を倒したことになってしまう。あまりにもそれは心苦しい。半時ほどだ、甘いものもあるし一緒に待っていてくれないか」


 ポールさん懸賞金と甘いもので私たちが釣られると思っているでしょう?本当はそんなものでは釣られないのですが、気の毒だし釣られてあげます。折角の懸賞金はアイラにもあげたいですしね。


「全く、仕方がないですね。そう言う事情なら仕方がありません。兵士さんが来るまで一緒にいる事にします。山賊の仲間が来てこいつらを解放されても困りますしね」


「あららぁ、師匠…甘いものにつられましたねぇ?」


「ち、違うわよ、ポールさんが気の毒だからじゃない。まあ、でも、懸賞金には釣られたかな?うふふ、ルナサフォランで美味しいものが食べられるよアイラ。臨時収入だし、良い所で泊まろうか」


「まあ確かにそうですね。うふふ」とアイラが嬉しそうに返してくれると、ポールさんが割って入ってきました。


「なんだ、君たちもルナサフォランに行くんじゃないか。馬が届いたら馬車に乗せて行ってあげよう。どうだいいい話だろ?」


 そう言いながらバームクーヘンを差し出してきました。美味しそうですが、これを食べたら馬車に乗らなければいけない?


「有難うございます。美味しそうなので頂きますが、これを頂いても馬車には乗りませんよ」


 アイラがピシャっとお断りです。それでもポールさんは「まあまあ、そんなこと言わずに」とすり寄ってきます。ちょっと面倒です。


 それにしても見かけはダンディなのに、ポールさんって結構グイグイ来ますね。私たちは好きで歩いているのですけどね。


「いえ折角のお話ですが大丈夫です。歩くのが楽しいのですよ」


 私もお断りを入れると、ポールさんはそれ以上何も言われませんでした。


 ◇ ◇ ◇


 半時ほど過ぎた頃、大きめの馬車で兵士さんたちはやってきました。馬車には鉄格子が付けられており、護送車だという事が分かります。


 兵士さんの一人が、縛られている山賊達と手配書を見比べながら「ああ、指名手配されている山賊達に間違いはない」と言って手配書に『case closed』と赤文字で書きこみ、兵士さんのサインと朱印を追加されました。


「これをどこかの街の役場の治安担当課に持っていけば、懸賞金を貰えるだろう。ご苦労だった」


 渡してくれた手配書は7枚で、1枚につき3,000ピネルの懸賞金が掛けられていたのですって。締めて2万1,000ピネル、うふふ、なかなかの臨時収入です。


 さあそろそろ行きますか。と思いきや…え?ポールさん何をもめているの?


いつも読んで下さりありがとうございます。

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