第四話
その後、私たちは装甲車に乗って例の反社会組織の拠点近くに向かった。
目的地に着いたので装甲車を目立たない所に隠して、敵の拠点を偵察する。
「にしても、アイリスさんって車の運転も出来るんですね」
「まあねぇ〜。車は結構使えるからね」
さてと、拠点は一見ただのバーのように見えるが売ってるものは酒では無く、薬や武器である。
じゃ、突入予定の裏口を観測手に偵察してもらおう。
「観測手、外にいる監視員は?」
私はエリに双眼鏡を手渡す。
「ドアの側に2人居ます。武装は恐らく、上着の下に隠してるハンドガンです」
ふむ、2人なら静かに排除出来そうだ。
私はいつも持ってくる対物ライフルの代わりに持ってきたクロスボウを構える。
「街だから発砲音を目立たなくするためにクロスボウを持って来たのですね……アイリス様も成長しましたね」
ちょっと待った。なんでその程度で感動してるのさ、ルシフェルさん。
まぁ確かに、今まで街中で敵拠点をダイナマイトで吹き飛ばしたり、火矢で燃やし尽くしたりはしたけどさ。
1人目に向かって矢を発射。
静かに敵は倒れる。
もう一人が建物の中に逃げようとする。
矢を急いで装填して、もう一人を倒す。
「……エネミーダウン」
(やっぱ凄いな……アイリスさんは。こんなに手際良く敵を倒すなんて)
「こちら掃除屋、これよりゴミの一掃に入ります」
「こちらHQ了解。ゴミは一つも残すな」
「了解」
私は役目を終えたクロスボウを装甲車の中に放り込み、私たちは裏口に向かう。
裏口に着くと、私はドアノブに手を掛ける。
「この建物は二階建てで、1階の方が広いから1階は私とエリで制圧し、二階はルシフェルが制圧。分かった?」
「「了解」」
私はドアノブをひねり勢い良くドアを開け、ショルダーホルスターからスライドがシルバー色でRepublic Armyの刻印のある大型オートマチックハンドガン
[ナイトメア]
を抜き取り、目の前で間抜けな顔をしている男2人に対して発砲。
弾丸は男たちの顔に命中し、間抜けな顔が吹き飛ぶ。
(うわぁ……凄いグロテスク。今にも私は吐きそうになるがなんとか抑えて、ホルスターから9mm拳銃を抜き取る。私だって元帝国軍人なんだから……まともな戦闘経験は無いけど私だって出来るんだから!)
「ルシフェル、目の前の階段から2階に行って!」
「了解いたしました」
ルシフェルは2階に行く。
「さて、悪夢をコイツらに見せてあげましょ、エリ」
私は奥の部屋から新たに現れた組織員たちにナイトメアの銃口を向けて、言った。
次話は明日か今日に
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オートマチックハンドガン
自動式ピストルとも言う。
射撃時の反動や火薬燃焼時の薬莢底にかかる圧力を利用し、スライド、ボルトと呼ばれる部分を後退させることで、排莢や次弾装填を自動化した拳銃である。
クロスボウ
西洋で用いられた弓の一種であり、矢を板ばねの力で弦により発射する武器。