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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第四章 新天地へ向けて

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51.次は雑貨屋さんですね

 私が呆然とアイラを見ていると、店主おじさんも「おいおい、可愛らしいじゃねえか。見事に化けたな、ガハハハ…どうだい?俺の愛人にでもなるか?ガハハハ…」と軽口をたたいてきます。


 その言葉に苦笑するアイラですが、値段を聞いたらきっと驚くわよ。それに、うふふ、マサトに言われた例のアレ、言おうと思っています。本当に可愛いんだから少しくらいの意地悪は…いえ、冗談は許されるよね。


「もう、そんなセクハラは良いから…それで、全部で幾らになるの?」


「おお、ガハハハハ…すまなかった。全部で1万5000ピネルだ」


「い、いちまん…ご、ごせんピネルですって…も、ものすごい額ですよ…師匠、あわわ」


 うふふ、ほらね。驚いたでしょ?


 飛び出しそうなくらい目を大きく広げて、手をバタつかせながら狼狽ろうばいするアイラですが、私にとってはこれ位の額は想定内。私の装備よりもずっと安いですしね。


「ええ、いいわよ。アイラも()()()()()って言っているし、それでお願いね」


 フフフ、アイラちゃん。さあ、どういう反応を見せてくれるのかしら?私もこれで驚かされたのですよね。


 私はワクワクしながら彼女の反応を待ちました。ところがです…


「成程、二割引き…額が大きいとお得ですよね。分かりました。店主おじさんの肩もみ30分ですよね。これだけの装備ですもの、精一杯頑張らせてください!」


 ええぇ?アイラはこのシステム知っているの?もしかして有名な話なの?知らなかったのは私だけ?…なんだ…つまんないの…


 私が少しがっかりしていると、アイラは横目で微笑んで「ああミドリさん、さては良からぬことを考えていましたね?」と悪戯いたずらっぽく言いました。


「う…な、何もたくらんではいないわよ…しっかり頑張って頂戴ね…」


 少し残念だったけど、アイラも喜んでいるまあいいか、と気持ちを切り替えていると、店主おじさんが私の錫杖しゃくじょうをしげしげと見つめています。


「なんだ、えらく傷だらけになっているじゃないか。相当雑な使い方をしているのだろう。ちょっと貸してみな」


 そう言って店主おじさんは私の錫杖しゃくじょうを手に取り、細かい所まで観察をしながらたいそう驚かれました。


「おいおい、どういう使い方をしたらこんな事になっちまうんだ?このままでは折れちまうぜ」


「エヘヘ…それで棒術を少々…」私が冷や汗を掻きながらそう言うと、店主おじさんは「やれやれ…」と大きなため息をつきました。


 そして「ちょっとまってろ」と私の錫杖しゃくじょうを持って、工房に行ってしまいました。暫くして帰ってきた店主おじさんの手には、樫の部分を綺麗にすげ替えられ、全体を磨き抜かれた私の錫杖しゃくじょうがありました


 わあ、ピカピカです。この短時間に店主おじさん凄い!


「沢山買ってくれたからこのメンテはサービスだ。でもよ、これで棒術の棒にするのはおすすめできねえなぁ。…そうだ、こういうのがあるけどどうだい?」


 そう言って店主おじさんは先に小さな水晶が付いた、真っ黒い棒を持ってきました。


「これはカーボンライトと言う特殊な素材で作られた錫杖しゃくじょうで、ソロとか前衛で戦うならもってこいの武器だ。物理攻撃に使っても、そう簡単には折れないぜ。今持っている奴の方が魔力は強いが、物理攻撃には向かない。お前さん収納できる入れ物をもっているんだろう?使い分けた方が良いんじゃないか?」


 確かに、言われればそうですね。ソロで戦っている以上、錫杖しゃくじょうは物理攻撃に必要な武器になる。それなら、移動の際にはそれに適した錫杖しゃくじょうを使う方が良いですよね。


店主おじさんの言うとおりね、それも頂く事にするわ」


「おう、毎度あり。3,000ピネルになるけどいいか?」


 結構高い、でも今後の事を考えたら決して高い買い物じゃないです。あ、肩揉みはしませんよ、お金に余裕がありますので。


 私はアイラの武具代金も含めカードで支払いを終えると、今まで使っていた錫杖しゃくじょうをナップザックに仕舞い、新たな黒い錫杖しゃくじょうを装備しました。


 ヒュンヒュン音立てて振り回してみると、軽すぎず、重すぎず、おまけに硬さも感じます。気に入りました。物理攻撃にも使えるって言うのも分かりますね。ごめんなさい今までの錫杖しゃくじょうさん、魔法重視の時にはまた、お願いしますね。


 店主おじさんさんにも「なかなかその錫杖しゃくじょうも似合っているぜ」と言われ、私も嬉しくなりました。うーん、販売上手ですね。後はアイラが店主おじさんの肩を揉むだけです、頑張ってくださいね。


 そしてそれが終われば雑貨屋さんへ向かいますよ。


  ◇ ◇ ◇


 向かう雑貨屋さんはそうです、私の冒険者人生を変えるようなアイティム『おやすみの笛』を手に入れた雑貨屋さんです。


「こんにちは」


 お店に入ると、カウンターに座っているのはふくよかな中年のおばさん…ではなく、若いお姉さん…おばさんはどうされたのでしょう?


「いらっしゃい、何かお探しですか?…ん?どうしたの?」


 私がキョトンとしているので、お姉さんも不思議そうな顔をされています。


「いえ、以前来た時には店主さんはおばさんだったので、どうしたのかなと思いまして…」


「ああ、それは私の母の事だね。今日は私が店番の日なのよ」


 お姉さんはにっこり笑ってそう言いました。おばさん結構ふくよかだったから、糖尿病とか高血圧とか心臓病で倒れたんじゃないかって、心配になりましたよ。何事もなさそうで良かったです。


 おばさんの代わりに、お姉さんに『おやすみの笛』のお礼を言って、早速、野営の物品を選んでもらう事にしました。何が出てくるか楽しみです。『おやすみの笛』級のレアアイティムがあれば嬉しいなぁ。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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