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第十話

……しばらく敵に見つからないように姿勢を低くして、慎重に歩いていたら目の前に帝国の拠点が見えてきた。


ここからは発砲しようものなら数万の帝国兵と楽しい楽しい鬼ごっこが始まるので今までよりも更に隠密作戦を徹底する必要がある。


足元を見ると大量の銃火器や人骨が落ちていた。


ドッグタグがあったので見てみると共和国の歩兵だった。


私はそっと、そのドッグタグをロングコートのポケットにしまった。


せめて、彼がこの戦場にいた証くらいは持って行ってやりたい。


「エリ、防御が薄いところはある?」


私は双眼鏡で索敵をしている彼女に小声で言う。


「九時方向が手薄ですが……今行くのは危険かと」


私は太陽がどの位置にあるかを確認する。


もうすぐ日が暮れそうだ。


「日が暮れたら侵入するよ」


「了解」


暗闇に紛れれば行けるはず。


装備を確認する。


ナイトメアと7.7ミリ炸裂徹甲弾が30発。


カラドボルグ用の対人20ミリ炸裂徹甲弾が残り5発。


ただ、エリの背負っているリュックの中に20ミリ炸裂徹甲弾が10発、対空用の20ミリ炸裂弾が20発、対戦車用のが3発ある。


なんとかなりそうだ。


この大口径の銃達にはサプレッサーが付けられないので消音が出来ない。


ただ、高火力はやめられないね。


ここは譲れない。


火力は正義。


「ベオウルフさん、私の武装がハンドガンだけって流石に弱すぎません?いざって時に」


「ハンドガンを舐めちゃいけない……と言いたいとこだけどその通りなんだけど……上は観測手ごときに渡す武器は無いってさ」


「酷いもんですね……」


「まぁ狙撃手って前線に居ないイメージのせいで結構軽視されるんだよね……私だって渡されたのは一世代前の歩兵銃だったし。結局、このライフルも自費だし……」


「……大変ですね」


さて、この位置なら大してスコープが反射しないはずなのでスコープを覗いて、攻撃目標である弾薬庫、航空機格納庫、飛行場滑走路の位置を確認する。


どの施設にも警備している兵士が多数。


なんとか注意を逸らせられないだろうか?


あ、あるかも知れない。


施設が3カ所に対してスモークが5発。


予備で1個取っとくとしても1個は余る。


この一個を適当な場所に投げれば注意をそらせるはずだ。


「ベオウルフさん、日が暮れました」


もう十分に暗くなった。


「行動開始……」

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