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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第二章 孤児院を守れ

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22.どれだけあるねん

 私は、目の前に広がるおぞましい光景に激しい鼓動を抑えきれないまま、笛を吹くために大きく息を吸い込みました。


「うわぁ…くさぁ…おぇぇ…」


『いたずらネズミ』に夢中になり、匂いの事をすっかり忘れていました。倒れるかと思いましたよ…でも、臭さのお陰で少し気持ちを切り替えることが出来ました。不幸中の幸い。


 さあ眠りなさい、あなた達。


 この世を去り行くあなた達の為に、私は昔の映画の名作『五つの銅貨』の中の『ラグタイムの子守り歌』と言う曲を聞かせてあげましょう。この曲はバンドがにぎやかに演奏しても、赤ちゃんがぐっすり寝た曲です。古いよぉこの曲は、きっと誰も知らないよぉ。


 私は涙目になりながら、笛に息を吹き込みました。


「♪~♪~」


 拡声器で増幅された『おやすみの笛の』は、畑全体に響き渡り、徐々にネズミたちの動きを止めていきます。


 おや?何やら畑の真ん中に大きな塊が有るのですが、たるでも忘れてきていたのかしら。まあ、いいか。


 私が心を込めて?15分ほど笛を吹き続けると、シーツの上で動いているネズミは1匹も居なくなりました。シーツの上は毛皮でできた大きな絨毯じゅうたんの様に、見えま…せんね。平坦じゃなく、幾つも重なり合っています。全く下地が見えないですよ。うええぇ、気持ち悪ぅ…


 さあ、いよいよです。よく考えたら攻撃魔法を打つのは初めてです。うまくいけばいいのですが…うまくいかなかったら、また錫杖しゃくじょうを嫌って言う程、振り回さなければいけないのね…はぁ…いえ、気合を入れます。


「『広範囲電撃魔法攻撃ライトニングプラス』」


 天に向けて錫杖しゃくじょうを振ると、空から無数の稲妻が大量の『いたずらネズミ』の上に降り注ぎます。効果があったようで、うっすらとシーツが顔を表しました。


 でも1/3くらいしか消滅していないわ。ではもう2回ほど…


「『広範囲電撃魔法攻撃ライトニングプラス』」×2


 全ての『いたずらネズミ』が消滅したのと同時に、頭の中でピロピロ音が鳴り続けています。うるさぁい。


 レベルが上がっている音だとは分かってはいても、うるさいものはうるさいのです。つまり、レベルが上がる恩恵おんけいを、私は全く分かっていないって言う事なのですよね。だって、普通、レベルが上がるとみんなとても喜んでいるでしょ?


 ゲームすんなよって言われそう。ステータスの勉強もしなくちゃね。


 一掃することが出来ました。思ったより容易たやすかったわ。さて、真ん中のたるを回収してから、お金と歯を拾いますか。


 私はジャリジャリ言わせながらシーツの真ん中に向かうと、そこにあるのはたるかと思っていたら、ひぃ…たるではなく、大きな大きなネズミですよ。カピバラくらいの大きさがありますよ、でも見た目は『いたずらネズミ』です。きっと、ボスに間違いありませんね。


 うぇぇ…もぞもぞ動いて気持ち悪い…うたた寝状態か…


 この大物は電撃魔法でもくたばらなかったようです。眠らせることが出来たからよかったものの、そうでなければこっちがやられていたかもしれません。それに、他の奴と違ってもぞもぞ動いている所を見ると、もっと強いモンスターなら眠らせる事すら出来ないかも…


 なにか、勇者の必殺技みたいな強烈な一撃が欲しいですね。


 おっと、それよりもあいつです。どうしようかしら…


 ライタを治療した時は夢中だったから気付かなかったけれど、結構魔法って疲れます。生気を吸い取られたみたい。今、正に「枯れている」って状態で、もう魔法は使えないです。よって、殴るしかないのですね。


 じゃあ、行きますよ。


 私は錫杖しゃくじょうを構えて『アン!ドゥ!トロワ!』と三発殴りました。


 大きないたずらネズミ「ギャウ…」と声を立てた後、消滅しました。再びピロ音が鳴りましたので、これ一匹で相当な経験値が入ったのですね。でも、消えてくれてよかった。


 消えた後に出てきたものは、ソフトボール位の大きな歯と、バレーボール位の丸い真っ黒な石、それに100ピネル銀貨です。わぉ。


 私はそれらを手に取り、買ったばかりの『魔法のカバン』に放り込むと、なんと便利な…


 吸い込まれる様に入っていく上に、カバンに触ると入っている物の名前が、目の前に浮かび上がるのです。


 驚いた私はその辺りに落ちている歯やお金等を拾い、ザラザラっとカバンに流し込み、カバンに触れました。見事に整頓されて浮かび上がります。


 なんて万能な…このカバン便利すぎます。そうと分かれば、これからやることは決まっています。


「皆さん、ありがとうございました。終わりましたよ」


 畑から少し離れた所にある倉庫の物陰から見ていた使用人さん達に、大きな声でそう呼びかけました。シーツを端から真ん中迄、寄せてもらうのですよ。


 恐る恐る出てきてくれた使用人さん達に、その事を頼むと端からシーツを中央迄寄せて下さいました。


 基本的にモンスターが落したお金や、素材は倒した人の物と決まっているので、使用人さん達はそれらを拾おうとしたりはしません。


 シーツの中央には、小山の様になった歯とピネル等の山。一体どれくらいのネズミを駆除したのか…とても数えきれない程です。


 それらを先ほどと同じように、ザラザラっとカバンに流し込むと、驚くほどの歯の数が浮かび上がりました。


『いたずらネズミの歯』       1,253個 

『金色のいたずらネズミの歯』       23個

『傷んだブルーチーズ付き野菜』     139グラム

『いたずらネズミの毛皮』         25枚

『黒の魔法石』               1個

『いたずらネズミの歯(大)』        1個



 まじか…1,253個って、『いたずらネズミ』を絶滅させていないかしら…心配になってきました。あ、それと『傷んだブルーチーズ付き野菜』は捨てちゃいましょう。臭いので…


いつも読んで下さりありがとうございます。

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