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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第二章 孤児院を守れ

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20.小柄な店主さん

 あんなに大きな畑に集まるくらいだから、私の予想では『いたずらネズミ』は想像を絶するほどの数じゃないか、と思っています。


 だから強面こわもての兄さんから貰った袋だけでは、到底、素材は入りきらないと思うのですよ。そこでです、マサトに教えてもらった『魔法のカバン』を駆除くじょの前に手に入れようと思います。


 実は、その話は前から聞いていたのですが、あまりにも高額だった為その時はスルー。


 しかしですね、棚からぼたもち的に大金が入ったわけでしょ?ここは買わないという選択はないですよ。そこで、現実の世界に戻って、再度マサトに話を聞いてきたわけですよ。


 ところで時計屋さんから頂いた『記録装置』って、本当に便利ですね。この場で記録出来て、この場に帰ってこられるのです。時間の節約にもってこいです。もう、いちいちギルドに行かなくてもよくなりました。


 話を戻しますが、彼に聞きくと「商店街の中に、民族衣装の様なものに身を包んだ、小太りで小柄な店主が居る万屋よろずやの様な道具屋があって、そこに『魔法のカバン』は売っている。提示される値段は高いけど、1万ピネル迄下げられるはずだから、頑張ってね」ですって。


 今の私の貯蓄なら余裕のよっちゃんです。あ、思わず誰かに聞いたことのある死語を使っちゃいましたが、よっちゃんって誰?


 ガイドブックのマップに従うと、商店街はギルドの裏手で東西に走っており、その中に万屋よろずやの様な道具屋が有るらしいのです。今居るところから直ぐ近くなので、私は小走りでそこへ向かいました。


 道具屋がいくつかあって…あ、きっとこれだな。なんだかこの店だけ雰囲気が違います。中をのぞくと…うふふ、いたいた、族衣装の様なものに身を包んだ、小太りで小柄な店主さん。


「お邪魔します」


「おお、ようこそいらっしゃいました。あなた友達。今日は何をお探しでしょう?」


 店に入ると、小柄な店主さんは両腕を大きく広げて大歓迎してくれました…が、なんですか?この変なノリ…もろに冷ややかな視線を向けた表情が、出てしまいました。


「おぉ…そんな顔しないでください…あなたがそんな顔すると私寂しくなりまーす」


 小柄な店主さんは、悲しそうな顔で自分の身体を抱きかかえ、フリフリさせました。


 私の表情はますます冷ややかになっていきます。あまり関わりたくないので、率直に行きます。


「『魔法のカバン』を1万ピネルで売ってください。それ以上はびた一文出しません」


 思わず、率直に言いすぎました。びた一文の『びた』の意味は分かりませんが、聞いたことがあったので、使いました。…一文の意味は知っていますよ。


 でも、やってしまった感満載でした…自ら、その値段から値切ることが出来ないシチュエーションを作り上げてしまったのです。


「おぉ、私に首をくくれと言うのですね。判りました。あなた友達。清水きよみずの舞台から飛び降りるつもりで、その値段にします」


 小柄な店主さんは「お手上げ」と言う様に両手を上にあげ、そう言っていますが、表情を見ているとそれ程困った様子は有りません。きっとこの値段が適正価格なのでしょう。


 なんだかいちいちいう事がおお袈裟げさですが、目的は達成しました。現金がないのでキャッシュカードで支払おうと思い、カードをナップザックから出した時『金色のいたずらネズミの歯』がポロリ…


「あうぅぅ。それはレアの『いたずらネズミの歯ちゃん』ですね」


 一つだけ売らずに残しておいたやつです。これを見た途端、小柄な店主さんの声色が突然変わりました。でも『歯ちゃん』って…


 小柄な店主さんは物欲しげに私の方を見つめています。あれ?ギルドの買い取り価格を見ても、それほど珍しそうではなかったと思いますが…一応レアだけど


「欲しいの?」


 一応聞いてみました。レアものの『魔法のカバン』を売っているような店なのに、こんなものが欲しいのかしら?


 小柄な店主さんは両手を握りしめ、目をうるっとさせながら、何度も何度もうないています。


「そこまでレアなものではないでしょう?」


 私がそう尋ねると小柄な店主さんは、「確かにそうなのですが、お城がこれを集めていて一般にはなかなか出回らないのですよ」と言われました。


 お城もこんなもの集めて何をするつもりなんだろう…


 それと、小柄な店主さんはコレクターで、標本箱に様々な形の『金色のいたずらネズミの歯』を入れて飾るのが趣味で、ひと箱に1ダースは入れたい所ですが、なかなか手に入らずに困っていたのですって。


 小柄な店主さんはわざわざ標本箱を持ってきて、並んだ歯を見せてくれました。ホント色々な形や大きさがありますね。でも、ちょっと気持ち悪いや。


「でも、ギルドに持っていけば少しの足しにはなるし…どうしようかな…」


「あなた友達…それくだされば『魔法のカバン』を5,000ピネルに致しまーす」


「はい、あげます」


 即決です。だって、ギルドにおろしても200ピネルでしょ?こちらは実質5,000ピネルで引き取ってくれるのですよ?お得すぎません?


 …『魔法のカバン』って実は5,000ピネルでも儲けがあるのかしら。


 まあ、いいです。十分満足です。けち臭い事は言いませんし、詮索せんさくもしません。小柄な店主さんに感謝です。店主さんも喜んでいます。ウィンウィンです。


 キャッシュカードで5,000ピネルを払い、『魔法のカバン』を受け取りました。デザインは…うん。これもナップザックの中に入れる事にします。それと、ギルドから貰った袋をどうしようかな…そうだ、孤児院の子供たちにあげよう。素材を取りに行くときや野菜を収穫する時に便利だものね。ふふふ、我ながらいい考えです。


 さあ、畑に戻って駆除の準備ですね。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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