表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

プロローグ

新連載です!暖かい目で見守っていただけたら幸いです(*^^*)

「あの…………」



 それは昼下がりの人気のない学園。私、アクア・ブラックベルは非常に困っていた。



「あの…………レヴォル様」

「なんですか」



 いわゆる壁ドンで私に覆いかぶさるように美男子が覗き込んでいる。

 銀髪に、赤い瞳。整った顔に甘い声。


 彼はレヴォル・アガット。

 そして――私を唯一破滅に導く難攻不落の隠しキャラ。

 そんな彼が私をまっすぐに見つめてその甘ったるい声で囁く。



「俺と婚約しませんか」



 私はぐりんと顔を背ける。こんなイケメン見続けてたら目が眩しさでどうにかなりそう。何とか落ち着かせて私は返答する。



「……それは何度もお断りします、と」



 そう、何が困っているのかというとレヴォルが先ほどからずっとこの状態であることだ。

 このまま格好良さに目が眩んで頷いてしまったら、私は破滅への道を一歩踏み出すことになってしまう。


 そんなことを考えているとは知らないであろうレヴォルはしばらく私を見つめた後諦めたのか手を壁から離した。



「まあこれからずっと一緒に過ごすわけですし……じっくり俺のこと好きにさせてあげますね」



 そんなことがあれば私は破滅です……なんて口が裂けても言えない。


 目の前でニッコリと不敵な笑みを浮かべるレヴォルを私は精一杯の睨みをきかせて見つめ返す。


 これから私はこの魔法学園で、ゲームの進行具合を見ながら慣れない魔法の講師をしなければいけないというのに。

 まさか、隠しキャラが私の前に、こんな形で現れるなんて聞いてない。


 大きくため息をついていると、レヴォルの指が私の唇に触れた。



「じゃあ、これからお互い先生として頑張りましょうね、アクア」



 ふにふにと唇を触り続けて満足したのか、レヴォルはふふっと笑うとくるりと背を向けた。


 ぷしゅーと力が抜けていくのを感じながら私は去っていくレヴォルを眺める。


 なんとしても悪役続投だけは阻止したいけれど……これは思っているよりも大変なことになってしまったかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ