chapter 2 − recollection − 大学2年 7月16日
――― 月 日
眠れない
なんにち寝てないだろう
分からない
布団に包まる
天井を見つめる
目を閉じる
いろいろな想い出
苦しみ
届かぬ想い
入り乱れる
深く息を吸い込む
狂ったような眠気に襲われる
眠ってるのか
分からない
雑音に包まる
これでいいのか
いいのか
本当にいいのか
お前は罪人だ
罪を正せ
誰が罪人だ
罪を正せ
罪人達よ
気が付くとこの前で立ち尽くしてる
いつの間にか見つめてる
ぼやけた景色の前、立ち尽くしてる
消し去りたい世界
住んでる世界
祈り
入り乱れて弾け飛ぶ
行き場を失う
さまよう感情
倒れ込む
語り合う
寄り添う
離れる
寒い
埃
むせび返る
微笑む
笑顔には涙が
こたえると気が違い
必死に求めたものを振り返ると何もない
同じことが何度も何度も踊ってる
すべてと唇を重ね合わせる
自分を求めてくれるものを探してる
探しても探しても見つからない
すべての実態がつかめない
確かなものが見つからない
確かなものってなに?
正しいもの?
何が正しい?
誰が正しい?
君かい?
僕かい?
君の愛する人かい?
「愛」そのものかい?
いや違う
やっと分かった
それは「生」と「死」なんだ
生きとし生けるものすべて、さまざまな偽りを抱え積み重ね罪人となってく
その罪を和らげ共有できる仲間が欲しい
ゆえに「愛」を求める
互いの傷を舐め合い救われる想いに浸る
そんな共感できるものに「愛」を贈る
それが真実?
いや違う
分かった
生きてる証としての生活、その苦しさから逃れたいがために生きる証としての「愛」を求めてるだけなんだ。「愛する者とともに生きたい」「愛する者をこの手で一生守っていきたい」と言ってはそのぬくもりを求め傷を癒し罪から逃れようとする。そして互い必要とされてるとゆう意識の中から自分の「生」を確認してるんだ。限りなき不安を隠すために偽った自分に「愛」の衣を被せて、相手を守るとゆう名目で自分の命を繋ぎ止めてるだけ。相手を愛するとゆう名目で自分を愛してるだけなんだ。
君は誰を抱き締め自分の代わりにしてるの?
そんな時に感じられる想いは相手を信じようとすること。でも「君を信じてる」そんな言葉が意味してることは「信じさせてくれ」って疑ってる偽りに過ぎないんだ。不安が人を偽らせ真実を打ち消していく。そんな「愛」すら偽りなんだ。それでも人は愛することをやめられない。だってそれをやめたら自分自身の存在の意味をも否定してしまうことになるのだから。
「愛」の目的すら失った今もなぜか僕は生きてる。でもそんな矛盾も「死」によって掻き消される。今自分が生きてるとゆう事実は他人の「死」によってのみ確認できる。今僕は生きている。その意味も持たぬままに。
「生」と「死」相反する真実の前で自分すら罪人であることが分かった今、掴むべき希望と夢と満足と明日と生きるための理由が偽りに飲み込まれ現実から引き離されてく。生まれた時から死に向かって生きてるのなら何のために与えられた偽りと戦わなければならないんだろうか。
自分の抱いてきた疑問から
自分の愛してきた存在から
自分の知らしめてきた現実から
自分の信じてきた夢から
自分の恐れてきた不安から
自分の苦しめてきた自分から
解放されることはあるのだろうか
その時はいつなのだろうか
その術はあるのだろうか
想い出から
振り切れぬ想いから
この夜から
この暗闇から
解放して