表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第四章 新天地へ向けて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/174

42.修行

 おじいさんの話を一旦信用して、指導を受ける事にしました。本当は師範のサラさん(会ったことは無いけど、名前から言って素敵な人の感じがする)に教えて貰いたかったのですけどね、サラさんが帰ってくるまでに強くなってほしいとのおじいさんの要望で、早速始めることにしたのです。


 そうそう、おじいさんの名前は「ジゴロウ」と言うのですって、なんだかとっても強そう。


「さあ、早速さっそく修行を始めるか…そう言えば、まだお前さんの名前を聞いてはいなかったな」


「私はミドリと言います。宜しくお願いします」


 丁寧ていねいに頭を下げました。いくらスケベじじいだとしてもこちらは教わる身、そこの所はちゃんとしなきゃあね。


「うむ、ミドリ。お前さんはどうして棒術を学びたいんじゃ?」


 ジゴロウさんがそう聞いてきたので、ここに来たいきさつを話しました。


「成程、身体強化魔法を使えるのか。それを持っているなら棒術の基礎を学べば、山賊なんて目じゃないだろう」


 ジゴロウさんはそう言った後、蔵の様な建物へ行き、何やら重そうな木箱を持って帰ってきました。なんと、その木箱から出てきたものは『手枷てかせ足枷あしかせ』です。


「ちょ、ちょっと!そんなものを持ってきて一体どうしようって言うのですか?やっぱりスケベな事を考えているんじゃないの?」


 ジゴロウさんの表情は普通ですが、私の手足を拘束してスケベな事を考えているに違いありませんよ。決して騙されません。


「ん?何を言っておるのじゃ?時間がないんじゃさっさとこっちへ来なさい」


 ジゴロウさんは私の言う事に耳を貸さず、黙々(もくもく)と『手枷てかせ足枷あしかせ』の準備を進めています。でも、変わった『手枷てかせ足枷あしかせ』ですね。二組あって、その間に竹の筒の様なものが引っ付いています。


「さっさとこちらへ来なさい。それを自分で手足につけるのじゃ」


 ジゴロウさんはそう言うと二組ある内の一組を自分の手足に装着しだしました。言われた通りに装着すると、すぐ目の前にはジゴロウさんが居る状態になりました。目の前にスケベじじい…あまり良い気分じゃありません。


 その道具に何の意味があるのかと言いますと、ジゴロウさんが右手を上げると、私の右手も上がる。まるで操り人形です。身体に負担がかかると嫌だから、試しに身体強化魔法を使ってみようかしら…


身体強ストレ…』


「おっと、まったまった、ここではその魔法を使ってはいかん、修行の妨げになるのじゃ」


 ジゴロウさんいわく、修行の時に『身体強化ストレング』を使うと身体に力が入りすぎて、型をうまく覚えられないのだそうです。


「さあ、錫杖しゃくじょうを持っているつもりになってわしに合わせるのじゃぞ」


 ジゴロウさんはそう言うと、腰をぐっとかがめ手足を動かしだしました。それに対して私が抵抗しようとすると「馬鹿者!わしに合わせて動かんかい。棒術の動き方を身体に覚えさせるのじゃ」と叱られました。


 まるで社交ダンスでも踊っている様に、向かい合って同じ動きをするのです。難しいうえに、疲労感がはんぱない。足のり方、腕の運び方、何度も何度も同じ動きを繰り返すこと一時間、息は切れだすし、『手枷てかせ足枷あしかせ』をつけている所の皮膚がれて痛くなってきました。私の白魚の様な肌が赤くなっています。


「よし、いったん休憩じゃ、自分に『回復ヒール』をかけるのじゃ、10分後に再開するするぞえ」


 ふええぇ…結構スパルタ…もうヘトヘトですよ。


 そう言えばさあ、今思い出したんですけどね、昔のカンフー映画で師匠と弟子が私たちの様に竹で結んで何かの型を覚えさすって言うのがあったんだけど、正にそれと同じですよ。あの映画に出てくる師匠も、容赦ない人だったなぁ…あぁ…これ、いつまで続くのかな。


 ◇ ◇ ◇


 ふぅ…ふぅ…勘弁してください。もう三日連続で同じことばっかりですよ…本当にこれで強くなれるのですか?


 誰一人いないだだっぴろいお寺のような場所で、ひたすら操り人形の様に同じような動作を繰り返すジゴロウさんと私。はたから見るとさぞかし滑稽こっけいでしょうね。


 三日間ずっと二人ににん場織ばおりの様な事をしているのかって?勿論、それは有りませんよ。お昼ご飯はジゴロウさんの作ってくれる精進料理?を食べますし、夜は近くのホテルに泊まりに行きます。「お寺っぽい場所だから精進料理ですか?」って聞いたら、年寄なので脂分を控えているだけだそうです。


 ジゴロウさんには「泊まり込みで修行をしろ」って言われたけど、お風呂を覗かれたりする心配もありますし、丁寧にお断り。ジゴロウさんが良い人だってことは分かりましたけど、以前のセクハラの事もあるので、その辺りはきっちりしておかないとです。


 でもね、流石さすがに三日もたつとジゴロウさんの動き方が解って来て、『手枷てかせ足枷あしかせ』の所がれてくる事もなくなってきました。つまり、同じように動かかせているって言う事ですね。


「よし、そろそろいいじゃろう。それ(『手枷てかせ足枷あしかせ』)をはずしていいぞ」


「え?免許めんきょ皆伝かいでんですか?」


「ばかたれ、まだ早いわ。さあ、次はそれなしでわしと同じ動きをするのじゃ」


 免許めんきょ皆伝かいでんではありませんでしたが、どうやら次のステージに進めることになったようです。


いつも読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ