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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第三章 公爵家の方々

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35.役場

 おじいにふんしたルイ様と一緒に役場へ着くと、今回は総合案内を通さずに『生活福祉課』と書いてあるカウンターに直接向かいました。何故って?前回来た時に居た、総合案内受付の女の人の感じが非常に悪かったので、話したくないからですよ。


 おっと、ここだここだ、前回は総合案内受付の所での応対だったけれど、ちゃんとしたカウンターがあるんじゃないの。生活福祉課受付に座っている人は…と、ゲッ…前と同じ女の人だ。何故にここにいる…あなた、総合案内の方で座っていなさいよ。


 でも、ここでただ立っているわけにもいきませんので、渋々、声を掛けることにしました。


「あの…孤児院についての相談に来たのですが…」


 生活福祉課の受付の女性に声をかけると、案の定です。前回フレディ氏に、私がののしられている所を見ているので、早速上から目線ですよ。完全に私の事をめています。


「あら、あなたこの間の冒険者ね。課長は忙しいからあなたになんて会ってくれるかどうかわからないわよ」


 あ、あ、()()()()()()()って言いました?()()()って何ですか?それにそのものの言い方、何なのですか?


「あの、福祉の相談に乗る事も、あなたがたのお仕事ですよね?」


 あまりの言い様に腹が立った私は、少しばかりあおるような言い方をしてしまいました…が、女性はひるむことなく


「そうですね、私たちはちゃんと納税されている方の相談に乗る仕事でございます。冒険者さん、宜しければ納税証明をお願いします」


 女性は私の顔を見る事もなく、掛けている眼鏡を指でササっと整え、面倒くさそうに、とんでもない事を言ってきました。


 どういう事でしょう?納税とか証明とか一体何を言っておられるのかも、私にはよく分かりません。悔しいですが、知識と人生経験の差が出た感満載です。この人に取れば、小娘相手にマウントを取ってさぞかし気持ちがいい事でしょう。


 続く言葉も浮かばず、悔しくて歯を食いしばる事しかできませんでした。でも、その時です


「なあ、受付のお姉さんや、冒険者の納税は依頼の報酬の一部を、ギルドが役場に納めているのではなかったかな?この娘の依頼履歴を見れば、どれだけ税金を納めているかがわかると思うんじゃが、調べてみるかの?」


 いきなり私の隣に現れたルイじい様が助けてくれたのです。その時の受付姉さんの驚いた顔と言ったら…それに、仮に調べられても意外と私は高額納税者じゃない?だって、もうけているのだもの…


「あ、あなたは?」


 突如、しゃしゃり出た老人に受付の女の人は困惑している様子


「わしは…この子の祖父じゃ、あ、いや、赤の他人じゃ…まあ、他人とまでは言いすぎかの…やはり祖父…かの?でものう…」


「あの…意味が解らないのですが、関係のない方は口を出さないでくださいますか?」


「確かに、関係はないかもしれぬが、おぬしのこの子に対する物言いがあまりにもひどいので、ついつい口を挟んでしもうたわい。すまんかったのぉ」


 ルイじい様はそう言うと、少し離れたソファーに腰を掛けに行かれました。


「…あの、ギルドに行って依頼履歴を取ってきた方が良いですか…?」


「け、結構です。課長を呼んでまいりますので、そこでお待ちくださいっ!」


 悔しそうな表情を浮かべた受付姉さんは、プイッと奥へ引っ込んでいきました。


 ◇ ◇ ◇


 しばらくその場で待っていると、コツコツコツとリズムの早い足音を立てながら、受付姉さんと一緒にフレディ氏がやってきました。


 受付姉さんから何かを吹き込まれたのでしょう、その表情は前回にもましてけわしいものです。


 そう言えば、私の通う高校の物理の先生もこんな感じでしたよ、何故かは分らないのですが、いつも怒っているのです。質問をするときでも、最後まで人の話を聞いてくれないし…。実はあの先生、この人なんじゃないの?


 私の目の前で止まったフレディ氏は、小刻みに指先を動かしイライラ感満載。そして、相変わらずの舌打ちです。製作者さんはよくもまあ、こんな不快なキャラを作ったものですね。


「ちっ、またおまえ一人で来たのか、孤児院の事ならシスター自身で来いと言ったであろう、私は忙しいんだ、伝言があるならさっさと言え」


 早速おまえ呼ばわりです。それにこの偉そうな物の言いよう…本当にしゃくさわります。ただ、前回と違い今回は話を聞いてくれるようです、ルイじい様のお口添くちぞえのお陰ですね。さあ、今日は言ってやりますよ。後ろには強力なバックアップが控えていますからね。


「あのですね。補助金の事からです。毎月1,000ピネルでどうやって生活していくのですか。子供たちは10人も居るのですよ?それに『クックバード』です。差し出せとはどういう意味です?差し出さないと、毎月借地料500ピネル払えなんて意味が解りません。大切な子供たちの栄養源なのに…」


 すると、フレディ氏は不敵な笑みを浮かべました。そしてこう言いはなったのです。


「孤児院で飼っている『クックバード』のメスは5羽だ。卵一つはギルドで10ピネルで取引されている。そう考えると5羽が生む卵は10日で500ピネル、30日で1,500ピネル入るだろう、そこから借地料の500ピネルを引いても1,000ピネル残る。補助金を貰っているのと同じ額になるだろう、何も問題あるまい。もっと金が欲しければ、クックバードを増やせば良いではないか」


いつも読んで下さりありがとうございます。

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