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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第三章 公爵家の方々

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33.ルイ様

 私の背中から降りたリンちゃんは、他の子供たちと一緒に何事もなかった様に走りだしました。良かった、ちゃんと足はくっついているんだね。


 ホッとしていると、走り回っているリンちゃんの前にシスターマーガレットさんが仁王立ち。リンちゃんは部屋の隅に連れていかれ、こん々(こん)とお説教タイムです。リンちゃんはエンエン泣いていますが、仕方がないですね。どうやら危険であるという事と、心配をしていたという事を言い聞かせられているようです。時々、抱きしめられたりしているので、愛情のこもったお説教、シスターマーガレットさんは本当に優しいなぁ。


 おっと、リンちゃんに気を取られていました。そう言えばルイ様でしたね、マリア様のお兄様の。


「は、初めまして、プリーステスのミドリと言います。丁寧なごあいさつ恐れ入ります。リンちゃんを探しに来てくださったのですか?私がクックバードを持ち込んだばかりにこんな事に…申し訳ありません。あのぉ…もしかして、マリア様に何かお聞きになられたとか…」


 私は上目遣いに、恐る恐るルイ様に尋ねました。


 なんせ、ここに来る時の馬車の中で、好き放題公爵家の事をののしってしまったのですから…リンちゃん行方不明事件が解決したので、次は私がお説教される番じゃないかと、心配してしまう訳ですよ。


 ルイ様は私がそう言うと、ニヤッと笑い「ええ、マリアに話されたあんな事やこんな事を聞きましたよ」と言われました。


 やはりそうですよね。やはり投獄ですか…短い間でしたが、ゲームの中の皆さま有難うございました。


「そこで、相談なのですが…」


 はいはい。判っていますよ。私を拘留するんですよね、公爵家侮辱罪で。こんなにイケメンな男性に捕まるなら本望ですよ。まあ、捕まっても現実の世界に戻ればいいだけですしね。何も成し得なかったのが少し残念ですが、『いたずらネズミキラー』の二つ名も貰えましたし、もういいです。さあ、掴まえてください。


 私が両腕を差し出すと、ルイ様はキョトンとされ、「手を繋いで欲しいのですか?」


 ぎゃあぁ、何をおっしゃっているのですか!突然意味もなく手を繋いでくれだなんて、私変態女じゃありません。


 急いで手を引っ込め、両手で火照ほてった顔を隠し、指の間からチラッと見てみると、拳を口元に当ててクスクス笑っておられました。知っててやっているな。だからイケメンは…


「ククク…大丈夫ですよ、掴まえたりはしませんし、罰則を与えたりもしませんよ。生の声が聞けてむしろ感謝をしているくらいです。相談と言うのはですね…」


 ふむふむ、再び私に役場へ行けとおっしゃる。それで?ふむふむ、ルイ様は老人に化けて私の保護者の様な顔をして付いて来ると。なになに?実際に役場の者が酷い対応を受けている所を生で見たみたいと。なんと、芝居をしたらお手当も下さるですと?


 私の悪戯心いたずらごころに火が付きました。面白そうじゃないですか。そのお話、是非お受けいたしましょう。


「うふふ、ルイ様もわるですね。あの偉そうなフレディとかいう人がどう出るか楽しみです。やらせて頂きます」


 きっと、私も悪い顔をしているのでしょうね。マリア様が横で心配そうに私を見つめています。そして、ルイ様の方を見てため息もつかれました。


「お兄様、相変わらず悪戯いたずらがお好きなのですから…公爵家の人間としてほどほどにお願いいたしますね」


 まあ、マリア様の心配は御尤ごもっともでしょうが、私の単純な思考からすれば、最高の方法だと思いますよ。だって、楽しみじゃないですか。悪事が明らかになった時に印籠いんろう…じゃなかった、公爵様の姿を明らかにするって。能ある鷹は爪を隠すってやつですね、そう言う展開大好きです。想像するだけでワクワクしちゃう。きっとルイ様もそう思っているはずですよ。


 私はルイ様と見つめ合い、がっちりと握手を交わしました。こういう時は相手がイケメンでも照れたりはしませんよ。悪だくみ…いえいえ、作戦の方が頭の中を占めていますからね。


 マリア様と一緒にメアリーさんも唖然あぜんとして私たちを見ておられますが、気にしない事にしますね。


 そうそう、説教されていたリンちゃんは、シスターマーガレットさんに抱かれてスヤスヤ眠ってしまいましたよ。色々ありましたが、彼女も頑張ったんです。こうなったのも全て役場の仕業ですよ。…私がクックバードを持ち込んだことは冤罪です。ふふふ、明日が楽しみですわ。


 一通りの話がまとまったので、公爵家の人々はお屋敷に帰り、私は街のホテルで泊まることにしました。子供たちからさんざん引き留められましたが、あの子たちの生活リズムを狂わせるわけにはいきませんものね。これでも一応、色々考えているのですよ。それに、明日の事を考えると、興奮して眠れそうにもなかったですし、一人の方が良いのです。


 ギルドの傍にある、カナディフシティグランドホテル。ちょっと高めですが、役場からも近いし、待ち合わせにはバッチリのホテルです。


 ルイ様はお爺さんの格好で来るって言ってらしたけれど、どんな風に変身するのだろう。私の方は、前回着た人物と分かる様に同じでいいって言われましたけど、どうせならいい服着てみたかったな、今のが悪いってわけじゃないのですよ?値段の高いローブだしね。でも、折角ルイ様とお出かけなのだもの、こんな冒険者の服のローブじゃなくてドレスとかね…


 まあ…いくらイケメンでも明日はおじいの格好だし、関係ないか。もう寝よ…


 おやすみなさい…

いつも読んで下さりありがとうございます。

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