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chapter 2 − recollection − 大学2年 7月3日

 ――― 7月3日


 僕はなんてことをしてしまったんだ

 取り返しのつかないことをしてしまった

 ついに龍ちゃんに想いを伝えてしまった


 龍ちゃんは僕と亜美の仲を心配してくれてたんだ。

 そんなこととは知らずに二人で会える喜びに胸を膨らませて彼の家へ行ったんだ。


 龍ちゃんは不機嫌だった。

「亜美がお前を心配してる」

 まさかそんなことで呼び出されるなんて思ってもみなかった。


  僕は君が好きなんだよ!!


 心の叫びを必死で抑え続けた。


  これを言ったらおしまいだ


 分かってるつもりだった。それでも龍ちゃんは答えを迫ってきたんだ。

「亜美のこと愛してんのか!?」

 心の中で必死で抑え続けてきた何かが弾け飛んだ。


 僕は・・・

 僕が好きなのは亜美じゃない

 僕が愛してるのは君なんだよ!

 龍ちゃん君なんだ!!


「僕は龍ちゃんが好きなんだよ!」

 気が付けば彼を押し倒しキスをしてしまっていた。


 いったいぼくはなにをしてるんだ・・・


 自分で自分のしていることが分からなかった。

 思い切り跳ね除けられた。

 その時玄関で物音がしたんだ。

 由紀さんだった。

 彼女の僕を見つめるその瞳はどこかで見たような気がした。何かに似ていた。どこかで・・・


  杉本だ


 そうだ杉本があの時僕に向けたあの瞳と同じだったんだ。

 僕はとんでもないことをしたんだ。本当に取り返しのつかないことをしてしまったんだ。だって今回の由紀さんが杉本と同じ立場だったなら、僕は杉本の彼女たちのそれと一緒ってことじゃないか。あんなに、あんなにも忌み嫌ってきた女たちと同じことをしてしまったなんて、本当になんてことをしてしまったんだ。もう取り返しがつかない。


 どうすればいい

 どうしたらいいんだ


 僕が悩んでいた時、いつも一緒になって悩んでくれた恩人に対して、よりにもよって一番大切な龍ちゃんに対して酷い裏切り行為をしてしまったんだ。口にしちゃいけないって、言葉にしたら全て終わりなんだって分かってたはずなのに・・・

 自らの手で全てをぶち壊してしまったんだ。

 自らの手で自らの首を絞めたんだ。

 龍ちゃんはこのことを亜美にバラしてしまうだろうか・・・


 どうしたらいい

 どうしたら・・・

 

 なんて馬鹿なんだ・・・



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