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ソフィアのファンタジックワールド ~ミドリ 編~  作者: 季山水晶
第二章 孤児院を守れ

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13.うりゃあ

 翌朝、畑を荒らしていた『いたずらネズミ』を一掃できた事をシスターマーガレットさんに話した後、私は依頼を一旦完結させる為、ギルドに戻る事にしました。記録装置も貰わないといけないですしね。


 貰った袋に『いたずらネズミの歯』を入れていたのですが、数的にキャパオーバーらしく、上に包んでいるナップザックの隙間にまではみ出ています。沢山お金が入ったら大きな袋も買わなくちゃ。


 ギルドに着くと、私はいつもの様にマリーさんの所へ行き、集めた素材を出そうとしました。「ここでは出さない様に」と言われていたのは覚えていますが、どうしても直接見せたいものがあったのです。


 それは金色の『いたずらネズミの歯』。袋から取り出そうとすると案の定、「わあ、ここでは出さないでください」と全力で止められました。が、私は意図的にやっています。


 コロン…とえて『金色のいたずらネズミの歯』をマリーさんの前に落としましたよ。


「うわぁ、こ、これは…レアの『いたずらネズミ』の歯ですね。100匹に1匹くらいの割合でしかでないと言われているのよ。は、早く掲示板に行って依頼書を探してきなさい。依頼料かなり良いわよ、ねえ聞いてる?」


 ふふふ、釣れましたね。そのおどろく顔が見たかったのです。きっと、レア物を見ると何らかのアクションがあると思いました。予想通りです。


 マリーさんは目を丸くして興奮気味に話しました。ギルドにとっても難問依頼を解決してもらえれば格が上がり依頼も増えるらしく、それは受付嬢の評価にもつながり大喜びなのですって。


「それは別の街のギルドが欲しがっていたので、そちらに持っていこうかと…」


 いつも揶揄からかってくるので揶揄からかい返しです。


「えーっ。どこのギルドに持っていこうと思っているのか知らないけど、ここのギルドに出す方が良いですよ。ホント、絶対ここの方が良いって。あっちの水はにがいぞ、こっちの水は甘いぞ…」


 マリーさん腕を大きく振り回して大慌てですね。ここは少し恩を売ってからホッとしてもらいます。


「仕方がないですねぇ。他ならぬマリーさんがそこまで言って下さるなら、ここに納めさせて頂きます。他ならぬマリーさんの頼みですしね」


 他ならぬマリーさんの頼みを二回も言ったので、「有難うございます」と言った割には笑顔が少し引き攣れて、こめかみからひとすじの汗が垂れています。


 これでまた何か困った事が有れば遠慮なく頼むことが出来ます。長いお付き合いをよろしくお願いいたしますね、マリーさん。


 実は、強いモンスターを討伐するような難問依頼は、腕試しにいどむ冒険者も多いらしいのだけど、『いたずらネズミ』みたいなしょぼくて地味な依頼や、ましてやそれのレア探しのである更に地味な依頼はほとんど誰も受けないのですって。


 それを聞くと、マリーさんに都合よく使われた気がしてきました。うぬぬ…


 それに、地味、地味って私が言われているみたいで、あまりいい気もしません。でも、たまたま手に入れた物に高い報酬が付くっていうのは有難い話です。仕方がない、素直に喜ぶことにしましたよ。相談に乗って頂いて、感謝をしている事は事実ですしね。


『金色のいたずらネズミの歯』採取の依頼書を見つけた後、素材管理室に向かい、素材証明書を発行してもらいました。でも、『金色のいたずらネズミの歯』は二つしか納品しませんでした。持っていると何かの役に立つ気がしたのです。


「えっと、『いたずらネズミ』1匹に対して依頼料が20ピネルだから、げ、122匹で2,440ピネル。『金色のいたずらネズミの歯』が1つ200ピネルだから2つで400ピネル、2,840ピネルが収入になります。ま、毎度有難うございました。凄い、『いたずらネズミ』の依頼でこんなに稼ぐ人いませんよ。『いたずらネズミハンター』の二つ名が付きますよ。ミドリさん本当に駆け出しですか?」


 うりゃあ、どうですか私の仕事っぷりは、でもその二つ名は遠慮します。


 私は間違いなく駆け出しですよ。しかし、間違いなくラッキーな駆け出しです。たまたまが続いて良い人に出会え、良い結果に恵まれました。たまたまお金を持っていなかったから、時計屋さんの手伝いを頼まれたのがきっかけですし、笛が好きだから『おやすみの笛』を買ったのもたまたま。孤児院が『いたずらネズミ』に困っていたのもたまたまです。運に恵まれています。恵まれた運を他にも還元しないとです。人脈も大切にします。人が喜ぶと私も嬉しい。


 さあ、時計屋さんに行って『記録装置』を貰ってと、でもお金がたくさん入ったから『記録装置』代は払っても良いわね。それに子供たちにパンでも買って行ってあげようかしら…


 ◇ ◇ ◇


 時計屋さんに行って、シスターマーガレットさんのサインが入った納品書を渡し『記録装置』を受け取りました。「お金が入ったので代金も払います」と言いましたが、とても助かったからと言って受け取っては頂けませんでした。私も頑張ったし、厚意を素直に受け取らせて貰いました。


 やったね。これでいつでもどこでもセーブが出来ます。


 さ、次はパン屋さんです。育ち盛りの子に、畑の野菜だけではたんぱく質が足りませんね。ローストビーフでも買って持って行っちゃいましょう。


 ガイドブックの地図を頼りに、パン工房のカフェ『ママブレッド』と言うお店に立ち寄り、出来立ての長いフランスパンと、出来立てのローストビーフを購入しました。子供たちの喜ぶ姿が目に浮かび、私の目尻も微妙に下がってきます。


 しかしですね、いつもこうやって差し入れをするわけにはいかないので、子供たちを守っていく何らかの手段を考えないとダメですよね。さて、どうしましょうか…


 道すがら考えますが、シスターマーガレットさんとも相談ですね。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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